(74)武芳稲荷 (豊島区雑司ケ谷3)
鬼子母神の境内の、名物のみみずくを売る売店の隣に、稲荷の鳥居が列を為しているのが見えた。この稲荷、古くからこの地にあったらしい。それにしても武芳という稲荷の名が気になるのは、今が武ばった時代に入りかけているからだろうか。鳥居の行列を抜け、突当たりの稲荷を拝んで、ひとまず安心。賽銭の方は鬼子母神の方へまとめて払い込み。
(75)威光稲荷 (豊島区南池袋3)
法明寺の裏手の曲がりくねった参道を入ると、隠れるように稲荷が祭られていた。伝承では、稲荷神の威光を見た円仁が堂宇を建てた事に始まるという。その真偽は別にして威光を放つ稲荷が最初にあって、狐の威を借りた寺、つまり稲荷山威光寺が建てられ、現在の法明寺に受け継がれたということなのだろう。お上の威光も無きに等しく、稲荷の威光もとうに無いので、形ばかり参拝して済ます。ついでに稲荷社の奥にある塚らしきものを見に行こうとしたら、背後から制止された。塚の主を怒らせてはならぬというのである。