ワニなつノート

続・指点字通訳と普通学級の介助 (メモ3)


続・指点字通訳と普通学級の介助 (メモ3)


【光成】
これは私だけの体験かもしれませんが、
通訳するときには、通訳を担当している盲ろう者の
気持ちに入り込んでしまう癖がついちゃってるんだと思うんです。
その人の気持ちが私に憑依しちゃうところがあるんです。

だから、通訳じゃなくても、直接肌が触れあって話していると、
どうしても彼の気持ちが私の方に影響しちゃうんです。
自分の気持ちよりも、彼の気持ちを優先して。
どういう風に感じているんだろう、考えているんだろうって。

そっちの気持ちばかりが私の気持ちに覆いかぶさってきちゃう。
すごい疲れるんですよね。

だけど、メールで話し合いをしたら、そういう感覚がなくて、
しんどくならないという事実もわかったんですよね。

それまでは、言い合いになったら逃げずに
とことん真正面から向き合わなければいけないというのが法則、
それが結果的に私を追いつめていたこともわかったので、
嫌だったら逃げればいいと。

途中で、この話し合いは打ち切ってもいいってことにしたんです。
彼にとってはコミュニケーションを途中で切られるのは
すごい嫌なことだと思いますけれども、
それが私を守ることであって、逃げるっていうことが楽。
逃げさせて下さい、すいませんけどって感じです。

結果的にそれで二人の関係が保てるようになるのであれば、
それでいいんじゃないかと。

【福島】
途中でやめるのは困ると言っていたんですけれど、
沢美がコミュニケーションの継続に疲れたとき、
困難を感じたときは、ストップの合図を私に送ればやめる。
私は退場させられるんですけれども、騒がないということ。


【光成】
この人、とことん言ってくるの。
容赦がないんですよ。
手加減なし。

大学の教員と赤子が手加減なしで言い合って
勝てるわけがないので、追いつめられちゃって。
しんどくなって爆発するぐらいだったら、
途中でちょっと反則かもしれないけど、白旗をあげることによって、
結果的には私の方が勝っているのかもしれません、もしかすると。


【福島】
それでいいと思います。
私には障害がある、
かといってどちらかに負担が偏った夫婦関係は
いびつであることも事実である。

だからいくつかルールを決めていった。
ポイントは無理をしないで、必要があれば第三者を介在して、
通訳を入れて話をするということ。

それから、沢美がリラックスできる場、時間をつくるということ、
私自身リラックスできる工夫をするということです。

    □     □     □


ここのところは、何度も、読むたび、いろんなことを感じます。

夫婦だろうが、通訳だろうが、介助だろうが、
苦しいことは苦しいってこと。
相手が愛する夫だろとう、
相手が盲ろうという大変な障害があっても、
話したくないときは話したくないんだと、言わなくちゃいけない。
言ってもいいだということ。

そう、親子だろうと、愛するわが子のことだろうと、
子どもに障害があっても、苦しいときは苦しいってこと、
話したくないときだってあるってこと、
それを聞いてくれる人は、やっぱり必要だよねって。

そんなことを、読むたびに思ってるのかな~。
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