今回の旅の2大目的は、一番目が「海東龍宮寺 灌仏会(ツアーの団体行動)」であり、二番目が「梵魚寺(完全単独行動)」のお参りであった。
灌仏会(かんぶつえ)は、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)、花祭(はなまつり)の別名もある、釈迦の誕生を祝う仏教行事。
釈迦(ゴータマ・シッダッタ)が旧暦の4月8日に生まれたという伝承に基づく。日本では毎年新暦の4月8日に行われるので、子供の頃甘茶をかけにお寺にお参りした人も多いことだろう。
韓国では旧の4月8日(今年2012年は、5月28日)に行われ、同時に国家の休日でもある。
海東龍宮寺はその名の通り、釜山の東海岸にあるお寺である。聞く所によると、韓国唯一の海岸にあるお寺だという。
韓国語の先生から聞いた通り、韓国全土の仏教寺院が、この日は大変な人出であった。
この日が、観光第一日目で団体行動だったのが、実に幸いだった。もし、個人でお参りしていたらと考えるとゾッとした。
途中観光バスから見えるあちこちの寺院でも、お寺付近は人でごった返し、駐車場を探す車が溢れて、小生のような言葉がうまくできない人にとっては、身動きが不可能になる、とんでもない日になる事が容易に推測できた。(勿論タクシーなども、影も形もない。)
市内バス(近郊バスをこう呼ぶ)で海雲台駅から1時間くらい乗り19番目のバス停(バス停の名前は不明)で下車という事を、調べていた。
しかし、満員の混みあったバスで降りる場所が果たして判ったかどうか、そして混雑するバス停でうまく帰りのバスに乗れたのか、・・・等大いに気になる状況だった。
今回は観光バスなので、下車する場所や、帰りの足を心配する必要が全くなかったのが、一番に有りがたかった。
Googleのストリートビューで見ていた通り、海東龍宮寺へ曲がる辻にある巨大な石の案内標識を右折し、観光バスはお寺の駐車場へと到着。(この石の標識からの800mほどの道中も全てGoogleのストリートビューで見ていた通り。・・・改めてGoogleのストリートビューの凄さを実感した。)
人の波に押し流されるようなお参りとなった。途中、順番待ちをしている場所では、現地ガイドさんが、交通整理の警官と談判し割り込みを強行したので、一部の参拝者からブーイングが上がった。
とにかく押すなおすなの大混雑。休日なので家族連れの行楽参拝者も多かったのだろうが、敬虔な信者も沢山見受けられた。
お寺にお墓がないのが普通で、日本の葬式仏教と揶揄される宗教ではないと聞いた。厳しい戒律を守り続ける僧侶達と信心深い信者達に支えらているというのである。
我々日本人の信仰のあり方を見つめ直す必要性を感じた。