今日は雨が降ったり止んだりの変わりやすい天気で、畑仕事は休んで、丸葉台の苗木作りをする。苗木作りと言っても、丸葉の台木はりんごの樹の根元に生えているヒコバエを利用して作ります。先ずは台木採取です。
樹によってヒコバエが有る樹と無い樹がありますが、良く育っている台木を採取する。
結構、細かい根が付いて、太いものがある。以前はこのヒコバエは、夏に抜いて捨てていたものだが、何年か前に抜いて捨てるものに根が付いていて、これを捨てるのが勿体ないと思えて、利用するということを考えました。本当に、「見方を替えれば、味方になる・・・。」
台木の丸葉のヒコバエですが、根の状態が良いものを選抜する。結構良い状態のものを選ぶ。
直径1~2cmの太さの台木で、40~50cm位の長さに切る。
さて、接ぎ木する穂木ですが、ただ接ぎ木するのは面白くない・・・。果台枝を使う。果台枝とはりんごが成った脇から出た枝で、節があり、養分の流れが淀んで素質の良い枝が出やすいのが利点である。
この枝のこの部分を利用して、苗木を作る。
このように穂木を接ぎ木のナイフでカットする。
このように台木に切り目を入れて、穂木を挿して、ビニールテープで固定をする。接ぎ木の鉄則は「穂木と台木の皮(形成層)を合せて接ぎ木したら動かさない、乾かさない。」です。この条件で活着する。
あとはこのテープを巻いて乾燥を防ぐ。
こんな感じで、切り口と穂木の部分を塞いでしまう。このテープの材質はパラフィンで、引き伸ばして巻き付けるので芽が出るときに破って出てくれるので、管理が入らない。
これで、出来上がりです。台木の長さを長めにして、穂木は果台枝を使って、わい化の効果が期待できて、早くりんごが成る。このやり方での苗木作りは本数はあまり出来ませんが、少しずつ植え替えていくには良いと思う。なんといっても、台木は自分の園地で調達できるし、穂木も、自分の園地で良い系統をセレクトできるというのがメリットだ。まあ、これは種苗業者には難しいと思う。りんご作りの皆さん是非とも挑戦してみて下さい。