なんとかなるもんだよZUYAさん! ( Hey, ZUYA. You Can Do It! ) 

『なんてこったいZUYAさん!!』をVersion Up.“崖っぷちブルーズマン”ZUYA(ずうや)の悲喜交々を綴る。

とある物語...

2012年10月03日 | Story

今夜は“ストーリーテイラー・ZUYA”として



『 現実 』

原作 ZUYA  出版社 (株)崖淵書房


大都会東京。


この街に住んで早10年以上になるデヴィッドは毎日配達ドライバーとして生計を立てている。彼は長年音楽人として頑張ってきたが本国カナダに残している不治の病に苦しむ妻カトリーヌのために、文化も大きく異なるこの日本で稼ぎの良い仕事を見つけ日々頑張っている。


台風も去り初秋を思わせるある朝、デヴィッドは“今日も頑張るぞ~”と意気込んで会社に行くと、彼の一日の相棒となる配達車がどこにも見当たらない。デヴィッドには直ぐ検討が付いた、“またポールのヤツかぁ...”。


ボスの息子であるポールはどう言うわけか、その配達車を毎日通勤に使っているのだが、度々遅刻してくるのである(その上ガソリンも入れて来ない時がある...)。彼の仲間達は本来の出勤時間である8時よりも30分~2時間も早く来て準備をしているのだが、積み込み準備が終わっても一向に現れる気配がない。8時を過ぎ、業を煮やしたデヴィッドはボスのオフィスへ向かい、“電話をして、今どこら辺なのか確認してください”と頼んだ。ボスが電話をし、デヴィッドに告げた。


“今起こしたから~”


いつものように耳を疑うデヴィッド...


こう言ったことが毎月1、2回はあるのだと言うから驚きである。デヴィッドは入社当初日本人に対する考え方が変わりそうになったほどだ。これは“ビジネスではないのか!”と。今日と言う今日はさすがに母親であろうとボスであるのだから、みなの前で“一喝”するだろうと思ったら、

“ポール、あなたが遅れてくれたから商品を検品する時間が出来て、おかげで欠陥が見つけることができたわ”

なんて言い出す始末...


もちろんデヴィッドは本来よりも90分も遅れて出発することとなり、いつもより遅い時間の配達になりお客がよく思うわけがない...


“我が子は可愛い”と言う言葉は良く耳にするが、社員は早く来ているのにポールは始業時間までベッドの中とは...


”お~神よ。私が何をしたと言うのです。私は毎日懸命に...”


こう祈ることがZUYA...いやいや、デヴィッドの日課になりつつあるようです。果たしてデヴィッドに明るい未来はやって来るのだろうか。


                  To be continued...


あとがき 

この物語は多少脚色されていますが、ほぼノン・フィクションとの噂があります