燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

頸静脈のフィジカル

2019-06-07 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回は頸静脈のフィジカルです。
 
 
大切な所見ですので、マスターしておきたいものです。



頸動脈波は波の立ち上がりが速く、波の高さは体位により変化しません。

頸静脈波は波の落ち込みが速く、高さは体位により変化します。

頸静脈波はその高さと波形を記載します。

セミファーラー位で、胸骨角から垂直で4.5cm以上上昇していれば、静脈圧上昇と判断します。



■有用性

① 中心静脈圧の推定:  血管内容量を反映する。

② 圧波形の分析:  弁膜疾患、心膜疾患、不整脈の診断の手がかり。

③ 侵襲的な手技(中心静脈ライン挿入)を用いずに中心静脈圧の推定をすることができる。



■実際の方法

① 診察室を明るくし、患者のベッドをセミ・ファーラー(30~45度)とする。

② 頸静脈の拍動の頂上を確認するため、ベッドの角度をさらに調節する。

③ 頸静脈の拍動と総頸動脈の圧波とを区別する。 



頸静脈:  内頸静脈では皮膚の拍動を診る。
    外頸静脈は直視可能。
    びまん性、二峰性、触知不可能。
    体位や呼吸、腹圧で圧が変動する。


頸動脈:  単峰性、鋭い、触知可能。
    体位や呼吸、腹圧で圧はあまり変動しない。


④ 胸骨角(ルイ角)から頸静脈の拍動の頂上までの垂直距離を測定する。(胸骨角から垂直4.5cmまでが正常上限)




写真 日没前の景色

 

 

医師・看護師の英語論文スタイルブック (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 12)
 
カイ書林

 

徳田安春・公式ツイッター

https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda

健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。

 

マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2018のジャンル別賞の健康部門5位に決定しました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 甲状腺の視診と触診、そして聴診 | トップ | 頸静脈のフィジカルその2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

勉強会」カテゴリの最新記事