『 新規感染者数と治療者数 』
日本全体での「新規感染者数」は、増加に転じています。特に注意すべき点は、「治療者数」が 4週連続で大きく増加した後に「新規感染者数」が増加している点です。
つまり、“感染確認後に治療を受けている人” が増えている事を示しており、今年に入ってからの “オミクロン株” の特徴である、“感染しても自宅療養する人” が多かった点とは異なる特徴を表していて、従来の “オミクロン株” とは異なる感染を引き起こしている点に注意が必要と思われます。
この特徴を別の視点で観るならば、青色線で示した「新規感染者数」と赤色線で示した「治療者数」との開き(差)が少なくなる事を指しており、実際、6月3日以降 4週連続で増え続けている「治療者数」(赤色線)が「新規感染者数」(青色線)との差を一気に縮めており、その様子は過去の デルタ株や年初のオミクロン株などの感染拡大期には無かった特徴を示しています。
世界では、時を同じくして、ドイツやフランス、英国などの欧州各国では、1ヶ月ほど前から感染拡大を記録しており、集団免疫が期待される程に高い感染者率:60% を記録している国々での感染拡大である点を考慮すれば、感染者率(人口に占める感染記録)が 10%にも満たない日本では、感染拡大による被害は欧州以上になる可能性があると懸念が膨らみます。
また、欧州各国の心配な状況以上に、東アジアの 台湾やシンガポールでは 深刻な【感染密度】や【死亡密度】を記録し続け、同じくオセアニアのオーストラリアやニュージーランドでも同様に2ヶ月以上の間、高い【感染密度】や【死亡密度】を記録し続けておりますが、日本国内ではその状況を適切に認識されず、入国時の水際対策に関しても最も “安全な国” として対処が続けられており、その点からも懸念が増している現状です。
欧州各国で確認されている感染拡大の波は西アジア(中東)には既に伝播しており、近日中には、米国やカナダの北米各国や中米、南米などの諸国にも感染が伝わる事が予想されており、今の内から、行政だけでなく、各個人も状況を正確に把握して行動する事が必要です。
『 重症者数 と 死亡者数 』
“オミクロン株” の “デルタ株” との違いは、「死亡者数」と「重症数」のグラフに表われている通り、「重症」となる人は少ないが、亡くなる人が多く、死亡者数の減少速度が遅く、一向に減らない事です。そして、今回の新しい “感染拡大” の波では、一気に死亡者数が増えており、昨年の “デルタ株” への対処で指針の一つとなった「重症者数」「重症者用ベッド稼働率」などでは 感染の深刻さは計れない事を示しています。
従って、4週間前から始まっている新しい “感染拡大” の波に対処する為には、死亡を防ぐ事に注力して行なう必要があり、重症者や重症者用ベッド稼働率で判断している様では適切な対処は出来ないと思われます。
出典 : 厚生労働省
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