1幕は一気にニキヤの死まで。
ソロルはガムザの美貌に目がくらむ。
ジャンぺはきりの良いところで一度終わり、拍手ができる。
ガムザに引き合わされたソロルが手を取り
二人で下手テーブルに座ったら
ジャンぺがクルクル回り去る。
肖像画のソロルはあきらかに熊川氏。
他日ソロルだと「ガムザ、人違いだよ!」と思うのかな。
パリオペのように。
(パリオペはイレールだった)
婚約式、ソロルは象に乗って登場。
ふかふかな虎さんを見ていたので
どうやって降りたのかは不明。
太鼓の踊りあり。後半は女性ふたり。
壺の踊りは無し。
ガムザの衣装が黒で違和感。オディールみたい。
花籠はラジャの命令でソロルがニキヤに手渡す。
引導を渡す、ってことかな。
2人とも立場を考えろ、と言われているのか。
ニキヤが蛇に噛まれた件、
ラジャもガムザも認めているように見えた。
解毒剤があるのがわかっているソロルは、
ハッキリと、ニキヤが見ている前で、ガムザの手を取り、去る。
それを見て絶望したニキヤは解毒剤を拒み死ぬ。
2幕。後悔のソロルは寺院に祈りを捧げに来る。
紗幕に描れた仏像画越しにブロンズ・アイドルがゆらゆら。
友人と苦行僧はソロルに水煙草(阿片)を勧める。
(スネークカモン!は無し)
夢の中でソロルはニキヤを見つけ、追い、影の王国に分け入る。
スロープは一回折り返し有り。
翌朝、ソロルは寺院で息絶えているのを発見される。
嘆き悲しむガムザ&ラジャたち。
蛇がガムザを噛む。因果応報。
寺院が崩れる。
ここでようやくブロンズ・アイドル登場。
世界を浄化する。
ソロルとニキヤはあの世で結ばれる。
ってかんじかな。
プログラムは読んでいないので、
あくまで私個人が見て感じたストーリーです。
ラストは白い世界。
悲恋でも「スモーク炊いてデュエットダンスでハッピーエンド風味」で終わる
ヅカテイスト(うたかたとかロミジュリとかアレ系)で
ちょっとびっくりした。
唐突に幼稚なファンタジーになっちゃった。
もういっそ影ソロ入れちゃって。
真ん中のダンサーが小柄で、
舞台に出ている人も少なめなので、
そこそこ豪華だけど、ミニマム感もあった。
熊川氏の作品はそんなに見ているわけではないけど
明快なロジックで組み立てる印象。
(重箱の隅を磨き上げるピーター・ライトを思い出す)
だから物語の辻褄は合っているんだけど、
そのぶんダンサーによる人物の造形が薄くなっている気がする。
「西欧人が考える間違ったオリエンタリズム」込みで
作品を楽しむべきだと思うんけど、
「インドだから仏教じゃ無くてヒンドゥー教です」的な正確さは
あんまり必要ないんじゃないかな。
そこから一転してファンタジーな世界へ。
物語の落としどころがココなのが興味深かった。
熊川氏のソロル像が掴めなかったな。
今まで見たソロルって
・俺って可哀想のナルシスト(マラーホフ)
・薬でラリって都合の良い夢を見ているだけ(ヌレエフ版)
・主君のために義に従う(最近一番多い)
・ニキヤを裏切った自分は死ぬしかない(ルジマトフ)
などなど。
ボッカはラジャに金でケリをつけてもらったかんじだったな。
原典は「ガムザの美貌に目がくらみ」だけど、
そうなると、その後の戦いで
ガムザがニキヤに懇願するのがおかしくなる。
(自分より美しいから負けたと思ったんだよね)
「義に従う」が、
ソロルの愛は変わらないけど
状況的にニキヤを裏切ることになるので
物語としては一番しっくりくるから最近多いのかな。
これらの、どれでもないソロルを作ろうとして、
結果的に人物像が曖昧になった気がする。
ガムザによろめき、でも後悔して、が
場面場面ではハッキリ表されるので
一貫性のない、その場その場しのぎの
単純な優柔不断な男になっちゃったかなー。
というか、どうしてもソロルじゃなく、
「俺様熊川」にしか見えない。
(そもそもそういう公演だけど)
そして、当たり前かもしれないけれど、
熊川ソロルはラジャより尊大。
誰が君主なんだか。
ヒゲはどうなんか。
おっさんくささが増すだけじゃ?
さすがに往事よりは飛べないけど、
普通のダンサーよりは切れのあるジャンプだけど、
でもやっぱり爽快感はもうないな。
2幕後半はかなりキツそうだった。
荒井さんも私の中ではサバサバのウメちゃん系に分類されるので、
物語として感動する部分は無かったな。
踊りは綺麗なんだけど、私の好みよりずっと情念が薄い。
白石さんも高慢さはいじわるとかではなく
位の高いお姫様ゆえだから悪人というほどではないし
ソロルがよろめくのも納得の美しさなんだけど
やっぱり芝居が薄いかなあ。
私の基本はパリオペ(ビデオ)かマールイなんで
濃い芝居を求め過ぎちゃうのかも。
隙あれば男性に踊らせるのは熊川氏ならでは。
ダンサーの技術向上等にはいいんだろうけど
全部の音楽を使わなくても、と思うときはある。
池本さんの踊りはキレキレで爽快。
最後の最後にちょっと踊るだけ、って
テンションを維持するのが難しそうだね。
立体的な神像、奥行きのある寺院内部などのセット、
光り物が多い衣装など、
熊川氏の美術センスは好きだな。
ディック・バード氏を齋藤吉正に引き合わせてくれないかな。
【配役等】
ニキヤ:荒井祐子
ソロル:熊川哲也
ガムザッティ:白石あゆ美
ハイ・ブラーミン(大僧正) :スチュアート・キャシディ
ラジャ:ブレンデン・ブラトーリック
ブロンズ・アイドル:池本祥真
マグダヴェヤ(苦行僧):井澤諒
ソロルの友人:ニコライ・ヴィユウジャーニン
【第1幕1場 (寺院の外)】
兵士:
福田昂平/杉野慧/浜崎恵二朗
川村海生命/ 栗山廉/吉田太郎
巫女:
浅野真由香/辻久美子/新井友里/香西由美子
國友千永/栗村萌絵/前田望友紀/新居田ゆり
苦行僧:
長島裕輔/酒匂麗/愛澤佑樹
兼城将/三浦響基/坂元駿
【第1幕2場 (宮殿の一室)】
ジャンペの踊り:
山田蘭/酒井麻子
新井友里/後藤彩乃/金雪華
國友千永/大井田百/戸田梨紗子
アイヤ(乳母):西成雅衣
【第1幕3場 (宮殿の庭)】
パ・ダクシオン:
湊まり恵/荒蒔礼子/井平麻美/河合有里子
浅野真由香/中村春奈/山田蘭/新居田ゆり
福田昂平/石橋奨也
太鼓の踊り:
吉田恵/岩渕もも/杉野慧
【第2幕2場 (影の王国)】
第1ヴァリエーション:佐々部佳代
第2ヴァリエーション:中村春奈
第3ヴァリエーション:浅野真由香
影の踊り コール・ド・バレエ 他
●芸術監督 熊川哲也
●演出・再振付 熊川哲也
●原振付 マリウス・プティパ
●音楽 レオン・ミンクス
●舞台美術・衣裳 ディック・バード
●照明 足立恒
●指揮 井田勝大
●演奏 シアター オーケストラ トーキョー
第1幕 70分 ~ 《休憩25分》 ~ 第2幕 50分
ソロルはガムザの美貌に目がくらむ。
ジャンぺはきりの良いところで一度終わり、拍手ができる。
ガムザに引き合わされたソロルが手を取り
二人で下手テーブルに座ったら
ジャンぺがクルクル回り去る。
肖像画のソロルはあきらかに熊川氏。
他日ソロルだと「ガムザ、人違いだよ!」と思うのかな。
パリオペのように。
(パリオペはイレールだった)
婚約式、ソロルは象に乗って登場。
ふかふかな虎さんを見ていたので
どうやって降りたのかは不明。
太鼓の踊りあり。後半は女性ふたり。
壺の踊りは無し。
ガムザの衣装が黒で違和感。オディールみたい。
花籠はラジャの命令でソロルがニキヤに手渡す。
引導を渡す、ってことかな。
2人とも立場を考えろ、と言われているのか。
ニキヤが蛇に噛まれた件、
ラジャもガムザも認めているように見えた。
解毒剤があるのがわかっているソロルは、
ハッキリと、ニキヤが見ている前で、ガムザの手を取り、去る。
それを見て絶望したニキヤは解毒剤を拒み死ぬ。
2幕。後悔のソロルは寺院に祈りを捧げに来る。
紗幕に描れた仏像画越しにブロンズ・アイドルがゆらゆら。
友人と苦行僧はソロルに水煙草(阿片)を勧める。
(スネークカモン!は無し)
夢の中でソロルはニキヤを見つけ、追い、影の王国に分け入る。
スロープは一回折り返し有り。
翌朝、ソロルは寺院で息絶えているのを発見される。
嘆き悲しむガムザ&ラジャたち。
蛇がガムザを噛む。因果応報。
寺院が崩れる。
ここでようやくブロンズ・アイドル登場。
世界を浄化する。
ソロルとニキヤはあの世で結ばれる。
ってかんじかな。
プログラムは読んでいないので、
あくまで私個人が見て感じたストーリーです。
ラストは白い世界。
悲恋でも「スモーク炊いてデュエットダンスでハッピーエンド風味」で終わる
ヅカテイスト(うたかたとかロミジュリとかアレ系)で
ちょっとびっくりした。
唐突に幼稚なファンタジーになっちゃった。
もういっそ影ソロ入れちゃって。
真ん中のダンサーが小柄で、
舞台に出ている人も少なめなので、
そこそこ豪華だけど、ミニマム感もあった。
熊川氏の作品はそんなに見ているわけではないけど
明快なロジックで組み立てる印象。
(重箱の隅を磨き上げるピーター・ライトを思い出す)
だから物語の辻褄は合っているんだけど、
そのぶんダンサーによる人物の造形が薄くなっている気がする。
「西欧人が考える間違ったオリエンタリズム」込みで
作品を楽しむべきだと思うんけど、
「インドだから仏教じゃ無くてヒンドゥー教です」的な正確さは
あんまり必要ないんじゃないかな。
そこから一転してファンタジーな世界へ。
物語の落としどころがココなのが興味深かった。
熊川氏のソロル像が掴めなかったな。
今まで見たソロルって
・俺って可哀想のナルシスト(マラーホフ)
・薬でラリって都合の良い夢を見ているだけ(ヌレエフ版)
・主君のために義に従う(最近一番多い)
・ニキヤを裏切った自分は死ぬしかない(ルジマトフ)
などなど。
ボッカはラジャに金でケリをつけてもらったかんじだったな。
原典は「ガムザの美貌に目がくらみ」だけど、
そうなると、その後の戦いで
ガムザがニキヤに懇願するのがおかしくなる。
(自分より美しいから負けたと思ったんだよね)
「義に従う」が、
ソロルの愛は変わらないけど
状況的にニキヤを裏切ることになるので
物語としては一番しっくりくるから最近多いのかな。
これらの、どれでもないソロルを作ろうとして、
結果的に人物像が曖昧になった気がする。
ガムザによろめき、でも後悔して、が
場面場面ではハッキリ表されるので
一貫性のない、その場その場しのぎの
単純な優柔不断な男になっちゃったかなー。
というか、どうしてもソロルじゃなく、
「俺様熊川」にしか見えない。
(そもそもそういう公演だけど)
そして、当たり前かもしれないけれど、
熊川ソロルはラジャより尊大。
誰が君主なんだか。
ヒゲはどうなんか。
おっさんくささが増すだけじゃ?
さすがに往事よりは飛べないけど、
普通のダンサーよりは切れのあるジャンプだけど、
でもやっぱり爽快感はもうないな。
2幕後半はかなりキツそうだった。
荒井さんも私の中ではサバサバのウメちゃん系に分類されるので、
物語として感動する部分は無かったな。
踊りは綺麗なんだけど、私の好みよりずっと情念が薄い。
白石さんも高慢さはいじわるとかではなく
位の高いお姫様ゆえだから悪人というほどではないし
ソロルがよろめくのも納得の美しさなんだけど
やっぱり芝居が薄いかなあ。
私の基本はパリオペ(ビデオ)かマールイなんで
濃い芝居を求め過ぎちゃうのかも。
隙あれば男性に踊らせるのは熊川氏ならでは。
ダンサーの技術向上等にはいいんだろうけど
全部の音楽を使わなくても、と思うときはある。
池本さんの踊りはキレキレで爽快。
最後の最後にちょっと踊るだけ、って
テンションを維持するのが難しそうだね。
立体的な神像、奥行きのある寺院内部などのセット、
光り物が多い衣装など、
熊川氏の美術センスは好きだな。
ディック・バード氏を齋藤吉正に引き合わせてくれないかな。
【配役等】
ニキヤ:荒井祐子
ソロル:熊川哲也
ガムザッティ:白石あゆ美
ハイ・ブラーミン(大僧正) :スチュアート・キャシディ
ラジャ:ブレンデン・ブラトーリック
ブロンズ・アイドル:池本祥真
マグダヴェヤ(苦行僧):井澤諒
ソロルの友人:ニコライ・ヴィユウジャーニン
【第1幕1場 (寺院の外)】
兵士:
福田昂平/杉野慧/浜崎恵二朗
川村海生命/ 栗山廉/吉田太郎
巫女:
浅野真由香/辻久美子/新井友里/香西由美子
國友千永/栗村萌絵/前田望友紀/新居田ゆり
苦行僧:
長島裕輔/酒匂麗/愛澤佑樹
兼城将/三浦響基/坂元駿
【第1幕2場 (宮殿の一室)】
ジャンペの踊り:
山田蘭/酒井麻子
新井友里/後藤彩乃/金雪華
國友千永/大井田百/戸田梨紗子
アイヤ(乳母):西成雅衣
【第1幕3場 (宮殿の庭)】
パ・ダクシオン:
湊まり恵/荒蒔礼子/井平麻美/河合有里子
浅野真由香/中村春奈/山田蘭/新居田ゆり
福田昂平/石橋奨也
太鼓の踊り:
吉田恵/岩渕もも/杉野慧
【第2幕2場 (影の王国)】
第1ヴァリエーション:佐々部佳代
第2ヴァリエーション:中村春奈
第3ヴァリエーション:浅野真由香
影の踊り コール・ド・バレエ 他
●芸術監督 熊川哲也
●演出・再振付 熊川哲也
●原振付 マリウス・プティパ
●音楽 レオン・ミンクス
●舞台美術・衣裳 ディック・バード
●照明 足立恒
●指揮 井田勝大
●演奏 シアター オーケストラ トーキョー
第1幕 70分 ~ 《休憩25分》 ~ 第2幕 50分