燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

糖尿病に多い重要な感染症その1:壊死性軟部組織感染症

2017-02-08 | 勉強会

 壊死性筋膜炎ともいいます。

 

 皮下組織および浅層筋膜の急性細菌性炎症。

 

 40歳以上の中高年に多いです。

 

 四肢や陰部に好発します。

 

 限局性の発赤腫脹から始まり急速に進行します。

 

 1〜3日のうちに紫斑、水疱、潰瘍を生じます。

 

 進行とともに患部の知覚が低下します。

 

 辺縁は肉眼的に正常でもその皮下組織では病変が進行しています。

 

 高熱、筋肉痛、ショック症状から多臓器不全へ急速に進展する恐れがあります。

 

 このように極めて強い全身症状が特徴です。

 

 診断は、臨床所見と経過以外に病変の深達度や範囲、ガス貯留の有無を調べるため、CTやMRIなどの画像診断も用いるが、100%感度ではないので、臨床的に疑いが強いときには皮膚切開してフィンガー試験(finger test)を行うこと。

 

 これは壊死で軟部組織がグジャグジャになっているために、皮下に挿入した指がすーっと入っていく所見です。

 

 原因菌では、A群β溶血性連鎖球菌、嫌気性菌などがあります。

 

 混合感染の割合も多いです。

 

 治療では、敗血症管理を行い、適切な抗菌薬を迅速投与し、ただちにデブリードマンを行う必要があります。

 

 

そこが知りたい! 心音 一刀両断! 電子書籍付き (一刀両断! シリーズ)
徳田安春
三輪書店

 

待望のシリーズ第三弾!テレビや新聞より早いグローバルな情報や科学的に正確なエビデンスに基づき、サプリなどの宣伝なしの信頼性の高い中立な情報をお届けします。キンドル版「知っておくと役に立つ最新医学2017(ノンフィクション)」こちらいかがでしょうか。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

臨床推論の総論とピットフォールをマンガでサクッと1時間以内に習得できます。エキスパート診断医への一歩を踏み出すことができます。「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」こちらも合わせていかがでしょうか。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 糖尿病ではなぜ重篤な感染が... | トップ | 糖尿病に多い重要な感染症そ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事