急性倦怠感の鑑別
急性倦怠感の患者診療のときには、下表に示す「5大疾患カテゴリー」に注意する。
表:急性発症の全身倦怠感をきたすcritical な疾患
急性冠症候群
感染症
脱水
電解質異常
慢性臓器不全の急性憎悪
高齢者や糖尿病患者では胸痛の無い、「原因不明の倦怠感」が主訴の急性冠症候群で受診する患者がいるので、そのような患者で「原因不明の倦怠感」では心電図をとるようにする。
また、高齢者(特に施設入所高齢者)では、「感染症疑い」患者であってもROSで病変臓器を絞ることができないことがしばしばある。
その場合、頻度の多い臓器を考えてワークアップを行う。(下表)。
表:施設入所高齢者に頻度の多い感染症(頻度順)
1.気道感染(気管支炎、肺炎、膿胸、肺膿瘍、肺結核)
2.尿路感染症
3.胆道感染症(胆嚢炎、胆管炎)
4.軟部組織感染症(蜂窩織炎、丹毒、その他)
脱水の身体所見の特異度は高いが感度は低いので、病歴で飲水低下や嘔吐・下痢などが強いか持続している場合、身体所見で脱水は否定しないようにする。
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