ワニなつノート

Halの冒険 (35)


Halの冒険 (35)


さて、とりあえず送った本は、
門野晴子さんの『愛するもののために』です。

本棚の奥から、10年以上ぶりに引っ張り出してみました。
(^.^)/~~~

最初のページだけ紹介します。


  □   □   □   □


《お子さんに先生の悪口を言わないでください》


入学式で決まって出る校長のセリフだ。
先生ってよっぽど悪いことしてるんだナ。

「親ごさんにお願いしたいことは、
お子さんの前で先生の悪口を言わないでいただきたい。
教育は信頼関係がないと成り立ちませんので、
たとえお子さんが先生のことを悪くいっても、
真に受けないでください」

教師を長くやっていると、
こういう矛盾したことを平気で言えるようになるらしい。

入学式では発言の機会はないし、
息子の入学式の折は素直に聞いていた。

が、下の娘のとき、
入学式に次いで担任が最初の父母会で
同じことを言ったとき、いかにニブい私でも、
その恐ろしい矛盾に気がついてとび上がった。


「教育は信頼関係が大切だということはよくわかります。
でも、先生と子どもの信頼関係だけが大切なのでしょうか。
子どもの言うことを真に受けるなとは、
子どもの言っていることを信用するなということでしょう。
親と子の信頼関係はどうでもいいということでしょうか。」

「そんな揚げ足取りをしなくても…」

「いいえ、これは教育の基本に関わることです。
信頼関係とは、その人のなにもかも盲信して
いっさい批判をしないということではなく、
おかしいと思うことは批判しあい話しあうことによって、
お互いの信頼関係がかえって深まっていくのではないでしょうか。
そういう批判までいけないとおっしゃるのですか」

「いいえ……それは……」

「それに、年齢に応じて人間や世の中のできごとについて
批判力を持つことは、子どもの成長の証だと思うのですが、
先生はどうお考えになりますか」

「ええ、私もそう思います」

「では、子どもの言うことを真に受けますが、よろしいですね」

「……」



☆『愛するもののために』 門野晴子 
       学陽書房 1987年発行
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