![]() |
一本の茎の上に |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
茨木のり子さんのエッセイ「一本の茎の上に」(筑摩書房)のなかに、とても素敵な詩が紹介されていました。
茨木さんは「いっぺんで好きになってしまった」と書いていますが、
私も、とても素敵な詩だと思います。
吉野弘さん「祝婚歌」という詩です。
結婚する二人に贈られたものですが、特に下記に引用している後半の箇所は、長年つれそわれたご夫婦、彼氏・彼女の間でも
心に響きそうです。
正しいことを言うときには
少し控えめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目をつかわず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
この詩
離婚調停中のご夫婦に、弁護士さんがこの詩を見せて、「ほんまに、別れていいんやね?」って、意思を確認するために使われることもあるそうです(;一_一)。
結局、男女の関係は、お互いに、「出会えてよかった」って、思いあえるかどうか。なのかもしれないですね。