土日開催の二日目夕方、子どもたちが帰路に着き始めていました。
片付けをしていた僕の耳に、感動的な会話が入ってきました。
小学1年生の男の子が帰り際、お母さんに報告をしたのです。
感動したのは1年生の男の子が木登りをできるようになったことではなく、キョウヘイくんに教えてもらったと言ったこと。
運動神経がそれほど良いほうではなく、去年はこの木に上手に登れませんでした。
そのことで、木登り仲間に入れてもらえない姿をよく見ました。
少し大きくなって、体力も付いてきたキョウヘイは木登りができるようになりました。
「たっちゃーん、ボク、どこにいるか、わかるーー?」
振り返ると、木のてっぺんの方にキョウヘイがいました。
そんなキョウヘイが去年までの自分のように木登りができない年下の男の子にコツを伝授したようです。
劣等感を抱えていたであろう自分が登れるようになって、今度は優越感に浸りながら、登れない子も見下すのではなく、登るコツを伝授したのです。
やっと登れるようになって手にした景色を、誰かと共有しようとしたこと。
喜びを分かち合うことの大切さを児童精神科医・佐々木正美先生から何度も教えられました。
人が他者の痛みや苦しみ、悲しみに寄り添うようになるためには、他者と喜びや楽しみを十分に分かち合うことが必要なのだそうです。
学校の道徳などで教えられるものではないとも佐々木先生は言っていました。
他者と喜びや楽しみを分かち合おうとするキョウヘイのこれからの育ちを見守るのが楽しみです。
幼児4人 小学生14人 中学生1人 高校生1人 青年10人
子ども30人 大人15人 計45人