最近はスポーツも、原っぱや空き地で自由に仲間が集まって、
野球やサッカーをしたりというようなことではなく、
どちらかというとクラブに入ってするようになりましたね。
今日のクラブはほとんどコーチや監督に、知識や技術を習う場になっていると思います。
大人に指導されたスポーツと、子どもたちが仲間と共感しあって楽しみ、
自分たちでつくりあげる本来の遊びとは違うものなのです。
子どもたちが社会的な人格を形成するために絶対的に必要なのは、
友達から多くのものを学ぶこと、そして友達にものを伝えたり与えたりすることです。
これらは、子ども同士の遊びのなかで、いちばん達成されることではないでしょうか。
私たち児童精神科医が会うのは、圧倒的に社会性が獲得されていない子どもたちですね。
たとえば、家庭内暴力、拒食・過食症、薬物乱用、
自傷行動など社会的な不適応あるいは行動障害と呼ばれるような子どもたちです。
共通するのは、人とコミュニケーションするために必要な感性や情緒が育っていないということです。
それは、仲間と一緒に楽しく遊んだという体験が不足しているからなのです。
その体験を十分に満たしておかないと、その後、何歳になっていても、
やり残したことを取り戻さなければならなくなりますね。
リヤカーで遊ぶ子どもたちを見ながら、佐々木先生の教えをしみじみ思い出します。
私たちはもっと、こういう知見に謙虚に真摯に学び、
子どもたちが育つ環境を作っていく必要があると本当に思います。
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幼児7人 小学生8人 大学生1人 青年5人
子ども21人 大人10人 合計31人