本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「体制維新-大阪都」橋下徹、堺屋太一著

2011-12-05 03:02:22 | 本・雑誌、読書
いまどきのものに飛びつくねえ~と言われたくないのですが、読んでみました。
橋下大阪市長の大阪都構想は、これから時間が評価をしますし、都構想を知らない者が言えることはありませんが、

この本については、自治体を知っている自分はすごく共感しました。

政令市を持つ道府県は、政令市と道府県が同じようなことをやっていて、行政で働くものでも何故それを政令市がやるのか、道府県がやる

のかわからなくて、二重行政じゃないと感じることが正直頻繁にあります。

ですから、「強い広域自治体」と「やさしい基礎自治体」、世界の都市間競争に打ち勝つための自治体ときめ細かい住民サービスをおこなう自治体という整理はとてもすっきりします。
東京都を例に説明されていますが、都庁が広域行政を担い空港や道路、産業政策等の司令塔となり、
二十三区の特別区が基礎自治体として地域の事情にあった住民サービスを行う。

少子高齢化が進めば、税収は落ち込み福祉的が予算は増えていき、自治体の予算は厳しくなっていくでしょうから、無駄はなるべく省いていく。ここ九州でも九州ぐらいの規模の広域自治体が九州の進むべき道を決め、各基礎自治体が住民サービスをきめ細やかにやるというのがいいんじゃないかと思います。

それから、大阪府知事や大阪市長(いわゆる首長)と自治体の職員、「行政マン」という書き方をしていますが、その役割の違い。
首長は統治機構や体制の問題点など大きな話をする。行政マンは首長の方針に従って詳細に制度設計をする。
首長は選挙で選ばれた人ですから、その地域の将来進むべき方向性を責任を持って決めていく。その方向が間違っていれば、次の選挙で住民に評価される。職業として公務員をやっているものは、専門性を活かして首長の求める制度・政策の細かい作り込みをする。
それが本来首長、あるいは国でも首相や大臣が決めるべきことを行政マンが決めていて、逆に行政マンが作った方がいい、細かな制度設計や施策の細部について首相・大臣・首長が行政マンを使い切れずに、方向性は間違っていないのに細部の作り込みができずに失敗してしまう。すごく残念なことだと思います。

そのほか、いろいろそうだなというところがありますが、省略して・・

平松前大阪市長の批判が多くて少し気になりましたが、これから変わっていくかもしれない大阪について、マスコミ報道だけでなく当事者である知事(いまは市長ですが)が書いたものをもう少し読んでみたいと思っています。
自民党、民主党ともに地方分権を謳いつつ、結局巨大な権力を離せないんだなと地方が諦めるくらいまったく動いていない地方分権について、大阪が動くことで日本の他地域でも再び地方分権の方向へ進むんじゃないかととても期待しています。もはや他力本願しかない!!
地域分権が進むと地域間で競争が生まれます。
停滞感が漂ういまの日本、地域どうしが切磋琢磨することでしか、元気は取り戻せないんじゃないかなって思っていますので、大阪のこれからがすごく気になります。

コメント
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