「交錯恋愛27」の続きです(*´ω`)
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「あちゃ~っ、もうこんな時間か」
あたしは腕時計を見てため息をついた。
今日はゼルが家に来ると言っていたのに。
月に一度のサークル活動は思いの外時間が掛かってしまった。
ちなみにあたしは読書サークルである。
...なによ、似合わないとでも?
とりあえず足早に帰路を歩く。
ああ、ゼル怒るかなー。
どん。
「きゃっ」
「あ、ごめんなさい」
考え事しながら歩くもんじゃない。見知らぬ女の人とぶつかってしまった。
「いえ、こちらこそごめんなさい」
にこり、と微笑んだ女性は、長い黒髪の綺麗なお姉さん、である。
しかし何故か不自然な大荷物。
「あ、あの」
彼女はちょっと躊躇いつつあたしに声をかけてきた。
「はい?」
「ここら辺にあるハズなんですけど、『海月荘』ってアパートどこにあるかご存知ですか?」
...まさか。
「...あたしの住んでるアパートですけど」
あたしの言葉に、彼女の目はぱっと輝いた。
「本当に?私も今日からそこに住むんです!今から帰るところなら、付いていって良いかしら」
「やっぱり...」
そんな気がしたのよね...。
小さく呟いたあたしに、彼女はきょとん、という顔をした。
「あ、いえ、なんでもないの。じゃあ一緒に行きましょーか」
「ありがとうございます!」
そうして二人で並んで歩き出した。
「あ、私シルフィールと申します。あなたは?」
「リナよ。よろしくねシルフィールさん」
「あ、呼び捨てで構いませんわ。よろしくお願いしますね、リナさん」
彼女はちょっぴり矛盾した事を言いつつ笑った。
「...荷物重そうだけど、大丈夫?」
「大丈夫ですわ」
笑顔の彼女だが、額からは汗が流れている。
「...そーいえば、シルフィールは学生さん?」
「ええ、サイラーグ女学院の3年生です」
「ああ、あのお嬢様大学の...」
「そーでもないですよ。リナさんは?」
「あたしは...」
答えようとした所で、今はあんまし会いたくない人物が目に入った。
自販機でコーラを買っていたソイツは、ふと横を向いた拍子にあたしと目があった。
「リナ!」
驚いたように声を掛けてくるガウリイ。
「何やってんだ?ゼルが待ってるぞ。オレん家で」
「やっぱり....ってアンタん家で!?」
驚きである。何故ガウリイの家でゼルがあたしを待ってるのだ...。
ふと横を見るとシルフィールが困った顔をしていた。
「あっ、ごめんシルフィール。...ガウリイ!この人今日からあたしたちのアパートで住むんだって。だから案内してたのよ」
あたしの説明に、ガウリイは一拍置いてから頷いた。
「..ああ、そうなのか」
「シルフィール=ネルス=ラーダと申します」
「ガウリイ=ガブリエフです。よろしく」
にこりと笑ったガウリイは、おもむろにシルフィールに近付いて、彼女から荷物を取り上げた。
「重そうだからオレが持つよ。途中までオレも一緒に行く」
「あ...ありがとうございます」
「......」
それからまた3人で歩き出した。
何とはなしに前を歩くガウリイだが、あたしはふと嫌な予感がしてちらりとシルフィールの表情を伺った。
あ~あ。
頬を染めてガウリイの背中を見詰めるシルフィールに、あたしは内心ため息をついたのであった。
続く
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シルフィールさん登場させちゃいました。ホント、話全然進まなくてすみません(´・ω・`)
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「あちゃ~っ、もうこんな時間か」
あたしは腕時計を見てため息をついた。
今日はゼルが家に来ると言っていたのに。
月に一度のサークル活動は思いの外時間が掛かってしまった。
ちなみにあたしは読書サークルである。
...なによ、似合わないとでも?
とりあえず足早に帰路を歩く。
ああ、ゼル怒るかなー。
どん。
「きゃっ」
「あ、ごめんなさい」
考え事しながら歩くもんじゃない。見知らぬ女の人とぶつかってしまった。
「いえ、こちらこそごめんなさい」
にこり、と微笑んだ女性は、長い黒髪の綺麗なお姉さん、である。
しかし何故か不自然な大荷物。
「あ、あの」
彼女はちょっと躊躇いつつあたしに声をかけてきた。
「はい?」
「ここら辺にあるハズなんですけど、『海月荘』ってアパートどこにあるかご存知ですか?」
...まさか。
「...あたしの住んでるアパートですけど」
あたしの言葉に、彼女の目はぱっと輝いた。
「本当に?私も今日からそこに住むんです!今から帰るところなら、付いていって良いかしら」
「やっぱり...」
そんな気がしたのよね...。
小さく呟いたあたしに、彼女はきょとん、という顔をした。
「あ、いえ、なんでもないの。じゃあ一緒に行きましょーか」
「ありがとうございます!」
そうして二人で並んで歩き出した。
「あ、私シルフィールと申します。あなたは?」
「リナよ。よろしくねシルフィールさん」
「あ、呼び捨てで構いませんわ。よろしくお願いしますね、リナさん」
彼女はちょっぴり矛盾した事を言いつつ笑った。
「...荷物重そうだけど、大丈夫?」
「大丈夫ですわ」
笑顔の彼女だが、額からは汗が流れている。
「...そーいえば、シルフィールは学生さん?」
「ええ、サイラーグ女学院の3年生です」
「ああ、あのお嬢様大学の...」
「そーでもないですよ。リナさんは?」
「あたしは...」
答えようとした所で、今はあんまし会いたくない人物が目に入った。
自販機でコーラを買っていたソイツは、ふと横を向いた拍子にあたしと目があった。
「リナ!」
驚いたように声を掛けてくるガウリイ。
「何やってんだ?ゼルが待ってるぞ。オレん家で」
「やっぱり....ってアンタん家で!?」
驚きである。何故ガウリイの家でゼルがあたしを待ってるのだ...。
ふと横を見るとシルフィールが困った顔をしていた。
「あっ、ごめんシルフィール。...ガウリイ!この人今日からあたしたちのアパートで住むんだって。だから案内してたのよ」
あたしの説明に、ガウリイは一拍置いてから頷いた。
「..ああ、そうなのか」
「シルフィール=ネルス=ラーダと申します」
「ガウリイ=ガブリエフです。よろしく」
にこりと笑ったガウリイは、おもむろにシルフィールに近付いて、彼女から荷物を取り上げた。
「重そうだからオレが持つよ。途中までオレも一緒に行く」
「あ...ありがとうございます」
「......」
それからまた3人で歩き出した。
何とはなしに前を歩くガウリイだが、あたしはふと嫌な予感がしてちらりとシルフィールの表情を伺った。
あ~あ。
頬を染めてガウリイの背中を見詰めるシルフィールに、あたしは内心ため息をついたのであった。
続く
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シルフィールさん登場させちゃいました。ホント、話全然進まなくてすみません(´・ω・`)