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真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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米軍の細菌戦 国際民主法律家協会調査団の報告書

2008年07月03日 | 国際・政治

 731部隊の大量のデータや情報を、関係者の戦犯免責と引き換えに米軍が独占入手し、朝鮮戦争で細菌をばらまき利用しているとの指摘があったが、それを裏打ちするかのように、埼玉のネズミは米軍の406部隊へ流れるようになった。戦後の一時期、ネズミ飼育農家から「引き取ってくれ」と泣きつかれたものの、ネズミの買い手がなくなりパニックに陥っていた埼玉医科学試験動物生産組合の田中一郎(仮名)は、取引先を日本軍から米軍GHQに乗り換え、「戦後の最盛期は戦中以上だった」とネズミ飼育農家が証言するほど、ネズミ生産を戦前以上の産業に育て上げたという。また、「高校生が追うネズミ村と731部隊」埼玉県立庄和高校地理歴史研究部+遠藤光司(教育史料出版会)には、下記のような具体的な状況が紹介されている。
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 ……406部隊はウェポンキャリアという大型輸送車で、毎週月曜と木曜にネズミを取りにきた。月曜と木曜の朝には406部隊の出荷に間に合わせるため、この地域の仲買人全員がネズミを持って田中のもとに集まった。ネズミ以外では、ウサギやモルモットなども搬出したので、車はいっぱいになった。406部隊の需要は年毎に増えていき、飼育農家が足らなくなるほどだった。それはまるで731部隊へ納入していたころの活況のようだった。……
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 下記は、指摘を受けて朝鮮に調査に入った国際民主法律家協会調査団の報告書である。具体的な内容(根拠となる証拠や証言者名)の部分は、第2章の2の一部以外は省略しが、「資料【細菌戦】日韓関係を記録する会(晩聲社)には詳細な報告がある。
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 Ⅱ 朝鮮におけるアメリカの犯罪に関する国際民主法律家協会調査団の報告書
                                      (1952年3月31日)
  注釈
 
 1、本報告署は、国際民主法律家協会の権限を持った調査団によって発表された。協会の本部事務室は、ベルギー・ブリュッセル・レグランド街70番地にある。
 2、~6
(略)  

  第1章

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、朝鮮領内における敵の国際法違反にたいして抗議することを、数回、国連に要請した。
 しかし国連は、この要求を無視した。これらの申し立ては、いろいろな調査の対象となってきたが、とくに、朝鮮を訪問した国際民主婦人連盟によって作成された1951年5月27日付の報告書で取りあつかわれた。
 この非難の内容のきわめて重大なのにかんがみ、国際民主法律家協会理事会は、1951年9月の協会ベルリン会議のあとをついで、朝鮮におもむき、現地で、法的調査の方法によりそれらの陳述を調査する目的のもとに、おおくの国の法律家によって構成された調査団を組織することなった。
 調査団は、つぎのようなメンバーで構成された。
  ハイリッヒ・ブランドワイネル クラツ大学国際法教授(オーストリア)団長
  ルイジ・ガバリエル     ローマ最高裁判所弁護士(イタリア)副団長
  ジャック・ガスター     弁護士 ロンドン(イギリス)
  マルク・ジャキエー     控訴院弁護士 パリ(フランス)
  柯 柏 年          中国人民外交学会研究委員会副主任 北京(中国)
  マリノ・ルイス・モエレンス    弁護士 ブリュッセル(ベルギー)
  レテルバ・ロドリゲス・デ・プリト 弁護士 リオデジャネイロ(ブラジル)
  ゾビア・ワシリコプスカヤ     最高裁判所判事 ワルシャワ(ポーランド)

 本調査団は、1952年3月3日から、3月29日まで朝鮮に滞在した。
 調査団員は平壌、南浦、价川、碧潼、安州、安岳、信川、沙里院、元山などの諸都市をふくむ平安南北路、黄海道、江原道を訪問した。
 調査団に与えられた制限された時日と、戦争状態のために、自分達のまえに提出された陳述のことごとくを調査することはできなかった。しかし、自己の使命を完遂する上に必要なあらゆる便宜を朝鮮当局から与えられた調査団は、事件の範囲と犠牲者の数から見て、また、事件の張本人たちが使用した方法の特殊性から見て、もっとも特徴的と思われる事件にたいしては慎重な調査をおこなった。

 これらすべての場合において、調査団員は関係当局から提出された報告や声明などを審議したのち、直接調査にとりかかった。調査過程において、調査団員は、100名以上の証人に質問した。
 調査団の結論は、直接の証拠によって調査団のまえに証明され、また、あらゆる関係文件の調査によって検証された事件にもとづいている。この報告においては、とくに、細菌および化学兵器の使用に関連する重要な証拠が分析されたし、戦争の根源にかんれんする、歴史的意義をもつ文件が検討された。この報告に引用された都市および保護建築の爆破事件、一般市民にたいする暗殺、拷問、殺害などは、ただ正当に検証された直接的証拠物によって証明されたものだけである。
 おわりに、調査団は、証明された事実によって、誘導されねばならないと認められる結論をくだした
。(以下略)

  第2章 細菌戦

 ・・・
 
 調査団はとくに、つぎの場合について調査した。
    (略)
   2 1952年2月18日、平安南道安州郡大尼面鉢南里で、ハエ、クモ、甲虫
      が発見されたが、地面のうえの三ヵ所に、それぞれ1平方ヤードのなか
      に密集していたし、その場所はおのおの1メートルずつへだたっていた。
       そのうち1ヵ所は雪でおおわれていたが他のところには雪がなかった。
      昆虫は全部生きていた。調査団がそこへついたときには、昆虫がその周
      辺一帯にひろがっていた。ハエは在来の朝鮮バエとちがって、異様なか
      たちをしていた。発見されたハエは長いはねをもったいたし、そのはねは
      ややひらかれていた。胴体は大きく頭は在来のハエにくらべて大きいほ
      うであった。
       クモについていえば、在来のクモは、大きいものと小さいものの二種類
      に分けることができ、色は黒いのである。発見されたクモは、その大きさ
      は中くらいで体色はやや白い。ナンキン虫は在来のものは体がまるく、
      やや黄みをおびているのにくらべて、発見されたものは体が平たく黒い
      体色をもっていた。この時期にこの地方で、ハエとクモがあらわれたこと
      は、以前には絶対になかった。地上の気温は、摂氏零下20度であった。
       これらの昆虫が発見された前の日の夜なかごろに、敵機は、この場所
      を偵察しながらきわめて低空を数回旋回したが、爆弾も焼夷弾も投下し
      なかったし機関銃掃射もおこなわなかった。専門家たちの調査によると、
      これらの昆虫はペスト菌に感染していることが判明した。2月25日、この
      にペストが発生した。50名の罹病者のなかで、3月11日までに8お
      よそ600人の人口のうち)36名が死亡した。ペストはそれ以上まんえん
      しなかった。これまで、この地域にペストを発生したことは一度もなかっ
      た。(6)(7)
 
   
  第3章 化学兵器 (略)

  第4章 大量虐殺、殺害、その他の野蛮行為 (略)

  第5章 一般住民にたいする空襲 (略)

  第6章 その他の戦争犯罪 (略)

  第7章 結論

 調査団は、この報告によって発表された事実について、用意周到な考慮をはらい、また、それらの事実にたいして、文明諸国が普遍的に承認している国際法の原則を適用した。終局的判断をくだすのは、本調査団の任務ではない。調査団がそういうことをする資格を持った裁判所ではない。その義務は、事実にたいする調査に極限されており、自らの意見によって、これらの事実にあらわれた国際法違反の犯罪を指摘することに限られている。

 この報告に摘発された犯罪にたいして、弁論すべきことがあれば、それは適当な国際裁判所がこれを聴取したのち、終局的判断をくだすべきである。
 このような立場から、調査団は、つぎのような
結論に到達した。
    1 朝鮮人民軍に反対し、北朝鮮の一般住民に死と疾病を蔓延させる目的
      をもって、人工的に細菌を感染させたハエその他の昆虫を故意に散布す
      ることによって、アメリカ軍は、1907年の陸戦法規と慣習にかんするハ
      ーグ条約の規定に違反し、また1925年のジュネーブ議定書にふたたび
      規定された細菌戦禁止にかんする、普遍的に承認された法律に違反す
      るきわめて重大な戦りつすべき犯罪を朝鮮においておかした。
    2 北朝鮮の一般住民にたいして、毒ガスその他の化学物質を使用すること
      によって、アメリカ軍は1907年のハーグ条約第23条(イ)、(ホ)および
      1925年のジュネーブ議定書に、計画的にかつ故意に違反する犯罪を
      犯した。

    3~10
 (略)
    

    http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/ に投稿記事一覧表があります。
一部漢数字をアラビア数字に換えたり、読点を省略または追加したりしています。

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