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食欲低下の病歴と身体所見

2018-07-12 | 勉強会
 
みなさん、こんにちは。


今回は、病歴と身体所見のポイントをみてみましょう。
 
 
 
病歴
 

Low-yieldな症候である「食欲低下」の診断ではReview of Systems (ROS)が有用です。


ROSは、臓器やシステムの症状が無いかどうかを積極的にとりに行くものです。
 
 
認知症や精神疾患を有する高齢者では、家族や介護者に対してROSを取りましょう。
 
 
 
 
身体所見
 
 
「急性の」食欲低下における身体所見では、全身外観とバイタルサインが重要です。
 
 
 
全身外観では、苦痛様、苦悶様、とろけるような顔貌に注意しましょう。
 
 
病的な外観では、軽度、中等度、重度の3段階に分けて評価するように努めましょう。
 
 
 
バイタルサインでは、頻脈、呼吸数、血圧の微妙な変化に注意します。
 
 
早期の呼吸不全や循環不全、敗血症では、呼吸数の異常が先行します。
 
 
 
SpO2が正常であっても呼吸数に異常がないかどうかに注意しましょう。
 
 
体温>38または<36では敗血症の可能性を示唆しますが、36~38度の範囲であっても敗血症は否定できません。
 
 
 
ベースラインからの心拍数や呼吸数の変化に注意します。
 
 
デルタ心拍数(Δ脈拍/Δ体温)>20であれば、細菌感染症を示唆します。
 
 
 
 
写真   OIST内を歩く道

 

 

 

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