村爺のなんでもいいべ

南相馬市の馬事公苑を中心に活動しているディスクゴルフの話題や南相馬の出来事や思いついたことを書いていきます。

うつくしま復興大使

2012年07月02日 18時32分20秒 | 南相馬の話題

福島民報社が「うつくしま復興 ともに」をスローガンに進める復興戦略事業のひとつとして「ふくしまからのメッセージ」コンクールの募集が行われ、その結果が発表された。

作文、詩など3173点の中から最優秀賞に選ばれた3人の方は、「うつくしま復興大使」の委嘱状交付を受けロンドン五輪が開かれる英国に23日から派遣され、世界にメッセージを発信するそうです。優秀賞、入選の受賞者は8月から全国各地を訪れ「ふくしまからのメッセージ」を発信するようです。

南相馬市にある相馬農業高校の生徒も優秀賞に選ばれました。

 

被災者から復興者へ 佐藤佳奈さん

もし、一つだけ願いが叶うのなら、あの日、3月11日の大震災をなかったことにしたい。

 私の地元、福島県相馬市の磯部地区には大津波が襲いかかり、250名以上もの方が亡くなりました。あの大震災から1年以上がたった今では、山のようにあった瓦礫もきれいに片付けられ、まるで最初から何もなかったかのような風景です。

 私の通っている相馬農業高校では昨年5月から11月までの半年間、パネルで仕切られた体育館と仮設校舎で授業を受けました。現在も私たちが土を耕し、作物を育てることは制限されています。

 「私に何かできることはないか」。私はずっと考えていました。そんな時、ある発表会に出場し、震災から数カ月間の思いを述べました。私が発表する間、真剣な顔でこちらを見つめる人、涙を流している人が見えました。発表を終えると「ありがとう」とそばに来てくれた人もいました。

 「私にもできることがある」。それは、体験したことを伝え、出来事を風化させないということです。自然の恐ろしさや原発事故、風評被害…。辛いことばかりではありません。全国の方々からのたくさんの支援や、ボランティアで触れた人の温かさ。人生についてこれほど真剣に考えたことはありません。私にしか伝えられないことがたくさんあります。一人ひとりの力はとても小さいかもしれないけれど、復興を切望する一人の人間として、思いを伝えることは誰にでもできます。それは決して無駄にはなりません。必ず誰かの心に届いています。私は地元が、福島が大好きです。だからこそ、諦めたくありません。福島の被災された方々には「無力だ」とは思ってほしくないのです。

 過去を変えることはできません。あの大震災も原発事故もなかったことにはできません。ですが未来はいくらでも変えることができます。未来は確定していないのですから。大震災から1年、私たちは「被災者」から「復興者」へと歩みを始めます。

 

俺たちみたいに先の見えている者たちは放射能にさらされているこの地で生活してもほとんど影響は出ないかもしれない。でも子供たちはこれから先長い人生の中で、この時のことが原因で大きな病に侵されるかもしれない。そんな中でもこの地で生活している子供たちは真剣に復興を考えているんですね。福島に生まれ、あの大震災と大津波そして原発事故という世紀の大事故を経験したからこそ、将来に目標を持って人生を歩んでいくことができるのかもしれません。

佐藤さんのメッセージを読んで若者たちの前向きな考えに感動しました。

ありがとうございます。