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アイネットラジオ529-8 いまこそ一国二制度を実現したい

2021-06-21 | ラジオ放送の中身

みなさん、こんにちは。

 

アーサー はい、そして、このワクチンからの話を先にお伝えした緊急事態宣言の発出に際し、報道がありました自民党の細田氏の発言の部分、もちろん、賛否両論様々な形でインターネットでも意見が飛び交っている状況なんですが、あの発言の趣旨、ちょっとおさらいしたうえで、せっかくの機会なので徳田さんの意見もおうかがいしたいと思います。

 

徳田 やっぱりあれは問題発言ですよね。

ひとつは、沖縄県知事に対して沖縄のやり方は間違っていたと、沖縄らしくないということなんですけど、その内容は、報道されているところによれば、今も感染者数が爆発的に増えていると。

その理由は観光客が大量に入ってきまして、検査も徹底的にやっていないということで、それは一国二制度でもいいから沖縄らしく独自にやるべきではなかったかと。

自分は以前からそれを主張してきたと、そういわれているんですけど、まずその内容は置いておいて。

そういう主張は、実は玉城知事も当初はそれをやろうとして、西村大臣とかに打診しているんですよ。

去年の時点で。

私が覚えているところによると、西村大臣に電話したら即断られた。

どういうことかというと、最初のディスカッションに戻るんですけど、沖縄行きのフライトにのる人は全員、PCR検査で陰性を確認してからと、そういうふうにできませんかと。

そういうふうに今回のパンデミックの間だけそういうふうにできないかと、それを頼んだらダメと言われたんですね。

即、ダメと言われた。

ですから、細田さんが言われたことはむしろ、自分たちの自民党の中にそういうことをやっている人がいるわけですから、まず西村さんに言うべき発言だったんですね。

西村さんが断っているわけだから。

デニーさんもやりたかったんだけれど、できなかった。

沖縄県内のいろいろな団体からそういうふうにやってくれということを、自民党とか政府にも打診があったみたいです。

それも全部断って、今までずーっと放置してきたわけです。

放置してきたのは政府と自民党の責任ですから。

それを自民党の重鎮が、玉城知事に「沖縄らしくない」って、沖縄に責任はないんです。

それを断った西村さんをはじめとした政府自民党にあるわけですからね。

まずそこが間違っている。

 

一方で、中身に関しては私は賛成なんです。

今日も申し上げましたけれど、徹底的に検査をしておくが100パーセントではなくても、陽性者をキャプチャーできるわけですから。

その効果はあるわけです。

Rを1以下にすればいいわけですから。

100パーセントキャプチャーしなくてもいいわけですよね。

ですから言ってることはただしい。

今回の発言というのはある意味本音が出たということで、自民党の政治家も本当は検査をした方がいいと思っているわけです。

実際、自民党の党大会も今年の初めに行われましたけれど、全員PCR検査をしてやっているわけですね。

党大会を。

 

去年の年末、自民党本部でひとりふたり感染者が出た時、そのときも全員検査をしているわけです。

検査が重要だということはわかってきて、それを自分たちはやっている。

 

そしてオリンピックでも、選手を毎日全員検査をすると、それはもう表明しているわけですね。

にもかかわらず沖縄にかんしては、検査を認めないということですから。

これは責任は政府自民党にあるわけであって、デニーさんはある意味、被害者ですよね。

ですから、今回の発言を肯定につかって、一国二制度でやりますというふうに宣言すればいいと思うんです。

一国二制度で沖縄はやらせてください、と。

だって、小笠原はそうしているんですよ。

PCR検査をしないと小笠原に行けないことになっていんです。

 

アーサー はい、そうですね。

 

徳田 ハワイもそうです。

アメリカ本国からの国内線ですよ。

アメリカ本土からハワイに行く人は、70時間以内の陰性の証明書がないと、ハワイに入れないんです。

そういうことになっているじゃないですか。

それを沖縄でやるだけの話です。

ほかの国でもやっているし、日本国内でもやっているわけですから。

それをやるだけですから。

そういうことを自民党の政治家が、重鎮が言っているんですから。

 

アーサー お墨付きとして使ってみる。

 

徳田 ええ、それを利用して。

それを利用しないでただ単にあの発言は激励の意味だったとか言って、そのままスルーしてはいけないです。

あの発言を利用して、これは沖縄が実は本土に巻き込まれたと。

実際巻き込まれたわけですから。

沖縄の感染対策も、政府の感染対策の追随でしたから、今まで。

これは何度も申し上げました。

台湾のようにならなかった。

台湾のようになれなかった理由は政府の対策のやり方を追随したからなんですよ。

一国二制度だったら、台湾のようになれた。

台湾の制度をそのまま利用すればいいわけですから。

 

アーサー そういった意味でも今からある種の軌道修正として、ほんとに空港の水際の対策というのは、この番組の特集で本当に再三お伝えしてきたんですけれども、入り口をまずきちんと交通整理してあげるのがすごく重要ですね。

 

徳田 ええ、特に宮古島、石垣島みたいに病院が限られたベッド数しかない。

病院の数も少ない、ICUも数人しか入れないようなところでも、爆発的にクラスターが発生したら大変なことになるんですね。

そういうところに直行便が飛んでいるわけです。

東京とか。

それはもうそのままリスクを、そのまま放置しているということですから。

自民党は責任をとって、今の発言をきちんと。

本音がポロリと出たわけですから。

厚労省の対策、間違っているということを自民党はわかっているから、そういったわけですね。

そう言ったし、自民党の党大会でもオリンピックでも検査しているわけですから。

厚労省の専門家会議とか分科会が行ったことをそのまま守るんだったら、何でオリンピックの選手に、毎日検査をするのかっていう話ですよね。

という矛盾があふれているわけですね。

政府と自民党の中に。

だからその矛盾を是正して、沖縄に押し付けないでくださいと。

間違った政策を。

と申し上げたいですね、私は。

 

アーサー なるほど。

また、番組では来月6月の末も、徳田先生お招きして詳細の状況を負いたいともうんですが、現時点では5月23日~6月20日まで、緊急事態宣言の期間、約4週間という設定がされています。

6月には、まずこの緊急事態宣言の進捗状況を見ながら、改めて総括を徳田さんからいただきつつ、この数か月、ゼロコロナに関連します提言をいくつかお伝えしてきたんですが、この時期に改めて、総括を踏まえながら今後の、沖縄に対する提言、プラスの部分の情報というものを合わせて、徳田先生からご意見いただきながらお伝えできればと考えております。

 

続きは次回に。

 

 

 

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