GRA 公式ブログ・サイト

NPO法人GRAの活動や考えを伝えます

国・行政の役割

2012-08-28 19:14:49 | 日本の被災対応

国・行政の役割は色々とあって大変です。

しかも、国民の知識や意識のレベルによって、国政も左右されるので更に大変です。

ここでは、国と行政が本来の良き政治を実現させていくために、国と行政の責務と役割について考えを述べます。


【 国・行政が最も為すべきは ・・ 】

まず、国・行政が為すべき役割の中で一番大切な事は? と考えてみました。

健康や老後の問題、教育環境の充実やスポーツの振興など、色々とありますが、一番大切な事は「 生命の保護 」でしょう。
国民の一人ひとりの生命を守り、無用にその命を無くす事がないようにするのが最大の責務である事は間違い無いでしょう。

そして、次に来るのは、「 健康の保護 」でしょう。
一人ひとりの健康を守り、少しでも健康的な生活や人生を送れるように社会設備やシステムを整える責務があると言えるでしょう。

その後、三番目には、「 暮らしの保護 」が挙げられるでしょう。
命があって健康的であっても、文化的で十分な暮らしが営めないようでは幸せではないという考えが根底にあり、憲法にも明記してある点です。

では、この重要度の順番で 国や国民がモノゴトを考えて対処しているか? と問えば、決してそうとは言えない場合も多くあるように思います。


【 東日本大震災では ・・ 】

2011年3月に発生した東日本大震災では、16000名弱の方が亡くなり、3000名を優に超える方が行方不明のままです。( 2012年3月時点の発表資料より )

本来の国の役割から言えば、どの程度の地震や津波が発生するかを予測して、無駄に国民の生命が失われないようにするのが国および地方の行政機関の最大の責任です。

昨年発生したレベルの津波は、同地域では以前にも記録されている事は各報道機関で発表されている通りです。
それらの記録や研究報告があったにも関わらず、それらを考慮した津波対策や津波警報態勢を築いていなかったのは、間違い無く 国と各地方の行政機関の最大の汚点です。

過去の記録や研究報告を無視したままであったため、防潮堤を遥かに上回る規模の津波なのにマニュアルに従って水門を閉めに行った消防団員の方や、新規に建築されていた防災センターや市役所などの指定建物に避難した多くの方々が亡くなったのです。

津波予測や大津波を観測した後の報道体制に大きな不備があった事は間違い無い事です。
現に、沖合いから大津波が陸地へと迫りつつある事を各種機関が測定や現認・撮影した段階からも、即刻に有効な避難命令が充分に行き渡ったとは決して言えないでしょう。

これらの汚点を自ら振り返り記録する事なく、ただ単に復興を目指すのであれば、国や行政の最大の責務を無視している事に他なりません。


【 国民の意識は 】

先にも書いた通り、国や行政のレベルは、国民の知識や意識のレベルによって左右されます。

では、国民は国や行政の責務を正しく認識しているかと問えば、決してそうとは言えないでしょう。
冷静な判断をできず、感情的な論理によって国や行政を動かそうとしているように見えます。

例えば、津波によって多くの小学生と先生方が亡くなった例が注目を集め、学校の責任という観点から現場検証を行なった報道もあります。
しかし、同情を集めやすい子供の命と、非難を集めやすい教育機関の話題だけに注目を集めているようでは、他の亡くなったり行方不明となった市井の人々の無念に成りかねません。

本来は、あらゆる方々が何処に居て津波を受けたのか? を調査して記録を残し、今後他の地区でも起きかねない津波などの災害対策として活かすべきと一人ひとりが意識すべきではないでしょうか。


【 領土問題は 】

北方四島、竹島 そして尖閣諸島と、連日マスコミを賑わしている話題です。

確かに、領土問題は国の主権に関わる大きな事柄で、決して安易に捉えるべき事ではない。
しかし、国・行政が為すべき優先順位から考えると、より明確な判断ができる観点を得られるのです。

国・行政が為すべき最大の責務は、国民の生命の保護です。
決して、領土の保護が最大の責務ではありません。

仮に、領土問題から紛争や戦争へと発展して、国民の生命が奪われる状況が生まれる事があってはならないのです。

英国とアルゼンチンが争ったフォークランド紛争では、領土権の主張以外に、自国民の安全を守るという責務の問題が絡んでいましたが、現在起きている領土問題にはそれは含まれていません。

国民はその観点を忘れず、国や行政は最大の責務の履行という観点を見失う事が無いように期待すべきでしょう。

・・ 「国・行政の為すべきことの順位」という観点から見れば、福島第一原子力発電所の事故による近隣住民の方々の健康や暮らしの問題、気仙沼市などで発生した石油タンク破損による二次災害への対策、そして原子力発電所の全面停止運動などの重要度や意味合いは自然に導き出されるものと考えていますが、これらの事については別の機会に取り上げましょう。


カテゴリ/ 日本の被災対応 / その他の投稿記事 へ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿