世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの判断は出来ません。【感染密度】は、人口1億人あたり日別・新規感染者数を一覧表で示し、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
New infection case per popuration by country and day
【 全世界は、デルタ株で拡大懸念 】
全世界での新規感染者の新規感染者数は、インドでの新規感染者数が抑制されるのに合わせて、5月初旬をピークに抑制・減少を続けていました。しかし、前週と較べて、インドの新規感染者数がほぼ横ばいになり、インドを除く全世界での新規感染者数が増加へと転じています。
この変化は、英国やロシア、南アフリカやナミビアなどで顕著に表れていて、各国で報告されている変異株 “デルタ株” による影響と推測されます。 この “デルタ株” は、インドで始めに報告された変異株で、英国では現在の新規感染者の 90%が この “デルタ株” と報告されて前週の倍近い新規感染者が報告され、中国南東部・広州でも “デルタ株” のクラスターが報告されるなど、現在報告されているだけで世界 74ヶ国にものぼり、従来株より感染後のウイルス濃度が高いと報告されている感染力から、世界の主要な感染株となり、一気に感染拡大へと繋がる恐れがあります。
【 デルタ株とワクチン接種効果 】
高いワクチン接種率によって 感染抑制を成功に導いた英国でも、若年層を中心に “デルタ株” の強い感染力によって感染者数が前週平均の 50% 増で伸び続けている事から考えれば、例えワクチン接種率の高い国であっても感染者数は急激に増加すると推定できます。英国の場合はワクチン接種の効果によって重症化を防ぐ期待はありますが、若年層を中心にワクチン接種率が低い国の場合には、感染後の重症化を防ぐ効果は期待できないと推測できます。
全世界でワクチン接種が精力的に進められているとしても、大半の国々ではワクチン接種率は集団免疫が得られると言われる接種率には遥かに及ばず、全世界での 感染拡大の波がやってくると想定して、各国や国連は可能な限りの対策を進めていくべき段階と思います。
【 各国の状況 】
英国での状況は上記で述べた通りで、それ以外の国々での “デルタ株” に関する情報の概要をまとめてみます。
先ず、ロシアでも前週と比較して一気の感染拡大を記録していて、その傾向は 英国と同様に 前週比で 50%増 を記録しています。 そして、ロシアのメディアは「 ロシア製ワクチン・スプートニクV は デルタ株にも有効 」との報道を続けていて、若年層を中心に ロシア製ワクチンへの信頼性が低いと言われている事と併せて、それだけ危機感が高いと思われます。
フランスは、英国以上に感染抑制が成功した状態を続けていますが、北東部の都市・ストラスブールの芸術学校で “デルタ株” のクラスター発生との報道があり、バカンス前に厳しいロックダウン規制を一気に進める方針を示している同国や近隣諸国での “デルタ株” による感染拡大が懸念されます。
また、中国南東部の人口 1500万の都市・広州市で “デルタ株” のクラスターが確認され、市の中心部にロックダウン規制をかけており、その発表数の信憑性は別として、中国全体での感染者数に大きな変動無く少ない人数で推移しています。
一方、インドネシアでは急な感染拡大が起きています。英国やロシアと同様に、前週比で 50%増 もの拡大を記録し続けており、その原因も 英国やロシアと同様に、“デルタ株” によるものと発表されています。
【 今後について 】
私は、“デルタ株” が報告されていると言われる全ての国の把握はできていませんが、数多くの感染者の報告が長期にわたって続いている南米の各国・ウルグアイやアルゼンチン、パラグアイやコロンビアでは、“デルタ株” の影響や、低いワクチン接種率の関係もあり、今後も当面の間は深刻な状況が続くと思われます。
また、 急激な感染拡大を起こしているナミビアの隣国・南アフリカでは、ここ一週間で感染拡大を記録しており、ナミビアと同様な感染拡大へと移る懸念が高まっています。 更に、モンゴルやフィジーなど人口が少なくて注目が集まり難い国々の中で、最近の 1~2週間で急な感染拡大を記録している国も多く、これらの状況からも、世界は次の感染拡大の “波” の対策を行なうのが急務と思われます。
The number of new infections worldwide peaked at the beginning of May and continued to decrease as the number of new infections in India was controlled.However, the number of new infections in India has remained almost flat compared to the previous week, and the number of new infections worldwide, excluding India, has begun to increase.
This change is evident in Britain, Russia, South Africa and Namibia, and has been reported in various countries. It is presumed that the effect is due to . This Delta stock. is the first mutant reported in India, and 90% of the new infections in the UK are Delta strains. Nearly twice as many new infections were reported last week, and Delta stocks were also reported in southeastern China and Guangzhou. The world is now reported, such as clusters of It has reached 74 countries, and its reported post-infection virus concentration is higher than that of conventional strains, making it a major infectious strain in the world, which could lead to the spread of the virus at once.
I don't know all the countries where "delta strain" is reported, but in South America, where many cases have been reported for a long time, the impact of "delta strain" and low vaccination rates are expected to continue to be serious.
In addition, Namibia's neighboring country, South Africa, which is experiencing a rapid spread, has recorded a spread in the past week, raising concerns that it will spread to the same extent as Namibia. In addition, many countries, such as Mongolia and Fiji, have recorded a sharp spread of infections in the past week or two, and the world is expected to urgently take measures to deal with the next wave of infections.
なお、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
#COVID19
https://gra-npo.org