本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「若者のための政治マニュアル」山口二郎著

2010-08-11 22:13:03 | 本・雑誌、読書
権利だけを主張する人のうさんくささ、最初はこの本からそんなものを感じました。

特に、ルール2の「自分が一番-もっとわがままになろう」のところで、自分の利益を求めて政治に参加しようと呼びかけているのを読んで、

それは、カッコつけて公共の利益のためなんて思わないで、まずは自分の利益のためと考えて、政治に参加してみようよって意味だと思うのですが、

「自分が一番」なんて呼びかけて、真意をつかんでくれる人どれくらいいるのか?

そうか・・他人はどうでもいい、自分が一番って思ってればいいのか・・なんて思う人が多いんじゃない?それでもいいの?って
いやな感じになりました。

最後まで読めばまともな感覚のまともな本だなあと気付きますし、政治にどちらかと言えば無関心な層に政治について考えさせる本だと思います。

やはり政治は人々を幸せにするために存在しているから、「政治を考える」ってことは幸せって何かを考えることでもあり、日頃会社や社会のことを経済活動を中心に見ている人はその世界からちょっと視点を移す機会を提供してくれる本だと思います。
・・そこから新しい発想が生まれそう・・

改革について論じたところで「単純な特効薬を投与することで一気に世の中を変えることはできない・・」という記述が印象に残りました。
我々は、問題ばかりのいまの世の中をガラッと変えるリーダーを求めているのではないか? それはないものねだりなのではないか。

たくさんの市井の人たちが危機を感じて自分のできることをしています。でも世の中を大きく変えることはできない。
それなのにたった一人のリーダーが世の中を変えるなんて・・あり得ない。

日本を一つの方向に引っ張んてくれるリーダーは必要ですが、リーダーだけではたぶん何も変わりません。
1人の力は小さいけれど、何かをしようと思っている人がそれぞれ自分にできることを最大限やっていく。

みんなが頑張ろうと思った時に、ちょうどリーダーも現れた。ちょっとしたタイミングで社会が良い方向に・・「少しだけ」動くか「大きく」動くかが変わってくるのかなあと思います。

若者向けのせいなんでしょうがちょっと上から目線なところがありますし、自分には・・役に立ちそうだけど共感度低い本ですが、
読んでみる価値はあると思ってます。

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