バイタルサインのパールズ:大量出血・高度脱水の患者では血圧正常の場合、ティルト・テストを行う。
消化管出血、腹腔内出血、下痢、嘔吐などの患者では、出血・脱水が進行すると、低容量性ショック(血圧低下+主要臓器循環不全)をきたす恐れがある。
血圧低下が起こる前の段階(プレショック)を捉えることができれば、適切で迅速な治療判断を行うことができる。
そのためにはティルト・テスト (Tilt test)を行うとよい。
臥位から座位へヘッドアップ(ギャッジアップ)し、3分以内のバイタルで、収縮期血圧(systolic blood pressure: SBP)が20mmHg以上低下するか、心拍数(heart rate: HR)が20/分以上増加すれば陽性であり、プレショックの診断となる。
また、仰臥位でも、HRがSBPより大きい場合には「バイタルの逆転」と呼び、これもプレショックを示唆する。
もし夜間帯などで、消化管出血の患者が来院した場合、ショックバイタルでなくても、必ずプレショックの有無を確認する。
ティルト・テストが陽性であれば、緊急上部消化管内視鏡検査の適応である。
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