ゆるっと読書

気ままな読書感想文

【ゆっくり、いそげ】明確な目標を立てないと、ダメですか?

2017-08-31 01:16:25 | Weblog


「自分が本当にやりたいことが、はっきりしないんです」
「好きなことはあるんですけど、それでお金が稼げるわけではないので、起業をしたいけど決断できないんです」
コーチングのクライアントさんから、よく聞く言葉です。

人生において何らかの目標を見つけないといけない。
でも、「これだ!」っていうものを見つけられない。
「なんとなく、これがいい」と思えるものはあるけれど、
「これだ!」と決めきれず、決断できないので悩むのだと思います。

私自身、何か決断をするまでは、ああでもない、こうでもないと考える時間が長いタイプ。
「やりたいこと」を問われても、明確に答えられない時が多く、クライアントさんの気持ち、よく分かります。

先日、西国分寺にあるクルミドコーヒーの影山知明さんのお話を聞く機会がありました。
改めて影山さんの著書「ゆっくり、いそげ」を開くと、「目標」に触れている記載がありました。

影山さんは、「時間を味方にして生きるには?」というコラムの中で、次のように書かれています。

いまという時代は、「時代と闘って」しまっている。
「時間を見方にして」生きるのはどうしたらいいか。
一つには、人間関係をギブから始めること(支援する関係)は、それに寄与するだろう。
こちらからギブし、そのことを相手が覚えており、感謝までしてくれていたなら、それはいつか思いがけないお返しになって還ってくる。そうしたことが未来に起こり得ると想像できることは、時間の経過を「楽しみ」なものとしてくれる。
(中略)
もう一つは、目的や目標を絶対視しすぎないことだ。
「いつまでにこれをやる」「こういう自分になる」が強く意識されると、「今」という時が常にマイナス状態となってしまう。常に自分が「目的地に辿りついていない自分」「目標を達成していない自分」と認識されてしまうのだ。

引用ここまで。

次の行動をしやすくなり、モチベーションが高まるなら、目標を立てることは有意義。
でも、目標を立てることで、そこに到達していない自分をダメだと思ったり、
現状をマイナスと捉えて次の行動へのハードルが高く感じられてしまうなら、
あまり有意義とはいえません。

目標は大切だけど、目標を持っていないことがダメではないということ。

「これを、実現したい」という目標はないけれど、誰かが頑張るのをサポートするのが好きで、それをしていると充実感があるという人もいるでしょう。

「自分が本当にやりたいことが、はっきりしないんです」と悩んだときは

そもそも、はっきりさせなくちゃいけないのか?

目標はあいまいでも、好きなことの中でやりたいこと、できることあるんじゃないのか?と自問してみたいです。

「好きなことはあるんですけど、それで十分なお金が稼げるわけではないので、
起業の決断ができないんです」

そんな時、そもそもお金はどの程度、必要でしょうか?

好きなことは、趣味で続けて、
生活のためのお金は、好きなこととは別の方法で稼ぐ方法だってあるんじゃないか?

明確な目標を持つほうがよいとは限らないし、

目標を持たなくたってよいのかもしれません。


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【デザインの仕事 寄藤文平】自己満足に浸っていいですか?

2017-08-22 06:24:34 | Weblog



自分が手掛けた仕事、
自分がつくったもの、
自分が取り組んだこと
それらについて、満足する。

他人の評価など気にせず、
自分で自分を誉めあげる。

自己満足は、とても大切だと思います。

でも、
「ずっとそれでいいのか?」というと、
そうでもない気がしてきます。

自己満足とは、
自分が持っている評価のものさしで測って「満たされた」という状態なので、
どんなものさしを持っているかによって、満足度は異なります。

世間しらずだったりしたら、
ささやかな仕事を「大きな仕事ができた!」と勘違い
してしまうかもしれません。

「良くできた!」「成し遂げた!」と思っていたことを、
冷静になって振り返ると、
「あれは、独りよがりの満足だった」
と思うものもあるかもしれないです。

自分一人で完結するものなら、自己満足だけでよいですが、
仕事とか、コミュニケーションとか、他人と関わりを持つものは、
それだけではダメですね。

自分以外の他人の満足も見据えた形で取り組まないと
うまくはいかないと思います。


木村俊介さんが、寄藤文平さんに聞き書きしてまとめた著書「デザインの仕事」は、デザインに関わる仕事だけではなく、「仕事とは何か?」とか「物にはどんな見方があるのか?」「人に伝わる・伝えるためには、どうしたらいいのか?」とか、さまざまなテーマを考えさせられる本です。

寄藤さんは父親の影響を強く受けており、
本書では、「絵(デッサン)」に関して、
父親と口論になった経験から気が付いたことを紹介しています。


美術大学や芸術大の学生は特に、若いこともあり、
自分の作品は思い入れがあるため、
作品に感情移入してしまいがち。
「この作品こそ、俺だ」とでも言ってしまいそうなくらい
感情を入れてしまうことがある。

しかし、
寄藤さんは、父との口論の経験から、「・・・いや、待てよ」と考える癖が
身に着けていた。作品と自分との間の距離感をとることができていた。

社会にでてから振り返ると、もし、作品と自分の間の距離をとれていなかったら、
「それは危険なことだった」と寄藤さんは言います。

つまり、自分の仕事(作品、活動など)について、感情移入しすぎない。
そして、少し冷静な視点で客観的に眺める視点を持つことが大切。

自分の仕事を、主観と客観を行ったり来たりしながら眺めてみようと思いました。

デザインの仕事



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【世界一訪れたい日本のつくりかた】気がつかなかったことに、気がつかせてくれる

2017-08-01 08:51:27 | Weblog


デービッド・アトキンソン著の新刊
「世界一訪れたい日本のつくりかた」は、
日本の観光産業の戦略について提案した書籍です。

外国人観光客に訪れてもらい、宿泊や飲食、レジャーなどにお金を落としてもらう。
観光産業は今、大きな産業で無視できない金額になっている。
日本は、世界の国々の中でも、観光で勝負できる潜在能力を持っている。
だからこそ、現状を分析し、今後の戦略を練って、実践すべきだ。
というのが著者の主張の前提にあります。

本書は、「実践編」という副題のとおり、
誰に(世界の国々のなかでも、特にどの国の人に日本に観光に来てもらうのか)
何を(観光といっても内容は様々。文化なのか、自然なのか)
どのように伝えるか(情報発信というけれど、その内容や方法など)
を具体的に提案しています。

国別の観光客の人数や、観光に使っている金額などの分析は、興味深く、
日本の現状を考えると、改善の余地がたくさんあるように思えてきました。

本書を読んで、私が改めて感じたのは、
異なる立場や背景、経験を持った人の視点から、学ぶものは多いということ。

日本で生まれ育っていない人のほうが、
日本の良いところ、悪いところに良く気が付いていたりしますし、
個人レベルでも、海外旅行をして帰国した時には、
日本の良さ悪さを改めて感じたりします。

反対の意見や提案を出された時、
「素人のくせに、偉そうに言うな」みたいなことを口にして、
意見を封じる人がいますけれど、もったいないですね。


「知らない」「経験がない」という人の視点や意見には、
しっかり耳を傾けられるようにありたいです。
自分の見えていないことに気が付かせてくれる気がするからです。

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