遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

映画 華氏119

2018-12-02 14:52:01 | 映画
平成30年12月2日(日)

映画 華氏119 ドキメンタリー

監督 : マイケル・ムーア
製作 : マイケル・ムーア、カール・デール
     メーガン・オハラ
製作指揮 : バーゼル・ハムダン


トランプへの挑戦




先月(11月21日)、東宝シネマズ・ベイシテイ(港区)へ
出かける。間も無く上演が終る頃のため、プレミアム
シートは20名足らず、、。

一昨年、米大統領となり世界中を混乱の渦に巻き込んだ
トランプ氏誕生の内側にカメラを入れ、誕生の要因と、
トランプの言動に反発し、行動をする若者達に迫る。

華氏119


2016年11月8日(土)、「米国大統領選挙」
ニューヨーク・タイムズの予想では、ヒラリー・クリ
ントンの勝率は85%、対するトランプは僅か15%、
国民の大半がヒラリーの勝利を確信し、諦めムードの
共和党陣営、、、、。
開票が始まり、当初ヒラリーが順調に得票を伸ばし、、
ところが中盤から、予想外の展開が、、、、、
選挙戦の最重要地域の「オハイオ州」の票をトランプ
が獲得、、、、、此処から様相が一変する、、、、、
次第に開票速報が接戦となる、、、、、、。
翌日(9日)、遂に、トランプが勝利宣言をする、、

大統領選前のムーア監督の予言が的中する結果が、、
その要因の一つ、
五大湖周辺の「ペンシルバニア」「オハイオ」
「ミシガン」「ウイスコンシン」の4州を、ヒラリー
は楽観して殆ど遊説しない。此処は元々民主党支持者
の労働組合が多く、過去には民主党が圧勝していた。
所が近年、この地域の自動車産業等の工業生産が落ち
込んでいた、、、。
これに目を付けたトランプは、積極的に此処を廻り
遊説をし、民主党への暴言を繰返した、、、。
もう一つの要因は、
民主党のバーニー・サンダースが、ヒラリーの企業
献金を批判し、若者や貧困層の支持を集めたが、、
民主党内部から、彼の政策が行き過ぎと指摘され、
民主党内の「スーパー代議員制度」により、候補戦
に敗れる。これにより、サンダースは大統領選挙に
失望し、撤退。彼の支持者が離れて行った。

ミシガン州フリントでは、水道の汚染問題が深刻化
州知事(共和党員)はこれを隠蔽、、住民の訴えに
より当時のオバマ大統領が現地に赴き、、、、
地元住民の前で、この水を飲み(実際はふりをして
コッソリ棄てる)「この水は安全です」 これに
失望した住民は、、、、、、

共和党のトランプは巧に、現役の政治家を批判し、
暴言を繰返し、共和党の大統領候補となる、、、

共和党のトランプに失望し、拒否反応をする国民が
増大し、史上最低レベルの投票率55%となり、
約1億人が選挙に行かなかった。
これ等の要因が重なり、民主党の自滅、タナボタの
トランプが勝利(どこかの国と似てませんか?)


その後、ムーアはミシガン州フリントを訪れ、
地元の人の話を聞き、、、知事に面会を求める。

知事に門前払いされ、、、、。怒るムーア監督は
知事公舎の門前に「汚染水のタンク車」を止め、
汚染水をまき散らす、、、、。


ムーア監督は中間選挙に於いて、民主党の内部から
政治を変えようとする、若手候補者にカメラを、、
ニューヨーク、ブロンクス地区で出馬するプエル
トリコ系女性「アレクサンドリア・オカシオ・コル
デス」(28歳)。彼女は過ってサンダース議員の
選挙スタッフをしていた。
(先日の中間選挙で、現職の共和党候補を破る)

2018年2月フロリダ州バークランドの高校で
退学になった元生徒がライフル銃を乱射して、
17人が死亡、、、、。
生徒らは「銃規制」を求め立ち上がる、、、
「我々の命のために行進」を企画、全米に数十万
の高校生を動員、トランプを筆頭とする共和党
議員を落選させようと訴える。
(2年後の大統領選は我々にも選挙権が在る)と、

映画の終盤、
エール大学の「テイモシー・スナイダー教授」を
訪ねる。「彼はナチスドイツ国家の歴史とホロコ
ースト」の研究の第一人者で、
ヒトラーの演説とトランプの暴言(スピーチ)を
重ね合わせる。
ラストシーンで銃乱射のタダグラス高校の生徒が
犠牲者一人一人の名前を読上げる、、、、。
それに、ボブ・デイランの「神が味方」の曲が
エンデイングとなり、、、、、、。

日本でも同様な選挙制度により一党独裁で無能
な政治家ばかりが増え、問題を起こしてはモミ
消し、どんな法律、議案も議論のなされぬ儘、
成立する、、、、。
このままで良いのか?日本の若者達も立ち上が
って欲しい、、、、、。

この映画、すべての若者に見てほしかった。


今日の1句

散り急ぐ山茶花の径夕間暮れ    ヤギ爺


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