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「陰日向に咲く」 劇団ひとり・著
ホームレスの男と、ホームレスにあこがれる中年サラリーマン
売れないアキバ系のアイドルと、彼女に恋する男
夢はないのに、勢いで夢はカメラマンと言ってしまった女の子と、
幼なじみの男の子
ギャンブル狂の借金男と、彼がオレオレ詐欺で騙そうとした老婆
ストリップ劇場で、漫才をする男女
5つの短編に登場する人々は、緩やかなつながりを持っている。
1番目の短編の脇役が、3番目の短編の主役になったりする。
「陰日向に咲く」の最大の魅力は、読み進めていくと登場人物たちの繋がりが見えてくることだろう。
短編1つひとつの面白さでいえば、私の好みは、ホームレスにあこがれるサラリーマンを描いた「道草」。
タイトルの「陰日向に咲く」という言葉は、最後の短編「鳴き砂を歩く犬」に出てくる。
タイトルは、この本全体をカバーしているものだし、綺麗な言葉だと思うので、正直なところ、もう少しインパクトのある場面で出てきてほしかった。