文部科学省の地域子ども教室としての「たごっこパーク」の
総括をする実行委員会の中で、その取り組みがいろいろなメディア(新聞、テレビ、ラジオ)にも評価されたということを報告しました。
が、そのことについて、後日、地元の有力者から「あんたっちはすぐ新聞だとか使って、自分たちの活動が正しいだ、って、こうやるけど…」と、言われてしまいました。
メディアの記者さんたちは、それこそ大きな責任を持って記事なり、番組なりを作っています。多くの人が読んだり、見たり、聴いたりするわけですから、当然のことです。
「たごっこパーク」についての記事や番組も、記者さんたちが実際、自分の目で耳で確かめた事実と自分の価値観や判断基準、感性とを絡めて作っているはずです。
ですから、実行委員会の席で、そういう責任ある立場の人たちが実際にたごっこパークの取り組みと子どもたちの表情を見て、声を聴いて、こんな風に評価してくれていますよ、ということをお伝えしたかったのですが……。
さてさて、そんな中、今日の地元紙・富士ニュースに思わず目頭が熱くなる記者コラムが掲載されました。
「つないだ手 協働の意味」
子どもたちが制約にとらわれずに自由な発想で遊ぶことができるプレーパーク「冒険遊び場・たごっこパーク」が活動休止となった。
本年度は国の子どもの居場所づくり事業として運営されてきたが、市の居場所づくり実行委は、来年度は別の活動にシフトすることを決めた。
パークの運営は、NPO法人が担ってきた。国の居場所づくり事業から外れた現在、パークの運営場所を確保できず、休止を余儀なくされた格好だ。
実行委ではパークの活動に「すばらしい」との評価を与えている。それならば、この活動は今後も継続されておかしくない。
これが別の活動に移行するのには訳がある。地域から寄せられた苦情と財政的な課題だ。実行委では「活動のシフトは止むを得ない」としたところもある。
ただ、今回の子どもの居場所づくり事業は、行政とNPOとの協働という側面があった。
事業がすばらしいのであれば、行政も課題解決に一緒になって取り組んでいくのが筋であろう。それができないから活動をシフトするのであろうか。
NPOに代表される市民活動は、行政の届かない場所に柔軟に対応できるところにメリットがある。そして、今後はこうした協働が増えていくだろう。
そうした中で、うまくいかなければ、つないだ手を離して終わりではNPOとの信頼関係は築けない。
真の子どもの居場所は、そう簡単に作ることができない。だからこそ協働を選んだのではなかったか。