今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

どじょうはお好き!

2011-09-18 | ひとりごと
その軽さや容貌、それに、都内で開かれたイベントでのハトの真似などから「ハトポッポ」と揶揄されていた鳩山由紀夫首相。自分の思いついたことを閣議にも諮らず口にして問題を引き起こすが、何か問題が起こると他人のせいにして自分は何も責任を取らないことから「ズル菅」と酷評されていた菅直人首相。
まわりから止めろやめろと言われながら居座っていた菅首相が退任決意後の今年(2011年)8月29日の民主党代表選で、「どじょうはどじょうの持ち味がある。金魚の真似をしても出来ません。」と自らを「どじょう」に例えた「どじょう演説」で中間派の支持を得て、見事民主党党首に選ばれ、新首相に指名されたことから、 野田佳彦内閣は、マスコミから「どじょう内閣」などと呼ばれている。
野田氏が代表選の演説で自らを「どじょう」に例えたくだりは、書家・詩人の相田みつをの作品に出てくる「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」を下敷きにしたものだそうだが、作品は、民主党の輿石東参院議員会長の紹介で知ったという。
この演説が、脚光を浴び、マスコミが「どじょう、どじょう」と騒ぐものだから、今、世間ではどじょうブームが興っているようで、「どじょう」を収めた作品集「おかげさん」を出版するダイヤモンド社(東京)には書店から注文が殺到しているらしい。又、どじょうの柳川鍋も大繁盛とか・・・。
私が子供の頃など、何処でも、獲れたのであろううなぎ(鰻)と同じように、町中の辻や市場の魚屋などで、どじょう(泥鰌)を捌いて売っている姿をよく見たものだが、最近は獲れなくなったのかまた、どじょうそのものを食べる人も少なくなったのだろう・・どじょうを売っている魚屋や食べさせる店も余り見なくなった。
私は現役時代日本国中あちこち、出張ばかりしていたが、飲兵衛なので夕食時には地元の料理屋で、一杯やりながら地元の産物を食べるのが楽しみであったが、たしか、静岡県島田市に上から読んでも下から読んでも同じ屋号の「やぶや」というどじょう料理で有名な店があった。出張先の人に教えてもらった店だが東海道を行き来している「通」の人は、わざわざ途中下車して食べに寄るといわれた。
私など、今は何でも食べれるようになったが、もともとは子供の頃から魚が嫌いだったので、魚類は本当に新鮮な良いものでないと今でも食べない。どじょうは泥臭いので特にそうだ。しかし、ここのどじょうは、大きくて新鮮なので、蒲焼・竜田揚げ・柳川と何を食べても美味しかったのを思い出す。
それに、どじょうといえば、私など若い頃は宴会で、盛り上がってくると、必ず誰かが、「どじょう掬(すく)い」を踊っていたことも思い出す。「出雲名物 荷物にならぬ 聞いてお帰り 安来節」 といった『安来節』とともに、踊る伝統的な「どじょう掬(すく)い」は、かって代表的な御座敷芸であったが、正式な歌や踊りがどんなものかはよく知らないがいろいろとあるらしい。
宴会の席などでは、手ぬぐいを頭に巻いて、手に笊(ザル)を、腰にビクを付けて割り箸を鼻の穴に差込むなどして「あら、えっさっさ~」の掛け声とともに周囲の手拍子をもとにひょうきんさを前面に踊っていたが、凡そ、以下YouTubeでの踊りのようなものだった。
安来節 – YouTube  
http://www.youtube.com/watch?v=TRJR4UoDNzw
この愉快な踊りの由来は、江戸時代末期にまで遡り、安来で、ドブロク徳利を抱えた「飲ン兵衛」達が、近くの小川で捕ってきたどじょうを肴にいつもの酒盛りを始めた時、ほろ酔い気分も手伝ってか、そのどじょうを掬う仕草を安 来節に合わせて即興的に踊ったのが始まりと聞いていたが、『安来節』(男踊り)のどじょう掬いは実は、この周辺の名産である安来鋼(ヤスキハガネ)を作るたたら吹き製法の際に原料として使われる砂鉄採取の所作を踊りに取り込んだものとされているようだ(※1参照)。
今日安来市では、「安来どじょう祭り」が行われるようだが、どじょうブームで、今回の祭りは賑やかになるだろう(※2参照)。
今日、「どじょう」を題に、このブログで「ひとりごと」を書こうと思ったのは、安来市で「安来どじょう祭り」が今日開催されることを知ったからで、普通のどじょうの話を書くつもりではなく、どじょうにかこつけて、「どじょう内閣」誕生のことを書きたかったからだ。その意味では、これからの話はちょっと、面白くないかも知れないが、とりあえず、鳩山内閣成立から野田内閣成立までを簡単に辿ってみよう。
日本がデフレ不況からの脱出が出来ずに苦しんでいる中、第45回衆議院議員総選挙において民主党が単独政党としては総議席の3分の2に迫る史上最多の308議席を獲得した。
そして、衆参両院の首班指名選挙で国民新党社会民主党を連立与党(民社国連立政権)として、民主党代表の鳩山由紀夫氏(以下氏は称略)が第93代内閣総理大臣に任命されたのが、今からまだ、たった2年前の、2009(平成21)年9月16日のことであった。この非自民勢力による政権(非自民・非共産連立政権)の誕生は実に1993(平成5)年の細川内閣以来16年ぶりの出来事であった。
脱官僚・政治主導を掲げた鳩山内閣発足当初は、その支持率も70 %を超えていた(NHK調査で72 %。※3参照 )が、首相自身や小沢一郎(当時民主党幹事長)の金銭問題、普天間基地移設問題を巡る混乱もあり、8ヵ月間で21%に低下した(ここ参照)。
特に後者の普天間基地移設問題の対応の不味さは、日米関係を悪化させ、沖縄県民の反感を買い、社会民主党の連立離脱をも招き、党内からも鳩山への退陣要求(鳩山おろし)が起こったことから、鳩山は民主党代表を辞任し、同時に小沢も幹事長から退任させた(詳細は鳩山由紀夫内閣を参照)。
そして、内閣総辞職後行われた2010年6月4日の民主党代表選挙は、時間的制約の事由から投票権は国会議員のみに限られ、一般党員やサポーターの参加は見送られたが、民主党にとっては党首選挙の結果がそのまま次期内閣総理大臣を決めることが投票の段階であきらかになっている初の選挙となった。
この選挙では、小沢の党運営に不満を持っていた枝野幸男仙谷由人らが支援した菅直人が、一新会(小沢グループの1つ)の一部の支援を受けて立候補を表明した「反小沢」の色彩が強い「七奉行の会」からは距離を置く、樽床 伸二との2名だけの選挙戦が行なわれ、後継代表・首相には勝利した菅副総理兼財務相が就任した。因みに、この菅内閣の財務相には野田佳彦が副大臣から昇格する形で就任しているが、閣僚の中でも日本の財政を預かる最も重要ともいえる財務相に初入閣での就任は初めての例であり、戦後の大蔵大臣時代を含めても比較的異例の抜擢である(日本の大蔵大臣・財務大臣一覧 参照)。
しかし、翌月の7月11日投開票の民主党にとっては政権交代後、初の与党としての大型国政選挙である第22回参議院議員通常選挙で、菅の消費税をめぐる発言の迷走などがひびき、現有議席数を大きく落とし、結果、参議院で過半数を失うねじれ状態を作り、党内での求心力も低下した。それは選挙後の、NHK調査で菅内閣支持が参議院選前の6月の61%から39%に下落していることにも表れている(以下参考の※3参照)。
その2ヵ月後の9月に行われる党代表選では小沢に近い議員グループが小沢を擁立する動きとなり、党内を2分する全面対決の様相となったことから、鳩山らは、小沢の出馬見送りと引き換えに参院戦敗北などの責任者でもある枝野幹事長、仙谷官房長官の更迭や小沢の要職での起用、トロイカ体制(小沢・鳩山・菅の3人の指導者により組織を運営する体制)に輿石東参院会長を加えた「トロイカ+1」の新体制(挙党一致体制)の構築などを菅に要請するが、調整が取れず、最後の菅-小沢会談も物別れとなり、鳩山もこれまでの菅続投支持から一転、小沢支持を表明。代表選において両陣営の激しい多数派工作が行われるが、菅は”報道各社による世論調査”で、小沢を大きく上回る支持を得たことを背景に攻勢を強め、選挙戦で”マスコミなどで金銭問題が取りざたされている”小沢を徹底的に非難する形で、再選を果たした(2010年9月民主党代表選挙」も参照)。
余談だが、この選挙は、小沢を嫌うマスコミの徹底的な小沢批判と、そのようなマスコミ情報を絶対的に正しいものと信じて踊らされている国民の世論(民意ともいう)」を利用した菅の勝利といえるだろう。しかし、なぜ小沢がマスコミにこれほど嫌われ批判されているかなどは、マスコミが報道するはずもなく、ネットでの意見以下参考の※4、※5など一読しておくのも良いだろう。凡そ、殆どの国民は情報をマスコミ報道でしか得る手段をもっていないのが実情で、そのような中でのマスコミが言うところの「国民の民意」などというものは、マスコミ自信が報道を通じてつくってきたものだということを知っておかなければならないだろう。
私も、菅が首相の座に就きたい思いから、マスコミの言う”国民の民意”を見方に、今の民主党をつくり上げるのに伴に努力してきた仲間、というよりも、むしろ最大の功労者とも言えるかもしれない小沢を排除したいがために、過激に誹謗・中傷して選挙戦に勝利したその翌日(2010年09月15 日)に、このブログで、これからの菅政権の危うさを予測し、もし、この菅政権が上手くゆかなかったとき、その結果については、異常なまでの報道の仕方で民意を作り出したマスコミと、それに踊らされている国民も責任を感じるべきであろうことを書いておいた・・・ことをここに付け加えておこう(民主党代表戦「菅代表再選」参照)。
それはさておき、この代表選挙後に行われた内閣改造・民主党役員人事では、非小沢系を要職に起用し、「脱小沢」を鮮明にしたことにより、菅内閣の支持率は急速に回復(NHK調査65%)するが、代表選期間中に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件への対応(船長の釈放決定には裏で仙谷の動きがあったようだ。)が批判を浴びたことなどにより、支持率は再び低下に転じたが、東京地検特捜部が、2度までも小沢を嫌疑不十分で不起訴としていたものを、昨・2010(平成22)年10月、小沢に対して検察審査会が2回目の起訴相当議決をし、今年・2011(平成23)年1月に強制 起訴されたことを受け、菅は今年(2011年)1月4日の年頭記者会見の対小沢出処進退発言(※6、※7参照)などでやや支持率回復。民主党は小沢を裁判確定まで無期限の党員資格停止処分(※8参照)にした。
以後も政権の低迷は続き、前原誠司が自身の外国人献金問題で外務大臣を辞職した外、菅自身にも外国人献金問題が浮上する(3月11日)が、同日に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)及びそれに付随する形で福島第一原子力発電所事故が発生。そのため、野党も復興対策を円滑に進めるために国会での外国人献金問題追及もうやむやに・・・(※9)。
しかし、4月に行われた統一地方選で与党が敗北するなど、与党・民主党内でも菅政権に対する不満が募り、小沢を中心とする民主党一部勢力が「菅おろし」への動きを活発化させるようになる。
そして、6月2日には、菅の地震・原発災害への対応が不十分であるとして野党の自民・公明両党により内閣不信任決議案が衆議院本会議に提出・上程された。これに対し、小沢に近い議員を中心に野党の不信任案に同調する動きが強まり、鳩山も同調する構えを見せ、一気に不信任決議の可決や党の分裂が懸念される事態となったが、菅は不信任決議投票の本会議を前に鳩山と会談し、自らの退陣を匂わせて不信任決議案に反対させる合意を取り付け、その後の民主党代議士会で菅首相の震災対応に「一定のメド」後の退陣表明をしたことを受け、小沢グループは不信任案に同調する方針を撤回し、当日の衆議院本会議での内閣不信任決議案は否決された(菅おろし参照)。
しかし、その後、退陣の時期はあいまいになったまま推移し、6月12日菅首相の「菅の顔が見たくなかったら自然エネルギー買取法案を国会で通せ」発言が出てきた。
そして、ねじれ国会の中、党幹部が国会提出議案につき野党との調整を進めている中で、6月27日には自民党を離党した浜田和幸参議院議員を総務大臣政務官に任命。与野党から批判が相次いだ。
6月18日に海江田万里経産相が定期検査が終わった原発は再稼働するよう促す「安全宣言」を出したが、それが政府としての公式見解であるかどうかが論点となるが、7月6日には国会で菅首相が玄海原発再稼働はストレステスト前提と突如表明し、閣内不統一が批判の的になる。又、7月5日の被災地での「上から目線」の放言により在任9日目で松本龍復興担当相が辞任したことにより、首相の任命責任が問われた。このようなことで、7月の内閣支持率は16%(不支持率68%)と麻生太郎内閣の最終支持率15%に迫った。そして、同月、民主党と自民党の支持率もそれぞれ13.6%:23.4%と大きく逆転した(※3参照)。
一旦退陣する意向を示唆しながら続投への意欲を見せ、前党首鳩山から「ペテン師」と厳しく非難されながらも、3ヶ月間首相の椅子に居座っていた菅も、2011年8月26日14時から行なわれた民主党両院議員総会で自らの退陣条件としていた「特例公債法案」と「再生可能エネルギー固定価格買い取り法案」が本日の参院本会議で成立し、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の対応に「一定のめど」がついたとの判断を示し、同日をもって民主党代表を辞任することを表明した。
それに伴い、8月29日(月)の両院議員総会で新代表が選ばれる段取りとなり、同日、代表選挙を行った結果、5候補が立候補したが、いずれも過半数に達せず、第1回目の投票で小田・鳩山グループの推す海江田経済産業相の143票に次ぎ、反小沢の仙谷党代表代行や岡田克也党幹事長が担ぐ、野田財務相が予想外の票を伸ばし102票を獲得した。
過半数を獲得した候補がいなかったため決選投票となり、「どじょう演説」で、小沢への批判票と共に中間派の票を集めた野田が215票を獲得して177票を獲得した海江田を逆転し、第9代民主党代表に選出された。
この民主党の代表選挙での野田の勝因の一つは、先にも述べた態度を決めかねていた「中間派」議員の心をわしづかみにした野田の“名演説”だった。「どじょう発言」は1回目投票前に飛び出した。「ルックスはこの通りです。どじょうはどじょうの持ち味がある。金魚の真似をしても出来ない。」
代表戦で野田氏を支援した若手の衆院議員は「どじょうは野田選対で考えたキーワード」と明かしたという。
また、「どじようですが、泥臭く国民のために働いて政治を前進させる」との言葉にも見られるように、格好は悪くても、一歩一歩政策を実現する姿をイメージしてもらおうと思った」とも述べているという(朝日新聞8月30日夕刊)。
日本大学芸術学部の佐藤綾子教授(パフォーマンス心理学)は、「イメージ戦略」が当たったと評価している。どじょうは泥臭さを連想させ、政界のドロドロとした世界で生きていく逞しさを感じさせると共に、大衆的で親しみも持ちやすい。
民主代表選1回目の投票は、マスコミもなども殆どは小田、鳩山両グループが推す海江田が勝つだろうことは予測していたが、又、その際5候補が乱立していることから、過半数は、確保できないだろうとも予測していた。そして、決選投票では、以外に大勢いる中間派の票の行方がどう出るかが左右するであろうと注目していた。そして、民主党の代表戦では選挙前の演説が左右するとも・・・。
野田は、自分を泥臭いどじょうに例え、華やかな金魚と対比させたことで、一歩一歩良い国にしてゆくという今の日本一番大切なことを訴え、見事、中間派の多くの票を獲得した。野田は演説が得意であった。
決選投票では、第1回選挙で立候補した5人の立候補者で2位までに至らなかった3位から5位の候補を支持した人たちが殆ど野田支持に回った。これら3人の候補者は、全員野田が掲げる増税推進には、反対する立場の人たちであったが・・・。
民主党新代表に選出された野田は、翌日の両院議員総会で就任のあいさつを行い、 「ここに集っている皆さんとしっかりと手を携えて、心を引き締めて重責を背負っていく決意だ。 ノーサイドにしましょう。もう・・・」と挙党態勢を呼びかけ、また、政権運営を雪だるまに例え、「あの人が嫌いとかこの人が嫌いとか内輪もめをしていたら、雪だるまは転がり落ちてしまう」と強調した(※10動画参照)。
9月2日、国民新党との連立により、民主党が政権交代を果たして満2年で3人目の野田佳彦首相が誕生した。
野田内閣の閣僚を見ると、政権の安定を優先して党内抗争を回避するため、幹事長には、小田に近い輿石東参院議員会長に、鳩山由紀夫政権の官房長官だった平野博文氏を国対委員長にするなど、小沢、鳩山グループのほか、一度野田を支援するとしながら増税路線に反対し対立候補となっていた前原誠司を政調会長にするなど、代表選では政策面を争ったものも含めて各グループから満遍なく起用した。
そのようなことから、野田「どじょう内閣」の支持率は、67%(日経)~53%(朝日)と、発足時の支持率は鳩山(70%超)、菅内閣(60%超)には及ばないものの、それでも最後の「ダメ菅内閣」の3倍以上には増えた。ANN(テレビ朝日系列)の調査では、民主党の支持率も約10ポイント上昇し、10カ月ぶりに自民党を上回り(※11)、鳩山、菅と2代続きの竜頭蛇尾に愛想が尽きたかと思いきや、まだ過半数の国民が辛抱強く望みを繋いでいるのだから、「どじょうはどじょうの持ち味」を生かして、「どじょう演説」が選挙に勝つための単なる「イメージ戦略」だけだった・・・などと後に言われないように努力してしてもらいたいものだ。
しかし、財務大臣に、野田と同じく増税派の安住 淳を起用しているが、“野田政権が、東日本大震災の復興財源を確保するための臨時増税について、「原則5年、最長10年」としていた増税期間を、「15年から20年超」に延長することを検討していることが分かった。」”・・と、臨時増税が、永久増税になるかも知れない危険性があると心配している記事が7日付け日経新聞で報じられている(※12)。
菅政権の財務大臣時代から野田は財務省の言いなりであるとマスコミなどで論じられていたが・・・・、9月10日TV大阪「たかじんnoマネー」の”はやぶさの感動再び!”の番組の中で、今回の代表戦でも、財務省の組織内候補者として、代表選を闘い、財務官僚が裏で物凄い応援をしたからこそ、あれだけの票をとれたのだといっているのを耳にした。それが、真実かどうかは知らないが、どうも、財務省の望む増税路線を推進していきそうである。
民主党代表戦の対立候補は4人とも復興のための早急な増税に反対意見であり、当然4人を応援した人たちも同じ考えで合ったろうと思うのだが、この人達はこれからどう対応ゆく気なのだろうか。今のようなデフレの中で、経済は低迷している時に、世界一の借金国となった日本の震災やその後に起こった台風による洪水被害への復興。原子力事故やエネルギー不足の問題など解決しなければならない国内問題は山とあるものの何をどのような手順で勧めてゆくかを間違うと日本は沈没してしまうだろう。国民に増税を強いる前に、民主党が公約していた、国会議員の定数削減や国家公務員の給与引き下げなど・・・民主党の公約してきたことを、真っ先に手をつけなければいけないだろうと思うのだが・・・。
それと、今の日本を取り巻く厳しい国際情勢の中で政治の要とも言える外交や、安保などをこなしてゆけるのか・・・。鳩山、菅政権はこの問題で国の信頼を失ってしまったといえる。どじょう内閣の閣僚の顔ぶれを見ていると、防衛・外務、それに財務などの重要な閣僚が、いずれも実績の無い素人といえる人達ばかりであり、これでは政治主導による公務員改革どころか、公務員の下請け内閣になりそう気がするのだが・・・。
2011年9月5日(月)の「天声人語」に「どじょう料理は精がつくとされる。ただ『日本食材百科事典』(講談社)によると旬は夏で、泥鰌(どじょう)鍋も夏の季語である。寒くなると冬眠のため身がやせ、味が落ちるという。ひと冬がやっとこさの政権ならば、日本の再建を託すに値しない。とはいえ、自民党への懐古が募る気配もない。」とあるように、我々国民は、鬼っ子のような前政権の後に誕生した野田新政権のハネムーン期間は、暫く、その様子を見守るしかないのだろうが、何しろ国難続きの今は、悠長なことは言っておれない。「はなから金魚の輝きは求めない」ものの、確実に一歩一歩着実にやるべきことを進めてもらいたいものだ。
アメリカ大統領選でのオバマ大統領の勝利演説では「Yes, we can!(そうさ、われわれはできるんだ)」を繰り返し、その演説に米国民のみならず世界の人々が感動を呼んだものだが、演説で政治が出来るものではない。米国を率いて2年半、結果的に、オバマは有効な手はなにも打てず、先月の50歳の誕生を前に、経済の建て直しに「険しいとは思っていたがこれほど急な坂だったとは思っていなかった」と弱音を吐いていたという。
今年7月月29日発売の英誌「エコノミスト」の表紙絵には、「Turning Japanese : debt,default and west's new politics of paralysis」(日本化:負債、デフォルト、そして西欧の新たなまひ政治)という見出しで、噴煙を上げる富士山を背景に米ドルを象徴する緑色の着物姿のオバマ米大統領とユーロのマークが入ったかんざしを挿したメルケル独首相の絵が掲載され、アメリカと同じように英国の政治状況を「日本みたいになるぞ」と皮肉られている(詳しくは以下参考の※13参照)。
つまり、バブル景気崩壊以降、政治家が痛みを伴う決断、財政再建に手をつけず先延ばしにしてきた日本の政治状況は、アメリカや英国などの反面教師にされているのである。この記事を読めばオバマもへ込むだろうが、日本の政治家はどれほど真剣なのだろう。
そして、アメリカ経済も先行きへの不安が強まる中、大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」(S&P)が、今年8月5日、アメリカ国債の格付け(ここ参照)を初めて最も高い「AAA」から一段階引き下げ、「AA+」に格下げしたが、ムーディーズも21段階中4番目の「Aa3」としている。これは他の先進国と比べると最低水準にある。
しかし、S&Pによる、日本国債の格付けは、既にリーマンショック後の不況による税収減や、過去最悪の予算を組むなど財政膨張路線をとる民主党への政権交代などが重なり急速に財政が悪化したためとして、今年1月に米国より低い「AA」から「AA-」に格下げされているのだ(※14)。
続いて今度は、ムーディーズが、8月24日に、日本国債の格付けをこれまでの、21段階のうち、上から3番目の「Aa2」( 2009年5月)から、もう1段階引き下げ、中国やチリと同水準の「Aa3」とした。その理由として、日本が多額の財政赤字を抱えている上、増え続けていることを挙げており、また、政権が変わり続けたことで一貫した経済・財政政策がとれていないことや、そこへ、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で景気回復が遅れていることなどを挙げている。証券会社の人からは、日本政府の対応次第では、もう一段の引き下げもあるかもしれないと聞いている。
・・・にもかかわらず、皮肉にも、米国債の格付けが下がり、デフォルトの危険があるとして、ドルが急落(=円高)しているのに対して、日本国債の格付けが引き下げられても円は下がるどころかこれ以降も円高が続いており、輸出関連企業等に打撃を与えているなど、日本は、より深刻な状況にあるのだ。
このような厳しい状況下の日本では、生まれたての「どじょうっ子」だからと言って、「不慣れ」だ、「不手際」だを大目に見る余裕もなくなっていることを肝に命じてやって欲しいものだが、発足当時から軽い大臣がたばこ税がどうのこうのとつまらぬことを言って、党内不一致をあらわにし、その他ボロボロつまらぬことでマスコミを騒がせてたと思うと、鉢呂吉雄経済産業相が東京電力福島第一原発の周辺自治体を「死のまち」と表現し、福島視察後記者団に「放射能をつけちゃうぞ」などと言って服の袖をなすりつけるようなしぐさをするなど不適切な言動をしたとして、内閣発足から9日目で早々と辞任をしている。
その後任には誰がなるのかと注目していたら、なんと菅第2次改造内閣の内閣官房長官していた枝野幸男が後釜に・・・。経済産業相になるのだが、経済通とも思われず、ただ、白を黒、黒を白とでもいえる弁護士上がりなので、失言はしないかも知れないが、福島第一原発事故の情報を国民に正しいく伝えず、過少に伝えていた責任は菅同様に大きいはずだが、守りのどじょう内閣は、野党からの質問に失言をしないだけのためにそんな人を、選んだのだろうか(※15参照)。
今月13日の衆院本会議で臨時国会の日程を4日間にすると強行採決し、野党から相反発を喰らい、その後与野党協議で14日となったようだが、素人のような閣僚ばかりで、国会での質問が恐くて逃げているのか知らないが、卑下するように自分をどじょうと言う野田内閣は、その弱みを隠すためにひょっとしたら強権内閣になるかも知れない危険性を感じさせた。
同じく今月13日朝日新聞で、、民主党政権の公務員制度改革などを批判し、閑職に追いやられていた経済産業省の官僚・古賀茂明が26日付で同省を退職することになったと伝えていた。
何でも、彼は枝野経済産業相に「仕事をさせて欲しい」と直談判をしたらしいが、逆に退職を勧められたという。
15日の代表質問で、みんなの党の渡辺喜美代表が「しがらみない改革のため、古賀さんを起用すべきだ」と枝野に迫ったが、枝野は、「個別の人事について答えは差し控える」との答弁するにとどまったという。
彼は優秀な官僚であるが、自民党政権や鳩山政権で、国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官を勤め、年功序列の見直しなど大胆な制度改革を提案したが、財務省を中心に反発が強まり、2009年2月から官房付きとなり、実質的な仕事をさせて貰えなくなっていた。要するに、公務員制度改革などさせるものかと干されていたのだ。
枝野は”弁護士であり、財務省所管の公益法人「印刷朝陽会」の理事にも就いている義父から毎年献金を受けている。印刷朝陽会の理事長は大蔵省からの天下り役人であり、「天下り法人理事から献金を受け取る」のは「不適切な関係」ではないかと週刊誌(サンデー毎日2010年6月27日号: p. 133)に書かれていた”ようである(Wikipedia)。
鳩山内閣が掲げる政治主導の一環として2009(平成21)年から行政刷新会議が内閣府に設けられ、枝野は、鳩山、菅第2次改造内閣と2期に亘り行政刷新担当大臣(2期目は内閣官房長官兼務)として、事業仕分け作業をリードしたが、パフォーマンスだけは目だったものの、たいした成果はあげておらず、特にやらなければいけない国家公務員の天下り防止など公務員制度改は殆ど成果をあげていないが、官僚の援助がなければ何も出来ないような今のどじょう内閣で、公務員制度改革など本当に出来るのか。またまた、元気な蓮舫のパフォーマンスだけに終わるのではないか・・・。
兎に角、財務省主導の増税路線を進むどじょう内閣は、公務員改革の前に、震災復興財源にあてる臨時増税として法人税率の実質的凍結や所得税税増税だけは、早々と打ち出した。これなど、管政権時代の財務大臣のときから、財務省に洗脳されていたことなのだろうと、そう思って新聞を読んでいると、朝日新聞9月17日朝刊には、野田総理に、「松下政経塾出身と言ってほしくない」と16日の参議院本会議で、代表質問に立った江口克彦参院議員(みんなの党)がかっての松下政経塾時代の教え子であった首相を痛烈に批判にしていたことが伝えられている。江口氏は「『政治家の使命はいかに税金を低く抑えるかにある』との松下さんの考えを理解しているなら、増税を簡単に口にできない」と追及している。本会議終了後、江口は朝日新聞の取材に「かって『官僚主義を排す』と語った首相が今は官僚の言いなり。松下さんは天上で泣いていると思う」と述べたそうだ。・・・・こんなデフレの時に、やるべきことをやらずに増税から入るなど、東北地区の震災復興を目指しながら、日本の国そのものを破壊しかねない内閣となりそうだ。
ここしばらく続いたお寒い内閣の再現というより、もっと寒い内閣になるかもしれないと思うと、末恐ろしい気がするよ・・・。それでも皆さんどじょうはお好き!
(冒頭の画像は、2011年8月30日朝日新聞夕刊より借用)
参考:
※1:安来節保存会ホームページ
http://www.y-hozon.com/
※2:安来どじょう祭り 9月18日(日) : ようこそ安来へ -安来観光協会公式サイト
http://www.yasugi-kankou.com/index.php?view=5168
3:図録時事トピックス:菅内閣の支持率推移(歴代内閣との比較)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/j005.html
※4:なぜマスコミは小沢嫌いなのか|永田町異聞
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10252411439.html
※5:阿修羅「小沢一郎事件」とは・・・
http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/503.html
※6:「小沢氏は出処進退を明らかにすべき 首相の考え変わらず」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/481254/
※7:『平野貞夫の国づくり人づくり政治講座』 第85回 ―「 日本政治の現状(47) 」―
http://www.cmf-world.jp/web/koso7/koso7_column_tosa2_98.html
※8:党員資格停止 とは - コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E5%85%9A%E5%93%A1%E8%B3%87%E6%A0%BC%E5%81%9C%E6%AD%A2
※9:2次補正審議再開 菅首相の外国人献金問題で一時中断(msn)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110721/plc11072111150013-n1.htm
※10:野田新代表「もうノーサイドに」 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_news/vn110829_6.htm
※11:野田内閣支持率54.6% 民主党支持が自民党上回る
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210905014.html
※12:野田内閣、早くも本性露呈!“財務省傀儡”で庶民いじめ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110907/plt1109071542005-n1.htm
※13:レックの色々日記 : オバマ&メルケル、着物&富士山
http://blog.livedoor.jp/j1bkk/archives/1805192.html
※14:為替王 : 【過去の日本国債格付け推移】
http://blog.livedoor.jp/kawase_oh/archives/51750099.html
※15:原発事故の共同責任者・枝野氏の経産相起用に疑義を呈す:
http://yama-pp.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-76e8.html菅を国会喚問せよ、外国人献金問題をうやむやにするな:イザ!
http://kashiwataro.iza.ne.jp/blog/entry/2429860/
菅の外国人献金問題が再燃の気配 - ゲンダイネット
http://gendai.net/articles/view/syakai/130654
和鋼博物館
http://www.wakou-museum.gr.jp/
裏金疑惑の西松建設 関連政治団体/政界に4億2000万円
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-12-21/2008122115_01_0.html
西松建設の違法献金事件 - Yahoo!ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/nishimatsu_kensetsu/
時事ドットコム:【図解・政治】内閣支持率の推移(最新)
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_cabinet-support-cgraph
発足以来最低 菅内閣支持率16.1% | 日テレNEWS24
http://www.news24.jp/articles/2011/07/11/04186168.html
■明快図説■民主党の党内人脈図
http://mainichi.jp/select/seiji/graph/minsyujinmyaku/index.html
島根県やすぎ観光サイト
http://www.city.yasugi.shimane.jp/kanko/

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