感染症で熱発する場合は通常、悪寒chillsが先行し全身の筋肉の収縮を行うことによって熱産生が行われ体温が上がります。
敗血症を早期に捉えるためには、悪寒の有無を確認し、その程度についての問診を取るとよいでしょう。
患者のベッドが体の激しい震えによって「ガタガタ」揺れている場合や寒さで歯をガチガチ鳴らしているときは、悪寒戦慄shaking chills (shivering)を意味しており、ただちにsepsis workupを行うとよいでしょう(表)。
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(表)悪寒の程度と敗血症の可能性
悪寒戦慄shaking chills (布団を重ねてかぶってもブルブル震えている)
→「敗血症」の可能性は非常に高い
中等度悪寒moderate chills(布団を重ねてかぶると震えが収まる)
→「敗血症」の可能性は中等度
軽度悪寒mild chills (重ね着で震えが収まる)
→「敗血症」の可能性は軽度
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しかしながら「中等度悪寒」であっても頻呼吸、低血圧、意識変容がある場合、敗血症を示唆します。
一方、「軽度悪寒」あるいは「悪寒なし」のケースでは、呼吸、血圧、意識の全てが正常であれば、敗血症の可能性は低いと思われます。
写真 プレゼンの極意についてのプレゼンを中頭病院で行う福井からの研修医:他流試合
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