きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト」Aプロ

2012年02月18日 | バレエ・ダンス
◆第1部◆
「ラリナ・ワルツ」
振付:リアム・スカーレット
音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル、ローレン・カスバートソン、ロベルタ・マルケス
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン


女性は白いチュチュ、
男性は黒の上着に黒のタイツ。
傾向としてはよくある軽めのワルツ作品だけど
皆さん気品高く、清々しく踊っていました。
マルケスだけ音の取り方が違っていた。

カーテンコールは5人。
なぜかと思ったら・・・


「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド、ホルガー・シモン・パウリ
ロベルタ・マルケス、ヨハン・コボー


びっくり!
マルケスとコボーが着替えて登場だ!!
いくら出演者が少ないとはいえ
ヅカもびっくりな早替えだ!!

マルケスは、こちらでは綺麗に音に乗っていました。
実にチャーミング。
コボーの脚捌きは細かく正確。
見惚れる。
さすがにジャンプ力は弱まっているかな。

「眠れる森の美女」より ローズ・アダージオ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、
ワディム・ムンタギロフ、セルゲイ・ポルーニン


コジョカルはピンク系のチュチュ。
実に愛らしい。
プリティ・プリンセスだ。
それでいて安定感は抜群。
軸が全くブレない。
すごすぎ。

そして、、、
ここにも
コボーがいるよ!

3演目連続出場とは!
こんなのバレエで見たこと無いよ!
ビックリ仰天だよ!!
4人の王子は白いシャツに黒のスラックス。
とってもオシャレです。
その姿で片膝つかれたら萌えってもんですわ。
ありがとう、ご馳走さま。


「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・I. チャイコフスキー
ローレン・カスバートソン、ワディム・ムンタギロフ


チャイパドにしては動きすぎて
ケレン味がありすぎるかも。
でも若い二人が勢いがあるのは
いいことじゃないかー、とも思う。
ムンタギロフの滞空時間は長い。
顔がちょっとカチャに似ている?


「レ・リュタン」
振付:ヨハン・コボー
音楽:ヘンリク・ヴィェニャフスキー、アントニオ・バッジーニ
アリーナ・コジョカル、スティーヴン・マックレー、セルゲイ・ポルーニン
チャーリー・シエム(ヴァイオリン)、橋望(ピアノ)


技巧者3人が技をぶつけ合うんだけど
見せ場がとても見やすく、
コミカルで小粋。
生ヴァイオリンに生ピアノで、
ヴァイオリニストも巻き込んでいる。
オチも綺麗に決まった!
とっても素敵な作品だった。
コボー、センス良いよ!


◆第2部◆
「エチュード」
振付:ハラルド・ランダー
音楽:カール・チェルニー、クヌドーゲ・リーサゲル
エトワール:
アリーナ・コジョカル、
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、セルゲイ・ポルーニン
白の舞踊手(ソリスト):高村順子、佐伯知香
東京バレエ団


コジョカルがガラのメインって弱いんじゃない?
と見る前は思っていたけど、
全くそんなことは無かった。
実に
侠気溢れる
踊りだった

舞台を引っ張っていく牽引力、結集力が
ものすごくあった。
可憐な容姿ではあるけれど、
とても力強い存在感だった。
いやー、いいもの見たわ。
姐さん、ついて行きますぜ!ってカンジです。

コボーはシルフのとことだけかな?
指ぱっちんがマックレーで
怒濤のザンレールがポルーニン。
でもザンレールの一部分にマックレーが入った?
サラファーノフほど畳みかけていなかったような。
ポルーニンはとても良く動いている。
ジャンプもマックレーより高いときがある。
しかし、マックレーの、
正確で安定していて切れ味鋭いシャープな踊りの方が
目を引くわ。

東バはプリンシパル以外は総出演?
キャスト表に名前が入っている二人以外では
女性は、高木、奈良、田中、乾、西村、吉川、など
男性は、松下、長瀬、柄本、宮本、小笠原、氷室、梅澤など
かな。
なんとなく宮本くんの番手が上がってきているような。
女性の群舞はよく揃っている。
男性のソリストもペース配分が馴れてきたかな。
最後の後ろの方のメンバーはかなり疲れていたようだけど
全般的にスタミナ切れは感じられなかった。
迫力あり、テンション高し。


とにかくコジョカルがすごかったわー。
困り眉毛だけなんとかなればなあ。
コボーは、髪の色のせいか、
揉み上げが長いからか、
郷ひろみに似ている。
オーストラリア出身のマックレーは
「いかにもイギリスのおじさん」系に
ビジュアルがシフトしつつある。


◆上演時間◆
第1部 15:00 - 16:00
休 憩 25分
第2部 16:25 - 17:10
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「ディア・ハンター」(第二回午前十時の映画祭 青の50本)

2012年02月18日 | 映画
むかし読んでいた雑誌で大絶賛されていたものの
今まで見る機会がありませんでした。
今回の企画でスクリーンで見られることになって
とっても嬉しいです。

アメリカの、鉄鋼都市。
ロシア系の移民が多く暮らす町。
同じ工場で働く悪タレ達は
つるんで遊び、鹿撃ちも共通の趣味だった。

ベトナム戦争が起こり
3名が志願兵となり戦地へ行く。

そこは地獄だった。

二人はやっとの思いで米国へ帰還。
一人は戦地から脱出したものの
ベトナムに留まり・・・。


とにかく「キツい」。
いまにも通じることだけど
当時のアメリカは、
ベトナム戦争ってものを
とても楽観視していたんだろうな。
若者達も、行く前は
もっと違うことを想像していたんだろうな。
「MASH」はこれよりもお気軽だけど、
それは戦況やアメリカの関わり方が違うから。
としか思えないほど、
敗戦へまっしぐらの戦地と、
ヨーロッパの常識が通用しない世界は
地獄としか言い様がない。
(いまもどこかで同じような場所があるのはわかっているけどね)

ロシアン・ルーレットを見物して賭ける人は
なにが面白いんだろう。
戦地のベトコンだけでなく、
それなりに平和が戻った土地でも行われ
賭ける人の中には西洋人もいる。
他人の命の遣り取りは
そんなに面白いものなのか?
自分が安全圏にいての見物は
他人の命を握っているようなもので
神になったと錯覚できるのか?
赤い鉢巻きは、当たったとき
中身が飛び散るのを防ぐため?

など、思いつつも、
クリストファー・ウォーケンの美しさに
とってもビックリ!

若い頃が、こんなだったとは。
もちろん今の面影はあるけどさ。
平和な町の悪タレの時、
極限の地にいるとき、
病院で、自分の身体は治っているのに
言葉が出づらいとき、
そして、ロシアン・ルーレットで
友人と対峙する時、
それぞれの表情は違う。
美しさだけでなく
とても素晴らしい演技だ。

ロバート・デ・ニーロも
おひげが素敵。
友人を捜しにベトナムへ行き
目の前で失う。
彼に対しての「愛している」は
同性愛的なものではなく、
もっともっと深い愛情だ。

五体満足のニックは精神を病みベトナムで死ぬのに
片手・両足を失ったスティーヴンは
帰国して前向きに生きていくんだね。

アンジェラをスティーヴンの母は「余所者」と言う。
教会まで建てたロシア人コミュニティに入ってくる彼女は
確かに余所者なんだろうけど
そもそもこのコミュニティ自体が
(先に入植した)プロテスタントから見れば
余所者の集団みたいなもんかな。
ベトナムにおけるアメリカは余所者である、
に引っ掛けているのかな。

若き日のメリル・ストリープは
初々しくて可愛い。
ちょい昔のジュリー・ケントにそっくりだ。
今度は鉄の女になっちゃうメリル。
役者魂は立派だけど、、、
なんだか複雑だね。

昨年見た「ワイルド・ブリッド」が
「香港版ディア・ハンター」と言われていたのも納得。
ジョン・ウー、上手く翻案したなあ。
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