今回はClostridium difficile感染症についてみていきましょう。
まず、リスク別抗菌薬一覧を表1に示す。
表1:Clostridium difficile感染症のリスク別抗菌薬一覧
高リスク
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低リスク
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ニューキノロン | アミノグリコシド |
クリンダマイシン | テトラサイクリン |
広域ペニシリン | メトロニダゾール |
広域セファロスポリン | バンコマイシン |
Clostridium difficile感染症を疑う状況を表2に示す。
表2:Clostridium difficile感染症を疑う状況
下痢またはイレウス
腹痛
発熱
白血球上昇
抗菌薬投与歴(3か月前~72時間前)
診断は通常、便中トキシン検査。
治療では、要因となる抗菌薬をなるべく中止して、軽症~中等症にはMETROを500mg1日3回経口、重症にはVCMを125mg1 日4回経口投与で行う。
重症例の定義は、末梢血白血球>15000/mm(3)または血清クレアチニンがベースラインから1 .5倍以上上昇したとき。
イレウスやショック、 中毒性巨大結腸症toxic megacolonなどの重篤な合併症があるときには、保険適応を確認のうえで、VCM500mg1日4回経口投与または経管を考慮する。
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