ようこそ就学相談会へ2022メモ(その5)
遅れている?
「遅れ」があるとしても、それは「居場所を分ける」根拠にはならない。
集団の中で、「自分の居場所」を見つけるのに、「遅れがある=時間がかかる」子がいるとき。
「遅れ」を取り戻すためには、より長くその場にとどまり「安全な居場所」を探り、調整しあう手間暇が必要と考えるのが自然ではないのかな。
「遅れがある=たどり着くのに時間が多くかかる」子を、そこから分けてしまったら、その場での「居場所」をみつけることはできない。
マラソンで周回遅れの子を、そこから抜き出してしまえば、ゴールした子たちを「見る」こともできなければ、そもそもゴールがどこかを見ることもできない。
みんなの影も形も見えなければ、遅れを取り戻すことは永遠にできない。
□
逆を考えてみる。
とても「速い」子がいるとして、1日でクラスに馴染めるだろうか?
「速い」子の一日と、「遅れる」子の一年を比べれば、共有する体験と時間と記憶とつながりの豊かさも、たどり着く馴染みの世界も、比べるべくもないと思うのだが。
「分けて共に」の言葉ばかりが、どうしてこんなにもあふれているのだろう?
「一緒がいいなら、なぜ分けた」
六十年前にそうつぶやいた少年は天才だと思う。
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