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新型コロナウイルス、都道府県別、週間対比・感染被害一覧表 (6月25日現在)

2021-06-26 22:47:32 | COVID-19 国内状況

新型コロナウイルスによって受ける影響は、都道府県によって人口や感染密度が異なる為、単純に感染した人の人数を比較してみても実感とは異なります。そこで、都道府県別に、新型コロナウイルス禍に 新たに感染した人の人数 と 前週と比較した増加率、そして 都道府県の人口あたりの増加した感染者数割合などを一覧表にまとめています。特に 被害と影響が悪い箇所は黄色で欄を塗り、良い結果を出している箇所は薄いピンク色で欄を塗って識別しています。
都道府県別の感染被害を人口対比や週間対比で示した一覧表を見れば、政府が進めている 緊急事態宣言やまん延防止対象の都道府県であるか否かだけでなく、各都道府県別に様々な被害状況がある事や、医療機関などが直面している状況、そして 都道府県によって亡くなる方の割合などが大きく異なる事が見えてきて、単に メディアが報道する新規感染者数だけでは正確に把握出来ない事が分かります。
  

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『 感染密度 』

【 感染密度 】とは、人口あたりの新規感染者数を示しています。各都道府県によって人口は大きく異なりますので、単に新規感染者だけを比較して被害レベルとしてメディアが扱う事は誤解を与えます。人口あたりの新規感染者数を較べる事で、ようやく、その地で住む人々の危険レベルが比較できる上に、それに対応した対策を施す事が可能になります。
この【 感染密度 】を比較すれば、沖縄県が突出して高い値を示して、最も被害を懸念すべき都道府県だという事がはっきりします。次に懸念すべき都道府県は 東京都ですが、それに続くのは、意外にも山梨県と福井県である事もはっきりと示しています。特に、福井県では重症者の増加率が飛び抜けて高く、原因は不明ですが、医療機関と担当者の緊迫度が偲ばれます。


『 北海道と沖縄県 』

更に亡くなった人の人数や人口あたりの死亡者割合などを見れば、充分な診療さえ受けられずに多くの方々が亡くなった 大阪府や兵庫県の状況は落ち着き、北海道で亡くなる人々の割合が高い状態が続き、続いて沖縄県でも亡くなる人が増えてきている事が見えます。
多くの新規感染者が報告され、高い【感染密度】を続けた沖縄県では、新規感染者数のピークを超えた後が 亡くなる人のピークを超えつつある状況であり、ご本人やご家族の気持ちに寄り添うならば、今が最も大切な時期だと言えます。

 

出典 : 厚生労働省
#COVID19


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全日本 新型コロナウイルス 治療中および重症患者数など、一週間毎の増加数動向 (6月25日現在)

2021-06-26 22:32:57 | COVID-19 国内状況

『 “第5波” が始まっています 』

グラフを見てわかる事は、感染拡大の動き・“第5波” が確実に迫っている事です。つまり、感染拡大の動きは、メディアが注目しがちな日毎の新規感染者数よりも、グラフの赤色線が示す「治療者数の増減数」の方が感染拡大の動きを示す事は実証されていて、その赤色線が既に右肩上がり(増加傾向)へ転じているからです。
この赤色線が示す[治療者数の増減数]は 、青色線が示す[新規感染者数の増減数]より2~3週間ほど先行して感染拡大の動きを知らせる事は実証済みで、6月初旬以降、2週間前から増加(右肩上がり)へと転じて、青色線の[新規感染者の増減数]も減少を止め、翌週からは増加へと転じる事を示しているのです。
  

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『 “第5波” への対策が急務 』

新規感染者数が増加へと転じて、最大のピーク値へ達するまでの期間は、“第3波” と “第4波” の状況と同じとするならば、今から 10~12週後の 8月末から 9月初旬になると見込まれます。ただし、“第5波” の感染拡大の要因は インドで報告された変異株・“デルタ株” と予測されており、“第4波” の感染拡大の原因になったとされる 英国で報告された “アルファ株” よりも更に感染力が強力と各国で報告されているため、“第4波” 以上に感染拡大に備えた対策が欠かせません。
    
しかも、感染対策に最も有効な策とされるワクチン接種による感染抑制効果が期待できない事が判明しています。 それは、ワクチン接種率が世界でトップクラスの 英国やイスラエルで、主に若年層を中心に 急激な感染者数が増加しており、その為に改めてマスク着用義務や飲食店への規制などの行動規制を導入している事からも明らかです。
この事実は、英国やイスラエルでのワクチン接種率が 国民 100人あたり 110回以上を記録しているのに較べて、28回程度の低い接種回数(Our World in Data, 6月23日現在 )に留まっている日本であれば影響は大きく、しかも 現役世代を含めた若年層への接種は本格的に始まっていない 現段階であれば、尚更の事、最悪の事態を想定した対策を進めるべきです。



『 全国的なゲノム解析と 下水PCR検査の徹底が必要 』

国・行政は、日本を含む 世界 74ヶ国で “デルタ株” による感染が確認されていて、感染対策を徹底してワクチン接種率の高い国でさえ “デルタ株” による急激な感染拡大が報告されているという既知の事実を伏せたまま、「ワクチン接種は順調に進んでいる」と言い、「水際対策を徹底する」としていますが、既に日本国内に存在していて、その感染ルートさえ正確に掴めず、有効な対策を行なっていない様に見受けられます。
    
現段階で最も求められる対策の一つが、地域別に “デルタ株” による感染者割合を正確に把握する事でしょう。 変異株・“デルタ株” を確認するには、PCR検査を行なって陽性を確認した後、その検体を ゲノム解析する必要がありますが、全数をゲノム解析する必要は無く、統計の手法を用いて “デルタ株” など変異株による感染者割合を推定する事は可能です。そして、この ゲノム解析と統計的手法を 全国で統一的に採用する事によって、より正確に地域別に最適な対策が可能になるのですが、残念ながら、厚生労働省の資料を見る限り、検体数や感染割合の記述は無く、英国など他国での対応より 二歩遅れていると思われます。
   
そして、もう一つの有効な対策が 下水PCR検査です。 下水をPCR検査する方法では、一定の地域別に、感染症状が発症する以前の感染者を含めて、感染者の増減が正確に把握できます。しかし、全国の都道府県を対象にした統一的な下水PCR検査体制は整えていない為、感染症状が出た人が発熱外来を受診した後にならないと把握できないため、発症前段階での他者への感染拡大を未然に防ぐ事が難しいままなのです。
特に、“デルタ株” によると思われる感染拡大が起きている東京都と近隣三県では、少なくとも 都内23区 や 県庁所在地を中心に、下水PCR検査 と ゲノム解析 を徹底して、感染状況を統計的に正確に把握するべきです。



『 国民の命を、一人でも多く救うために 』

“第4波” による感染拡大の影響によって、大阪府と兵庫県では、医療機関での実質的な治療を受ける事が出来ず、自宅や施設内で亡くなった人が多く報告されています。
この悪夢を再発させない為に、“デルタ株” による “第5波” によって亡くなる人を一人でも減らすために、東京都を中心にして徹底的な対策と医療機関の準備が必要な事は明らかです。“第4波” による教訓を最大限活かし、世界各国での “デルタ株” による感染拡大状況を正確に把握して対策するならば、単に「安心・安全な大会運営をする」とした対策では不十分と思います。
“第5波” に備えた有効な具体的な対策を示さず、海外から数多くの人々を迎える五輪関係に医療従事者などの医療資源を割き、観戦を許可するなどの施策は、一人の国民の命を救う為の万全の対策を進めているとは決して言えません。



出典 : 厚生労働省

#COVID19
#デルタ株


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