外出自粛が叫ばれる中、東京は、今日は恵みの雨&雪&寒さと言えるでしょう。
お天道様も私たちに味方をしてくれているように思える。
が、益々感染者が増え続け、全く見通しのつかない眼に見えない敵との闘い!
こういう時は読書が一番心が落ち着く。
そこで直近で読んだ2冊の本をここにご紹介いたします。
「翔ぶ少女」原田マハ著
原田マハさんは私の好きな作家のひとりで、今までに数冊読了している。
初めて手にしたのが「楽園のカンバス」!それから彼女のファンになってしまった。
カテゴリーが広く、どれひとつとして外れはありません。
ところが何故か今回読んだ「翔ぶ少女」はピンとこなかった。なぜかしら?
阪神大震災の衝撃的な描写から始まるこの小説は、両親を失った兄弟3人が、
見ず知らずの「おっちゃん」に助けられ、逞しく健気に生きていく物語。
3人とおっちゃんの生活に、被災地のその後がどんなに大変であったかをリアルに感じた。
が、題名の「翔ぶ少女」、この意味するものは何だったのでしょう?
この言葉にかなりの期待をもって読み進んでいっただけに、あれ?って感じ。
主人公ニケに羽が生えるという非現実的なことが、何かの比喩かと最後まで考えたが、
最後までとうとうすっきりしないものが残った。これは一種のファンタジー?
ある意味子供たちに是非読んでほしい本だと思った。平易な文章でとても読みやすい。
「紙の月」角田光代著
角田光代さんは世間のどこにでもいる平凡な主婦の内面を上手く表現される。
「対岸の彼女」を読んだときもそう思った。
私もどこにでもいる平凡な主婦、共感できる部分も。
真面目に誠実に生きてきて、途中で何かが狂いだす。そしてそれは止まらない。
次から次へと悪を重ね、それも若い男のために貢ぐ主人公梨花。
顧客のお金に手を付け、坂道を転がるように転落していく彼女だけれど、
何故か憎めなかったのはどうしてだろう。なんとか助けてあげたいとさえ思った。
梨花の夫をはじめ、登場する夫たちは決して悪い男たちではない、むしろ誠実な男性たち。
が、妻として何か満たされないものはあるように思えてならなかった。
それが彼女たちの不幸につながると言ってしまうと、女の身勝手と言われそうだけど・・・。
あまりにも心の痛む辛い物語だった。
過去に似たような事件が現実にも起こったことをよく覚えている。