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気ままな読書感想文

【文芸ピープル】日本人女性作家の作品が英語圏で相次ぎ出版「なぜ」?

2021-04-26 21:21:23 | Weblog



「文芸ピープル」(著者・辛島ディヴィッド)は、最近、日本の作家、特に女性作家の作品が英語圏で相次いで翻訳され、出版されている状況について、

アメリカやイギリスの翻訳者や編集者に話を聞いて、まとめたものだ。

「村上春樹は、海外でも人気」ということは知っていたが、それ以外の作家の作品の動向はあまり気にしていなかったので、興味が沸いた。

若手の翻訳家が出てきたこと、

新しい作品、作風が求められており、韓国や日本の女性作家の作品も注目されていること

大手の出版社ではなく、独立系の出版社から出されていること

などなど、イギリス、アメリカの出版業界の状況を断片的に知ることができて、面白かった。

当然だが、原作をそのまま、日本語⇒英語にすれば済むというものではない。

登場人物の名前が、英語では読みにくい・覚えにくい場合、別の名前に変えたり、

「姑」を、どう表記するか、検討したりしている。

作品のタイトルをどう訳すか、表紙をどうするかは、

書店で手に取ってもらえるか、目をとめてもらえるかに関わることで、当然、重視されている。

村上沙耶香さんの作品「コンビニ人間」

英語翻訳版のタイトルは、「Convenience Store Woman」

本書によると、出版社は、あえて「Human」ではなく、「Woman」を採用したという。

表紙の雰囲気も、日本の書籍とはかなり違う点が面白い。

小山田浩子の「穴」、タイトルはそのまま「Hole」だけど、表紙の雰囲気はやはり異なる。

新型コロナウイルス感染症が終息して、海外に旅行できるようになったら、

英語圏の書店の棚を覗いてみたい。

文芸ピープル 「好き」を仕事にする人々
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<責任>の生成 中動態と当事者研究

2021-04-15 19:52:05 | Weblog



 


「責任」という言葉は、重い。



自分の発した言葉、自分がとった行動が、
特に誰かを傷つけたり、何かを損なったりする結果につながった時、「あなたの責任だ」と言われる。「責任をとってください」と言われる。
謝罪の言葉を述べたり、金銭を渡すことが発生するかもしれない。

でも、そもそも「責任」って何なのか?


なぜ、自分の発した言葉、自分のとった行動に「責任」が求められるのか?

この本は、「責任」の基盤となっている「意思」について解説する。


「自己責任」と言われる時、なぜ、「責任」と「自己」が結びつけられるのかを示してくれる。


「自己責任」を言われていることも、よくよく考えてみると、


そこに「責任」はないのかもしれない。


結果について、その原因を「自己」に結びつけることが適切でないこともありそうだ。

哲学の話だが、著者の対談でまとめられているため、比較的読みやすい。


能動態、受動態、中動態の話、当事者研究に関心がある人には特にお勧めの1冊。




<責任>の生成ー中動態と当事者研究
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