ゆるっと読書

気ままな読書感想文

【君たちはどう生きるか】他人の眼を気にせず、心から湧き上がる感情に従え

2013-06-29 09:57:01 | Weblog
君たちはどう生きるか (岩波文庫)
クリエーター情報なし
岩波書店


他人の眼を気にすること、
私自身は、あんまりないように思いますが、
まったく気にしていないわけではなく、
取り繕うところもあります。

でも、心の底から湧きあがってくる気持ち、大切にしたいですね。

下記は、吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」の一節です。

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「立派な人間になりたい」と思うなら、
心の底から感じたことや、
しみじみと心を動かされたことを、
くれぐれも大切にしなくてはいけない。

肝心なことは、世間の眼よりも何よりも、
君自身がまず人間の立派さがどこにあるか、
それを本当に君の魂で知ることだ。

そうして心底から、立派な人間になりたいという気持ちを起こすことだ。

いいことをいいことだとし、
悪いことを悪いことだとし、
一つ一つを判断をしてゆくときにも、
また、君がいいと判断したことをやっていくときにも、
いつでも、君の胸から、わき出てくるいきいきとした感情に
貫かれていなくてはいけない。

世間には、他人の眼に立派に見えるようにと振る舞っている人が、ずいぶんある。

そういう人は、自分が、ひとの眼にどう映るかということを一番気にするようになって、
本当の自分、ありのままの自分がどんなものかということを、つい、お留守にしてしまうものだ。

僕は、君に、そんな人になってもらいたくないと思う。

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【だれのための仕事】Busy と Business

2013-06-22 21:27:20 | Weblog
だれのための仕事――労働vs余暇を超えて (講談社学術文庫)
クリエーター情報なし
講談社



「忙しい」という漢字は、
「心」を「亡くす」と書くんです。

と、教えていただきました。

心身がすり減るような忙しさは、避けたほうがいいはずです。
でも、日本人の傾向なのか、「忙しい、忙しい」といいながら、
その忙しさから離れられない傾向があるのかもしれません。

鷲田清一さんのエッセイ「誰のための仕事」の中に、
次のような記載がありました。(一部改変)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
予定がいっぱいでふさがっていること、
つまり、多忙(busyness)が、
仕事や商売、事業という意味でのビジネス(business)のひとつの本質である。

スケジュール表の埋められていない箇所を一つひとつ埋めていくことで、
わたしたちの心は落ち着いていく。

忙しくなることがわかっていても、ぎりぎりまで隙間を埋めていくのである。
そうすることで安心するのである。

スケジュールが埋まっていることを、
多くのひとは、他人に認知され、他人に必要とされていることと勘違いしている。

いくら空白を埋めても、不安は消えない。
いつ、仕事が途切れ、空白ができるかわからないからである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

少し整理してみると、

日本人は、「忙しい」ことで、不安を埋めている。
不安の裏には、「他人に認知されたい」「必要とされたい」という思いがある。

しかし、「忙しい」ことと、「他人に認知される」「他人に必要とされる」こととは
つながっているわけではないので、結局、不安は消えない。

ということでしょうか。

本当に「これがしたい」「これを成し遂げたい」という思いに基づいて
行動しているときは、
忙しくても、「心」を「亡くす」ことはないと思います。

忙しくて、ちょっと疲れてしまったときは、
「なぜ、忙しいのか?」を、もう一度、確認して、
「心」を取り戻す作業をしてみるとよいのかもしれません。

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【問い】わたしたちは、いま、いったいどのあたり?

2013-06-19 21:23:34 | Weblog

ものすべて始まりがあれば終わりがある

わたしたちは、いま、いったいどのあたり?

 

この問い、私は、どんなふうに答えようかしら。

「素敵な女性になるための修行中」?

「夢をかなえるための道の途中」?

かな。

 

雨が続くと、少し気持ちも湿りがち。

気分転換に読むのは、茨木のり子さんの詩です。

その時々で、いろいろ考えさせられます。

 

今日の詩は、「問い」

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人類は

もうどうしようもない老いぼれでしょうか

 

それとも

まだとびきりの若さでしょうか

 

誰にも 答えられそうにない 問い

 

ものすべて始まりがあれば終わりがある

 

わたしたちは

いま いったいどのあたり?

 

颯々の

初夏の風よ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

梅雨がすぎたら、すぐに初夏がやってきます。

 

太陽の光のエネルギーを感じる季節。

 

人間って、小さいなぁと感じたりすると、

心の中に、ふと、「問い」が浮かんでくるのかもしれません。

おんなのことば (童話屋の詩文庫)
クリエーター情報なし
童話屋
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