皆さん、こんにちは。
今回は急性ウイルス性肝炎についてです。
臨床的特徴は、黄疸、褐色尿、倦怠感、食思不振などですね。
① A型肝炎: 先行するかぜ様症状を伴うことが多く、他の急性肝炎に比べ、臨床症状は重篤な傾向にある。
糞口感染であり、国内でも散発的な感染はある。
他のウイルス感染症と同様に年長となるほど症状が強くなる傾向にあり、高齢者の感染では注意を要する。
淫浸地域への渡航歴、淫浸地域からの冷凍産物(特に海産物)飲食歴が診断の手がかりとなることがある。
② B型肝炎: 血液、唾液、精液などで感染する。
多くは性行為による感染である。
キャリアからの急性発症もあり、急性感染との鑑別を要する。
成人期の急性感染の場合、免疫能低下状態では慢性化することがある。
③ C型肝炎: B型肝炎と同様、血液をはじめとする体液にて感染する。
輸血以外の感染経路は不明な点も多いが、垂直感染、性行為感染はまれとされている。
血液のスクリーニングやディスポ機材の使用で、その発生は減少している。
B型肝炎と異なり成人でも慢性化率が高い(60~70%)。
④ D型肝炎: HBs抗原を利用して肝細胞に感染する。
罹患には急性もしくは慢性B型肝炎にかかっていることを前提とする。
重篤になる傾向があるが日本ではまれである。
しかし、宮古島ではよくみられます。
⑤ E型肝炎: 糞口感染。
妊婦がかかると重篤化する。
⑥ 非A~非E型肝炎: 急性肝炎の5~10%程度に正体不明のウイルス性肝炎の存在が示唆される。
EBウイルス(若年者、リンパ節腫脹)やサイトメガロウイルス(健康成人でも起こすことがある)による肝炎も鑑別すべきである。
写真 岩手の風景
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