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悩む力 (集英社新書 444C) |
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集英社 |
FACEBOOKでは、「いいね!」というボタンがあり、自分が書いたコメントやノートに「いいね!」をもらえると、嬉しい気持ちになります。
気になっている人に「考えや気持ちが伝わったかな」と感じたり。
普段はあまりお会いできない人や
まだ実際にお会いしてない人とも、
「いいね」を交換することで、「素敵だね」とか、「頑張っているね」と思いあえる気がします。
私は、実際に会って、お話しするのが好きなので、そういう時間の中で育む人間関係が一番とは思いますが、関係づくりにプラスの効果を与える手段の一つが、「いいね!」だと感じています。
姜尚中(カン・サンジュン)著の「悩む力」のなかで、何度もでてくるキーワードとして、「承認」という言葉があります。
たとえば、「生きる力」について書かれたところで、
「人は一人では生きられない」とよくいいます。それは経済的、物理的に支えあわなければならないという意味だけでなく、哲学的な意味でも、やはりそうなのです。
自我を保持していくためには、やはり他者とのつながりが必要なのです。相互承認の中でしか、人は生きられません。
(本書第八章『なぜ、死んではいけないか』より)
と出てきます。
また、「何のために働くのか」について書かれたところでは、
社会というのは、基本的に見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他者から何らかの形で仲間として承認される必要があります。そのための手段が、働くということなのです。働くことによって初めて「そこにいていい」という承認が与えられる。
(中略)
「人はなぜ働かなければならないか」という問いの答えは、「他者からのアテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」そして、「他者へのアテンション」だと言いたいと思います。
と出てきます。
つまり、自我(自分とは何者か)を成立させるには、他者から存在を承認してもらうことが必要。
さらに、社会の中で生きるためには、見知らぬ人として出会った人たちから、自分の存在を承認されることが必要で、そのための手段が働くことだと指摘されています。
FACEBOOKの「いいね!」は、「相互承認」の表現の一つ。
「いいね!」を押すことは、相手に対して、「ささやかなまなざし」を向けることにはなりそうです。
「いいね!」で嬉しくなる気持ちの源泉は、人として生きていくために必要なことと、つながっているのかもしれませんね。
FACEBOOKって、結構、深いかもしれないですね(*^_^*)