『 Musician's musician (ミュージシャンズ・ミュージシャン)』
音楽に関心がない方、あるいはごく一般的な音楽ファンの方々には耳慣れない言葉かもしれない。要は“ミュージシャンに畏敬の念を持たせるミュージシャン”のことである

格言うZUYAも全てのジャンルの音楽に精通しているわけではないが、ブルーズの世界においてはそう言う存在は大して珍しくはない。レコードを残しているわけでもなく、メディアで大々的に扱われたわけでもないが素晴らしい才能を持ったミュージシャンが世の中には大勢にいるのだ。俗に言う“発見されていないブルーズマン”だ

ブルーズ、あるいはロックに詳しい人なら Robert Johnson (ロバート・ジョンソン)の名は知っているだろう。偉大なレコード(音源)は残されているが、実際には彼に匹敵するブルースマンは数多く存在していた可能性がある。才能があるものが皆が、名声を求めて音楽の道にいたわけではないのだ(もちろん結果的に名声を得ることも多々あるのだが...)

ロックン・ロールの世界では、Gene Vincent(ジーン・ヴィンセント)のバンド、 『 ブルー・キャップス 』 にいた Cliff Gallup(クリフ・ギャラップ)はその素晴らしいテクニックとセンスでギターリストの憧れになるが、僅か数年でシーンから姿を消すことになる。一説によると小さなクラブでの演奏を好み生涯“商業音楽”からは距離を置いたそうな...

今日この場でZUYAが絶対に話しておきたいのは、Roy Buchanan (ロイ・ブキャナン)。あの Dale Hawkins(デイル・ホーキンス)の名曲 『 スージーQ 』 のギターを弾いている人物だ。ブルースからジャズ、カントリー、etc...あらゆる音楽に精通する彼は類まれなる才能を持ったプレイヤーである。The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ)の Brian Jones(ブライアン・ジョーンズ)の後釜候補にもなったほどだ

彼もまた商業的な音楽シーンに嫌気がさして、クラブでの演奏を続けていた。それでもその驚愕の才能を聞きつけ、一目見ようと Eric Clapton(エリック・クラプトン)を始め第一線で活躍するミュージシャン達がこぞって彼のライブを観に行ったそうだ。
1970年代に入ってテレビのドキュメンタリー番組で“世界最高の無名ギタリスト”として取り上げられてしまい、再び世に出ることに。Jeff Beck(ジェフ・ベック)は彼の代表曲の一つである 『 Cause We've Ended As Lovers (悲しみの恋人達) 』 をロイに捧げているの有名な話だ

先日、彼の非常に良質なライブ映像を見つけた。正直これをまともに見るとギターを弾くことを止めたくなるかもしれない(笑)。余談だが、ジェフベックは初めて Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)を観た時、ギターを止めて郵便配達員になろうと真剣に考えたそうな

まぁとにかくご覧あれ~

映像 → http://youtu.be/v4e2VgycfSw
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さてZUYAがなぜこんな話を突如として書いたかと言うと、先日逝ってしまったカナダの友人のトリビュート・ライブが現地時間の14日の夜(日本時間で15日午前中)行われて、それはそれは豪勢かつ多くのミュージシャン達が彼を偲び集まったとの連絡が

ZUYAも有名になんぞなら無くて良いが、ギターのテクニック云々だけでなく人として皆から愛されるようなミュージシャンとして生きたいものである...
