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慢性閉塞性肺疾患のフィジカルの続き

2019-07-05 | 勉強会
 
皆さん、こんにちは。
 
 
前回の続きです。
 
 
頸部の視診、そして右心室の触診です。
 


呼気時に認められる頸静脈怒張

COPD患者では、呼気時に怒張し吸気時に虚脱する外頸静脈の怒張が観察される。

この所見は閉塞性肺機能障害に基づく吸気・呼気時の胸腔内圧の大きなスイングを反映する。

本所見はFEV1.0<700mlという重篤な閉塞障害の指標である。



吸気時の鎖骨上窩の陥没

気管支喘息発作に際しても同様であるが、気道閉塞の重症化とともに平静吸気時の鎖骨上窩の陥没が観察される。

本所見陽性者の場合、比較された全指標について陰性者に比して極端な低値を示し、強い閉塞障害の指標(FEV1.0<800ml)となる。



樽状胸郭変形 

この所見は残気量・残気率の増大と深いかかわりがあり、肺気腫の病態を強く示唆する。

本所見の陽性者はFEV1.0およびFVCについて陰性者に比し有意に低値を示し、FEV1.0<800mlの指標である。



心拍動最強点の胸骨剣状突起下への偏位

本所見は閉塞性肺障害が高度化し、肺の気腫性過伸展に伴って横隔膜の平低化と縦隔の下方偏位の結果、心臓も同方向へと移動し、また肺性心のために右室が拡大・肥大して心拍最強点が右室により産み出されることによる。

この所見の陽性者はFVC以外の指標について有意に陰性者に比して低値であり、高度の閉塞性肺障害(FEV1.0<800ml)を意味する。




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