![]() | おとなの進路教室。山田 ズーニー河出書房新社このアイテムの詳細を見る |
【おとなの進路教室】自分はどこに立ち、どこへ向かうのか?
私の場合、エッセイやコラムは、新聞や雑誌の立ち読みで済ませてしまうので、書籍でまとめられたものを読むことが少ない。「この著者、いいな」と感じて、同じ著者の書籍を2冊、3冊と追いかけて、連続して読むことも少ない。
山田ズーニー著の『あなたの話はなぜ「通じない」のか』を古本屋の棚で目にした時にも、最初は購入するつもりはなかった。ただ、「文章の書き方」をテーマにしたいくつかの書籍の中に、参考文献として「伝わる・揺さぶる!文章を書く」(PHP新書)が紹介されており、「山田ズーニー」というインパクトある名前は記憶に残っていた。
『あなたの話はなぜ「通じない」のか』は、「ありがちな自己啓発本」と思いながらも、「どんな著者だろう?」と手に取った。しかし、パラパラと目を通していくうちに「なんか面白そうかも」と思い始め、購入して読み終えて、「面白かった!」になったのだった。
私にとって山田ズー二ーの著書2冊目となった「おとなの進路教室」(河出書房新社)は、『あなたの話はなぜ「通じない」のか』よりもさらに共感を感じる内容だった。
「おとなの進路教室」のなかで取り上げられているテーマは、「仕事と勉強」「就職・転職」「生き方」などだ。
個人的にはこうしたテーマで悩む季節を少し通りすぎた感じもあるが、自分自身の「悩みの季節」を振り返り、現在の立ち位置や、今後の方向性を再確認することができた気がする。
山田ズーニーに対して「この著者、いいな」と思ったのは、著者自身が悩んだり、失敗した経験をさらけ出しながら、「仕事をすること」「仕事と勉強の違い」「生き方」などのテーマについて、考え方や見方を提示しているからだ。「こうしたら成功できる」「この方法が戦略的だ」という答えではなく、著者自身が悩んだ結果、「こんな考え方や見方があると気づいた」と投げかける。
著者自身が答えを見つけようともがいている姿が見えることが、なんとも魅力的。
新年早々、山田ズーニーとの出会いは、私にとって「今年の出来事」に入るくらい印象的なものだった。