前回の続きです(´▽`)
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オレたち兄妹は、母さんから一つ言い含められている事がある。
いわく、『復活(リザレクション)』の呪文を使える魔道士に出会ったら、大金を払ってでもその呪文を教えて貰え。
母さんが昔旅をした時、『復活(リザレクション)』の呪文を学んでおけば、と後悔した事があるんだそうな。その話をする時、いつも明るくうるさい母さんが珍しく哀しい目をする。
ルシウスに『復活(リザレクション)』の教えを乞えば、彼は快く承諾してくれた。
「お金なんていりませんよ。......あ、でもサイラーグ復興の為に少しばかり援助して頂けると嬉しいですけど」
「それくらいならお安いご用だ」
ぽん、と胸を叩いて請け合えば、ルシウスはにっこり頷いた。
「じゃあ、この事件が解決したら......」
「おう!」
それから何軒か被害に遭った店を当たったが、大抵は最初に行った店と同じような感じだった。酷い所では、店主自体が殺されていて、店が閉まってしまっている。
仕方がないので、その日はとりあえず調査を切り上げた。
「新しい発見は特に無さそうだなぁ」
はあ、と大きなため息を付きながらシチューの皿にスプーンをつっこむ。
レオナとルシウスも疲れた様子で食堂のテーブルを囲む。昨日と同じメシ屋は、昨日と同じように混んでいた。
本日三杯目のシチューに舌鼓を打っていると、突然後ろから誰かに肩を叩かれた。
「兄ちゃん、また会ったな!」
「あんたは昨日の......」
背に負ったバスタード・ソード、人懐こい笑顔、中年だががっしりとした体つき。
昨日、オレに散々母さんの都市伝説を語って聞かせたおっさんである。
「今日は一人増えてるな」
チラッとルシウスに視線をやると、オレたちの後ろのカウンター席に腰掛ける。
「ああ、一応今の仕事仲間だ」
「仕事?」
「......『リナ=インバース討伐』だ」
苦々しげに呟く。口にするのも嫌な仕事名だ。
「ああ、あの偽者の話か?」
おっさんは酒を頼みながら、事も無げに返事を返した。
──......!
「偽者だって分かるのか!?」
思わず大声を上げてしまい、周りの客から睨まれる。オレだけでなく、レオナやルシウスも腰を浮かせていた。
「分かるさ、オレは本人と会った事があるからな。お前さんには昨日話したろうが......さては聞き流してやがったな?」
にやり、と笑うおっさんに、オレたちは呆気に取られた。
「あの『嬢ちゃん』が意味もなく強盗なんかすると思えねぇし、何より『兄貴』の話が出て来ねえし」
「『兄貴』......?」
レオナが目を見開く。
「まあ、兄貴の方はあんまり有名じゃねえからな。リナ=インバースと旅をした傭兵っつーか剣士だな。腕は超一流だったぜ。ガウリイ=ガブリエフって、聞いた事ねえか?」
「......!」
絶句するオレたちの横で、ルシウスが目を輝かせたのだった。
続く
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次回に続きます!
おっさんの正体、もうバレバレですよねー( ̄∇ ̄)
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オレたち兄妹は、母さんから一つ言い含められている事がある。
いわく、『復活(リザレクション)』の呪文を使える魔道士に出会ったら、大金を払ってでもその呪文を教えて貰え。
母さんが昔旅をした時、『復活(リザレクション)』の呪文を学んでおけば、と後悔した事があるんだそうな。その話をする時、いつも明るくうるさい母さんが珍しく哀しい目をする。
ルシウスに『復活(リザレクション)』の教えを乞えば、彼は快く承諾してくれた。
「お金なんていりませんよ。......あ、でもサイラーグ復興の為に少しばかり援助して頂けると嬉しいですけど」
「それくらいならお安いご用だ」
ぽん、と胸を叩いて請け合えば、ルシウスはにっこり頷いた。
「じゃあ、この事件が解決したら......」
「おう!」
それから何軒か被害に遭った店を当たったが、大抵は最初に行った店と同じような感じだった。酷い所では、店主自体が殺されていて、店が閉まってしまっている。
仕方がないので、その日はとりあえず調査を切り上げた。
「新しい発見は特に無さそうだなぁ」
はあ、と大きなため息を付きながらシチューの皿にスプーンをつっこむ。
レオナとルシウスも疲れた様子で食堂のテーブルを囲む。昨日と同じメシ屋は、昨日と同じように混んでいた。
本日三杯目のシチューに舌鼓を打っていると、突然後ろから誰かに肩を叩かれた。
「兄ちゃん、また会ったな!」
「あんたは昨日の......」
背に負ったバスタード・ソード、人懐こい笑顔、中年だががっしりとした体つき。
昨日、オレに散々母さんの都市伝説を語って聞かせたおっさんである。
「今日は一人増えてるな」
チラッとルシウスに視線をやると、オレたちの後ろのカウンター席に腰掛ける。
「ああ、一応今の仕事仲間だ」
「仕事?」
「......『リナ=インバース討伐』だ」
苦々しげに呟く。口にするのも嫌な仕事名だ。
「ああ、あの偽者の話か?」
おっさんは酒を頼みながら、事も無げに返事を返した。
──......!
「偽者だって分かるのか!?」
思わず大声を上げてしまい、周りの客から睨まれる。オレだけでなく、レオナやルシウスも腰を浮かせていた。
「分かるさ、オレは本人と会った事があるからな。お前さんには昨日話したろうが......さては聞き流してやがったな?」
にやり、と笑うおっさんに、オレたちは呆気に取られた。
「あの『嬢ちゃん』が意味もなく強盗なんかすると思えねぇし、何より『兄貴』の話が出て来ねえし」
「『兄貴』......?」
レオナが目を見開く。
「まあ、兄貴の方はあんまり有名じゃねえからな。リナ=インバースと旅をした傭兵っつーか剣士だな。腕は超一流だったぜ。ガウリイ=ガブリエフって、聞いた事ねえか?」
「......!」
絶句するオレたちの横で、ルシウスが目を輝かせたのだった。
続く
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次回に続きます!
おっさんの正体、もうバレバレですよねー( ̄∇ ̄)
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