![]() | リハビリの夜 (シリーズケアをひらく)熊谷 晋一郎医学書院このアイテムの詳細を見る |
障害をもつ人が、自身の障害について、どんなふうに考えているのか。
障害があることで思い通りに動いてくれない身体について、どのような感情を持つのか。
身体を介助する人(介助者)との関係を、どのように捉えているのか。
「リハビリの夜」は、こうしたことを書いている。
とても珍しい本だと思う。
著書の熊谷晋一郎さんは、脳性まひで、小児科の医師だ。
興味をもったのは、身体とモノとの関係。
障害を挟んで対峙する人と人の関係(障害者とトレーナーや介助者)。
関係性のなかから、湧き上がる感情があるのだと思う。
身体を動かすということに大きな困難のない私は、熊谷さんが書いている感覚について、「その感覚は、よく分かる」というような共感を持つことはできない。
他者の視点から、熊谷さんの身体の感覚を想像したり、類推したりするだけだ。
想像や推測だけで、脳性まひのある身体の感覚が理解できるわけではない。
しかし、この本を読んだことで、これまでより、想像や思考の幅を広げることができた気がする。 新しい視点をもらえた本だった。

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