かつて、アメリカ・メジャーリーグから日本のプロ野球にやってきた選手が「地球のウラ側にもうひとつの違う野球があった」と評した話がありました。
僕は子どもの頃、「市営グランドにもうひとつの違う野球があった」と感じました。
野球が大好きで、何人かの仲間が集まると、「ろくむし」とか「三角ベース」とか呼ぶ草野球に興じていました。
本当にいつも楽しかったのです。
得意でもあったので、6年生になったときリトルリーグ(少年野球)に入団しましたが、一日で辞めました(笑)。
高いレベルで野球がやれるから、さぞ、楽しいだろうと思って、市営グランドに行くと、準備運動、ランニング、ダッシュ、キャッチボール、素振り……いつまでも「野球」が始まりません。
しかも、常に大人(監督・コーチ)主導。
あの木が一塁ね、この板が三塁ね、あの鉄棒を越えたらホームランね、Aくんの弟はアウトカウントに数えないことにしよう、あっちのボサボサ(植栽)にボールが入っちゃったらストップね……などなど自分たちで毎日、そのときその場その顔ぶれを考えて、ルールを決めて野球をして、プレーの一つひとつにみんなの笑顔が弾けた「野球」とは、まったく違うもうひとつの「野球」が少年野球チームには、あったのです。
草野球に興じる子どもたちを見ると、いつもそんなことを思い出します。
そして、遊びとしての野球を楽しんでほしいなと思います。
幼児9人 小学生9人 中学生2人 青年6人 子ども26人 大人11人 合計37人