いよいよ、今年最初の 「オートバイ なんでも セミナー」が始まります。 どんな話題と展開になるのか、楽しみです。
【 Part 1 】
今日の「セミナー」のテーマは、『グリップ力』になりました。
最新は ABS や トラクションコントロール が装備され、タイヤのスリップを防いでいますが、どちらもグリップ力が不足した場合の装備です。グリップ力はタイヤだけでなく、ライダーの操作で大きく変化するもの。理解した運転が一番大切で、可能な限りグリップ力を高めて、それを保ち、ライダーによるコントロール領域を広げておく事が楽しく安全に走らせるには欠かせません。
グリップ力を高める手段の一つとして、タイヤの「空気圧」を下げて設置面積を・・・など言われていますが、タイヤ設計者の意図を考慮せず、路面温度や車重、ライダーのスキルの違い言及せず、無責任な定説だと思います。
・・・と言う所まで、
【 Part 2 】
「セミナー」の途中経過です。
グリップ力を摩擦力とすれば、物理法則の通り、摩擦係数と設置面への荷重の積で、基本的には設置面積ではなく、荷重を大きくして保つ事が一番大切だと解析と理解は進みました。(一部、聞く側にとっては半信半疑ですが・・)
次は、荷重はライダーの操作と車両のセッティング次第の話題へ進みますが、果たして、理解がついて来れるか、時間が足りるか心配です。
【 Part 3 】
セミナー、残り時間もわずか、
グリップ力を高めるには荷重を大きくするしか無い事は解析が終わり、走らせ方で、前後の分布荷重は変化する事と、前後の合計荷重は大きくする事の解析が進んだ所です。
さて、どんな走らせ方、走行ラインが、最も荷重を大きく保てるのか?、いよいよ佳境へ続きます。
【 Part 4 】
本日のセミナー、最後の解析です。
グリップ力を高め、コントロール領域を広げ、安全で楽しい走り方をするには、加速と減速で荷重を増やし、それを効率よく利用する走らせ方、つまり、定常円的走り方ではなく、『コインの法則』に従ったクロソイド的ラインの実践が大切。旋回中にFフォークが上下動している走らせ方では、グリップ力を無駄にしている証だという事まで進みましたが、理解と実践には時間が必要かも知れません。
【 まとめ 】
オートバイライダーにとって、安全に楽しく走り、転倒などの事故を防ぐには、いつもタイヤが路面をグリップしている感覚が頼りです。それが、多少、グリップを失っても転倒しない四輪車と一番大きく違うところです。
その違いは安全装備にも言えます。最近では、オートバイの新型車の多くは、四輪車でも採用されているABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロールが採用されていますが、それらの作動はグリップ力の大きさによって介入タイミングが変わります。真の意味のオートバイのコントロール領域を増やすには、グリップ力を大きく保つ事が大切ですし、それはライダーの運転操作で大きく変わる事を自覚する必要があります。
そのグリップ力を大きくする運転操作はさほど難しくありません。タイヤと路面との接地面に働く “荷重” を大きく保つ意識と操作を行なう事です。例えば、直線路からコーナーへと旋回動作に入る際、フロントタイヤのグリップ力を大きくするには、アクセルをオフ(閉じる)にした直後に旋回動作に入る習慣を身に付けたり、フロントブレーキを軽くかけてバンクを始めるなど操作をすれば、全く行わない場合よりも、フロントタイヤのグリップ力は大きくなり、安心して旋回が行なえます。
間違っても、フロントブレーキを離した直後に旋回動作を始めるのは避けるべきです。その理由は、ブレーキでフロントタイヤに掛かっていた “荷重” が抜けるタイミングになるからです。つまり、フロントフォークが一度沈み込んでから伸び始めているタイミングは、 “荷重” が抜け始めている状態だから、グリップ力も抜け始めているからです。
そして、意外と意識されないのが、一定の速度で一定の大きさ半径を描く様に走っている時、前後輪ともに “荷重” はさほど大きく掛かっていない事、つまりタイヤのグリップ力もさほど大きく保てていない事です。タイヤに掛かる “荷重” の大きさは、ライダーによる加速や減速の操作によって大きく増えるものです。タイヤのグリップ力を大きく保ち、安全で楽しい走る為には、特にコーナリング時には、加速も減速も行なっていない定速定常走行の状態は少なくして、減速と加速のメリハリある運転操作を意識する事が大切です。
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