大暑
2009-07-23 | 行事
2009(平成21)年7月23日の今日は「大暑」
大暑(たいしょ)は、二十四節気の1つ。太陽黄経が120度のときで、旧暦の6月中。現行の太陽暦で、この7月23日頃から立秋(8月7日頃)までの期間をいう。この期間は暑さが最も厳しくなる。いよいよ夏本番到来といったところ。
「わたしはもののはじに、ことしの夏のことを書き添えるつもりで、思わずいろいろなことを書き、親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹(あせも)を凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。この稀な大暑を忘れないため、流しつづけた熱い汗を縁側の前の秋草にでも寄せて、寝言なりと書きつけようと思う心持をもその時に引き出された。ことしのような年もめずらしい。わたしの住む町のあたりでは秋をも待たないで枯れて行った草も多い。」
島崎 藤村の 「秋草」(以下参考の青空文庫・島崎 藤村 「秋草」参照)よりの抜粋だ。
この文中に書かれているように、昔から桃の葉が汗疹(あせも)によく効くと言われており、江戸時代から夏の土用には桃湯に入る習慣があったようだが、今では、煮出してローションを作るための桃の葉も売っているようだ。私も汗をよくかく体質であり、夏の暑い日などは少し動いただけで汗だくになり、汗疹に悩まされる。だから風呂上りだけではなく、日によっては1日数回、赤ちゃん用のベビーパウダーを使っているが、今年はもう湯上りにはお世話になっているよ。かって暑い夏の夜は、夜の冷気を呼び込むために窓の戸を閉めずに寝たものだが、昔と違って、夜遅くまで行動している人も多くなっているので、窓を開けていると、犬の遠吠えや猫のさかりといった自然音声だけでなく、いろいろな人の社会の雑音までもが家の中に入ってきて寝れなかったが、幸い冷房用のクーラーの御蔭で窓を閉めて寝るようになってからそのような雑音に悩まされずに済むようになって助かっている。
「兎も片耳垂るる大暑かな 」
この句は、高浜虚子に学んだ芥川龍之介の代表句集 『澄江堂句集』(昭和2年)に掲載されている破調の句(以下参考に記載の「澄江堂句集」参照)であるが、この句にはなんとなく俳句の枠をはみ出そうとする雰囲気がみてとれる。 何時もピンと耳を立てている兎も夏の暑い時期になると耳が垂れているんだね~。
芥川は号を澄江堂主人、俳号は我鬼を用いた。以下参考の「青空文庫作家別作品リスト」に掲載されている『続澄江堂雑記』(ぞくちょうこうどうざっき) の”三 澄江堂”のなかで、「僕になぜ澄江堂(ちようかうだう)などと号するかと尋ねる人がある。なぜと言ふほどの因縁(いんねん)はない。唯いつか漫然と澄江堂と号してしまつたのである。(中間略)僕は時々本名の外に入らざる名などをつけることはよせば好かつたと思つてゐる。」とあるように、特別に意味があってつけた訳ではないようだ。俳号の「我鬼」にしてもなにかわざと自分を卑下し謙遜から名づけられたのかも・・。この句集を作った1927(昭和2)年7月24日未明、友人にあてた遺書に「唯ぼんやりした不安」との理由を残し、35歳という若さで服毒自殺を図っている。
「唯ぼんやりした不安」は、芥川が自殺の動機として記した言葉として有名であるが実際には、自殺直前の『河童』を初めとする晩年の作品群から厭世的、あるいは「病」的な心境から自殺に至ったものであるようだ。兎に角、芥川がなくなった1927(昭和2)年の7月も梅雨明けから酷い暑さだったようだ。
夏の土用は大暑の数日前から始まり、大暑の間じゅう続き、この時期は蒸し暑さに襲われることで体力の消耗も激しく、私なども気が変になりそうになる。夏の暑さで気分が可笑しくならない又夏バテ防止をするために江戸時代から精力のつくウナギを食べる習慣があるがこれは、江戸時代の本草学者であり、蘭学者、医者、作家、発明家、画家(蘭画家)でもある平賀源内の発案によるものだということはよく知られている通りだ。夏の土用の時期が最も蒸し暑いころであることから、この時期に暑中見舞いを送るものとされている。これから8月上旬までが暑さのピーク。地球温暖化や都市化による「ヒートアイランド」現象のため、年々真夏日や熱帯夜が増え、平均気温が高くなっており(日本の平均気温参照)、全国各地の最高気温も記録を更新。気象庁は真夏の最高気温が30度以上を「真夏日」 としていたが、それを上回る日が多くなったので、2007(平成17)年には35度以上を猛暑日と「予報用語」を改正しているが、今年もこの暑さのため熱中症にかかる人が激増しているという。この熱中症は、日中でなくても夜間の寝ているときにもかかるようであり、重症になると命を落とす危険もあるそうだから、夜寝る前にも水分補給をするなど、こまめに水分を補給をしておかないとね~。特に、老人の場合は、水分不足でも喉の渇きを感じないらしいから気をつけないと・・・。我が家では、夫婦で、それぞれがペットボトルに入れた蒸留水を1本づつ持ち歩いているよ・・・。又、熱帯夜で睡眠不足が続くと、夏バテしてしまうが、そうだからと言って、エアコンを使うのもよいが、冷え過ぎで体調を崩さないようにしないとね。また、暑い時は余り無理をしての外出などしない方が良いようだ。兎に角、今年もこれから暑い暑い日が続きそうなので、栄養面にも気をつけて、厳しい夏場乗り切ろうね。
(画像は、Global Warming Predictions 【地球温暖化予測】1960~1990年の平均値に対する2070年から2100年の地表面の平均気温変化量の予測。Wikipediaより)
参考:
二十四節気- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97
モモ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%83
FAQ/こよみのぺーじ
http://koyomi.vis.ne.jp/wiki/index.php?FAQ
青空文庫・島崎 藤村 「秋草」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card46459.html
紀州豊味蔵:豆知識:桃
http://www.caplus-web.com/shop/trivia_momo.html
島崎藤村 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E5%B4%8E%E8%97%A4%E6%9D%91
芥川龍之介 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B
高浜虚子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B5%9C%E8%99%9A%E5%AD%90
青空文庫作家別作品リスト:芥川 竜之介
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person879.html
実りのとき 目刺にのこる海の色
http://www.01.246.ne.jp/~yo-fuse/bungaku/akutagawa/akutagawa.html
澄江堂句集
http://ww41.tiki.ne.jp/~haruyasumi/works/chokodokushu.txt
ウラアオゾラブンコ
http://uraaozora.jpn.org/
気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
地球温暖化 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96
ヒートアイランド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
芥川龍之介と鰻
http://www.kajika.net/yoshida/920701.htm
大暑(たいしょ)は、二十四節気の1つ。太陽黄経が120度のときで、旧暦の6月中。現行の太陽暦で、この7月23日頃から立秋(8月7日頃)までの期間をいう。この期間は暑さが最も厳しくなる。いよいよ夏本番到来といったところ。
「わたしはもののはじに、ことしの夏のことを書き添えるつもりで、思わずいろいろなことを書き、親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹(あせも)を凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。この稀な大暑を忘れないため、流しつづけた熱い汗を縁側の前の秋草にでも寄せて、寝言なりと書きつけようと思う心持をもその時に引き出された。ことしのような年もめずらしい。わたしの住む町のあたりでは秋をも待たないで枯れて行った草も多い。」
島崎 藤村の 「秋草」(以下参考の青空文庫・島崎 藤村 「秋草」参照)よりの抜粋だ。
この文中に書かれているように、昔から桃の葉が汗疹(あせも)によく効くと言われており、江戸時代から夏の土用には桃湯に入る習慣があったようだが、今では、煮出してローションを作るための桃の葉も売っているようだ。私も汗をよくかく体質であり、夏の暑い日などは少し動いただけで汗だくになり、汗疹に悩まされる。だから風呂上りだけではなく、日によっては1日数回、赤ちゃん用のベビーパウダーを使っているが、今年はもう湯上りにはお世話になっているよ。かって暑い夏の夜は、夜の冷気を呼び込むために窓の戸を閉めずに寝たものだが、昔と違って、夜遅くまで行動している人も多くなっているので、窓を開けていると、犬の遠吠えや猫のさかりといった自然音声だけでなく、いろいろな人の社会の雑音までもが家の中に入ってきて寝れなかったが、幸い冷房用のクーラーの御蔭で窓を閉めて寝るようになってからそのような雑音に悩まされずに済むようになって助かっている。
「兎も片耳垂るる大暑かな 」
この句は、高浜虚子に学んだ芥川龍之介の代表句集 『澄江堂句集』(昭和2年)に掲載されている破調の句(以下参考に記載の「澄江堂句集」参照)であるが、この句にはなんとなく俳句の枠をはみ出そうとする雰囲気がみてとれる。 何時もピンと耳を立てている兎も夏の暑い時期になると耳が垂れているんだね~。
芥川は号を澄江堂主人、俳号は我鬼を用いた。以下参考の「青空文庫作家別作品リスト」に掲載されている『続澄江堂雑記』(ぞくちょうこうどうざっき) の”三 澄江堂”のなかで、「僕になぜ澄江堂(ちようかうだう)などと号するかと尋ねる人がある。なぜと言ふほどの因縁(いんねん)はない。唯いつか漫然と澄江堂と号してしまつたのである。(中間略)僕は時々本名の外に入らざる名などをつけることはよせば好かつたと思つてゐる。」とあるように、特別に意味があってつけた訳ではないようだ。俳号の「我鬼」にしてもなにかわざと自分を卑下し謙遜から名づけられたのかも・・。この句集を作った1927(昭和2)年7月24日未明、友人にあてた遺書に「唯ぼんやりした不安」との理由を残し、35歳という若さで服毒自殺を図っている。
「唯ぼんやりした不安」は、芥川が自殺の動機として記した言葉として有名であるが実際には、自殺直前の『河童』を初めとする晩年の作品群から厭世的、あるいは「病」的な心境から自殺に至ったものであるようだ。兎に角、芥川がなくなった1927(昭和2)年の7月も梅雨明けから酷い暑さだったようだ。
夏の土用は大暑の数日前から始まり、大暑の間じゅう続き、この時期は蒸し暑さに襲われることで体力の消耗も激しく、私なども気が変になりそうになる。夏の暑さで気分が可笑しくならない又夏バテ防止をするために江戸時代から精力のつくウナギを食べる習慣があるがこれは、江戸時代の本草学者であり、蘭学者、医者、作家、発明家、画家(蘭画家)でもある平賀源内の発案によるものだということはよく知られている通りだ。夏の土用の時期が最も蒸し暑いころであることから、この時期に暑中見舞いを送るものとされている。これから8月上旬までが暑さのピーク。地球温暖化や都市化による「ヒートアイランド」現象のため、年々真夏日や熱帯夜が増え、平均気温が高くなっており(日本の平均気温参照)、全国各地の最高気温も記録を更新。気象庁は真夏の最高気温が30度以上を「真夏日」 としていたが、それを上回る日が多くなったので、2007(平成17)年には35度以上を猛暑日と「予報用語」を改正しているが、今年もこの暑さのため熱中症にかかる人が激増しているという。この熱中症は、日中でなくても夜間の寝ているときにもかかるようであり、重症になると命を落とす危険もあるそうだから、夜寝る前にも水分補給をするなど、こまめに水分を補給をしておかないとね~。特に、老人の場合は、水分不足でも喉の渇きを感じないらしいから気をつけないと・・・。我が家では、夫婦で、それぞれがペットボトルに入れた蒸留水を1本づつ持ち歩いているよ・・・。又、熱帯夜で睡眠不足が続くと、夏バテしてしまうが、そうだからと言って、エアコンを使うのもよいが、冷え過ぎで体調を崩さないようにしないとね。また、暑い時は余り無理をしての外出などしない方が良いようだ。兎に角、今年もこれから暑い暑い日が続きそうなので、栄養面にも気をつけて、厳しい夏場乗り切ろうね。
(画像は、Global Warming Predictions 【地球温暖化予測】1960~1990年の平均値に対する2070年から2100年の地表面の平均気温変化量の予測。Wikipediaより)
参考:
二十四節気- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97
モモ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%83
FAQ/こよみのぺーじ
http://koyomi.vis.ne.jp/wiki/index.php?FAQ
青空文庫・島崎 藤村 「秋草」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card46459.html
紀州豊味蔵:豆知識:桃
http://www.caplus-web.com/shop/trivia_momo.html
島崎藤村 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B3%B6%E5%B4%8E%E8%97%A4%E6%9D%91
芥川龍之介 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B
高浜虚子 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%B5%9C%E8%99%9A%E5%AD%90
青空文庫作家別作品リスト:芥川 竜之介
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person879.html
実りのとき 目刺にのこる海の色
http://www.01.246.ne.jp/~yo-fuse/bungaku/akutagawa/akutagawa.html
澄江堂句集
http://ww41.tiki.ne.jp/~haruyasumi/works/chokodokushu.txt
ウラアオゾラブンコ
http://uraaozora.jpn.org/
気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
地球温暖化 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E6%B8%A9%E6%9A%96%E5%8C%96
ヒートアイランド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
芥川龍之介と鰻
http://www.kajika.net/yoshida/920701.htm