岩ちゃんへ
詳しいことは全く分かっていない私ですが、
今は過酷な状況の中にいるのでしょう。
そんな中で、わざわざコメントいただきありがとうございます。
コメントを読んで、頭の中では、
いろんな方向へ話が飛びまわっています。
でも、基本的な部分で、説明しなくてもいいと感じながら、
考えるのはすごく気が楽だと気づきました。
「良い支援?」について感じたこと、
考えさせられたことを書こうと思っても、
岩ちゃん以外は知らない人なので、つい余計なことを考えてしまいます。
知的障害のある人の自立生活が広がってほしいことは言うまでもなく、
でも、それなら、細かいことにケチをつけるようなことはしない方が…、
などと考えてしまうのです。
でも、こうして岩ちゃんだけに話そうとするときには、
そうした遠慮しなくていいのが楽です。
基本的な思いは、お互いに言うまでもないだろうと思うのです。
その上で、整理して話したいことは次々と浮かびます。
とりあえず、思いつくままにメモしておきます。
>しかし、現実は…
就学運動や高校進学の運動を担ってきた方々が、
学校と言う場を卒業すると同時に、「居場所作り」等に邁進したり、
「障害者ばかり集まる場は嫌!」と言っても、
結局は家族が当事者の暮らしを、
すべて抱え込んでいたりする事の方が多いように感じます。
岩ちゃんの言うとおり、今まで「普通学級」を選んできた人たちが、
「自立生活」に向かっていない現実は、よく分かっています。
自立生活どころか、中学3年で、
「ふつうの学校生活」を終えなければならない子どもがほとんどです。
小学校1年で普通学級に入れた子どものうち、普通高校に挑戦できるのは、
(挑戦させてもらえる親に出会えるのは)
50人に1人、100人に1人でしょうか。
他県からは「進んでいる」と言われる千葉でも、
就学時に会に関わった人の中の確率はそんなものです。
たとえ、親がどんなに「ふつうの学校」とがんばっても、
たかが「高校」で「遠慮」し(遠慮させられ)、
「あきらめ」(あきらめさせられ)、普通学級を終えるのです。
そういう意味では、
普通学級がまっすぐに自立生活につながってはいません。
普通学級を選べば、普通の自立生活につながると、
今までの時点では言えないでしょう。
千葉では、この20年に、83人が高校生になりました。
そして、一人暮らしをしているのは、1人だけ?でしょうか。
でも、それは、就学運動をしているのが子どもではなく、
「大人」であること以上に、この国の学校が、
昔も今も、「障害のあるふつうの子ども」たちを
受け入れない学校のままだからだと思うのです。
もう一つは、Hideが「自立生活」をするときに、
必要だったのは、Hideの自立と、
親の覚悟(親の自立)、
そして「K2」という存在が地域にあったことでした。
岩ちゃんの「たこの木」や、「K2」のようなところがある
幸運な地域は、日本にいくつあるでしょうか。
宝くじで3億当てるより難しいでしょう。
0点でも高校へも、
サッカーくじで6億当てるより難しいことです。
なんだか、とりとめもなく書きましたが、
やはり「安心感」があります。
とりあえず誤解されることはない、と思っているからでしょう。
ふと、思いました。
これって、「いちいち、わかり合わなくてもいい関係」ということですよね。
お互いに、ふだん言ってることや、やってることは、
行き当たりばったりだったり、いい加減だったりするけど…と。
それでも、大事にしているものは同じだと。
「いちいち、わかり合わなくてもいい関係」
そうなんだ。
支援とか、介助とか言って、
相手のことを、どうやったら「わかるだろう」、
相手の気持ちや意思を、どうしたら「間違わないでいられるだろう」と、
考えること自体、私たちが「障害」をもった人たちとの関係が
できてないってことなんでしょうね。
とりあえず、思いつくままに返事?を書きました。
近いうちに、ゆっくり話せるといいですね。
☆
私が学生のころ、養護学校義務化について考えているとき、
「遺愛集」という、死刑囚の歌集を読みました。
障害と学校、障害と犯罪、障害と死刑の問題は、
私のなかでひとつながりのものとして考えてきました。
年末にも、芹沢俊介さんの『親殺し』という本を読んでいたら、
そのなかの何人かは「障害」をかかえた子どもの話でした。
幾重にも考え続けています。
では、本当に今年は一度くらいは会って話しましょう。
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岩ちゃん
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