「交錯恋愛49」の続きです(´ω`)
まさか50話行くとは思わなんだ...汗
話もようやくクライマックスですので、もうしばらくお付き合い下さいませ(*´∀`*)
-------------------------
見慣れた図書館。
オレとアメリアはその隅っこに並んで座っていた。
相変わらず空いているから、適当な話場所にはぴったりだ。
...大声を出したら追い出されるとは思うけど。
「いきなり呼び出してすみません」
「いや、どうせ暇だったしな」
オレの言葉に、アメリアははにかんだ。
「大事な話ってーのは?」
尋ねると、アメリアは小さく肩を跳ねさせる。
「....ガウリイさん」
彼女のその雰囲気で、アメリアが何を言いたいのか分かってしまった。
「...別れて、くれませんか?」
──ああ、やっぱり。
何も言わないオレに、彼女は言葉を続ける。
「わたし、他に好きな人が出来ちゃったんです...なんて、ごめんなさい。勝手ですよね」
アメリアは言って静かに項垂れた。
「いや、勝手じゃない。...オレがふらふらしてるから、愛想尽かされちゃったんだよな」
苦笑しながら言う。──当然の結果だ。
「違う..ガウリイさんは何にも悪くないの!」
アメリアはショックを受けたように言った。
「ガウリイさんはいつも優しくて...なんだかお兄ちゃんみたいで、安心出来る存在で...ごめんなさい!ホントにごめんなさい...!」
アメリアの言葉に、はっとした。
...オレと同じだ。
オレは泣きそうな彼女に出来るだけ笑ってみせた。
「オレもだよ。」
「ごめんなさ...へ?」
「オレも...最近はアメリアを妹みたいに思ってたんだ。でも、それは恋人とは言わないよな」
「ガウリイさん...」
「オレも謝らなきゃ....。オレもなんだ。アメリアの他に好きな奴が出来ちまった」
「...!」
彼女は驚いて目を見開いた。
そんなアメリアを抱き寄せて、頭を撫でる。
「ごめんな。きっと寂しい思いさせた...だから」
「そ、んな事はない、です!」
慌てるアメリアをぎゅっと抱き締めた。
...たぶん、これが最後だろう。
「そんな事なくても...謝らせてくれ」
くしゃり、と頭を撫ぜるとアメリアは小さく笑った。
「?」
「やっぱり、お兄ちゃんみたいです...それかお父さん?」
「お父さんはやめてくれよ...歳的に」
まだオレは22だ。
「ふふふふ...」
アメリアは笑って顔をあげた。
「なんか、オカシイですね」
「....そうか?」
「別れ話してるカップルが抱き合ってるんですよ?」
「...あ、すまん」
はっとして離れようとするオレを、アメリアは引き留めた。
「あ、いいんです。もうちょっとこのまま...」
「?」
「今父性愛に飢えてるんで」
「ナンダソレは...」
思わず吹き出しそうになる。本当に、なんだか可笑しい。
とりあえずこの部屋に誰もいなくて良かった。
「...なあアメリア、オレの事許してくれるか?」
「わたしの事を許してくれるなら、良いですよ?」
笑顔で返事をくれたから、オレはほっとしてため息をついた。
「当たり前だろ?」
「ところで...ガウリイさんの好きな人ってどんな人なんですか?」
オレの腕に頭を持たせかけたまま、アメリアが尋ねてくる。興味津々、といった様子。
...今、リナの事だと言って良いのだろうか。
悩んだ末に、ぼやかすことにした。
「んっと...意地っ張りだけどホントは優しくて、ほっとけない奴だ」
「へぇ...」
アメリアは瞳をきらきらさせる。
なんというか、ホントに妹みたいだなー。
ほんの数時間前まで彼女だったのに。
「アメリアの好きな奴は...?」
気になったのでオレも聞いてみる。
...ちょっと複雑な気もするが。
「わたしですかー?えっと...」
その時。
がたん、と音がして近くの扉が開いた。
入ってきた人物に、目を丸くする。
「...あ」
「リナ!?」
彼女はその褐色の瞳を見開いて、オレたちを見つめていた。
「あ...リナ、久しぶり!」
声をあげたアメリアに、リナははっとしたように笑顔をつくる。
「あー、久しぶりね!元気?えっと...お邪魔みたいだから、あたし行くわね」
彼女は早口でそう言うと、こちらも見ずにもと来た方向に走っていってしまう。
...追わなければ。
オレは何も言わずに立ち上がった。
「アメリア...すまん」
「え?」
驚いたようなアメリアを尻目に、オレは全速力で駆け出した。
続く
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次回に続きますー(´ω`)
まさか50話行くとは思わなんだ...汗
話もようやくクライマックスですので、もうしばらくお付き合い下さいませ(*´∀`*)
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見慣れた図書館。
オレとアメリアはその隅っこに並んで座っていた。
相変わらず空いているから、適当な話場所にはぴったりだ。
...大声を出したら追い出されるとは思うけど。
「いきなり呼び出してすみません」
「いや、どうせ暇だったしな」
オレの言葉に、アメリアははにかんだ。
「大事な話ってーのは?」
尋ねると、アメリアは小さく肩を跳ねさせる。
「....ガウリイさん」
彼女のその雰囲気で、アメリアが何を言いたいのか分かってしまった。
「...別れて、くれませんか?」
──ああ、やっぱり。
何も言わないオレに、彼女は言葉を続ける。
「わたし、他に好きな人が出来ちゃったんです...なんて、ごめんなさい。勝手ですよね」
アメリアは言って静かに項垂れた。
「いや、勝手じゃない。...オレがふらふらしてるから、愛想尽かされちゃったんだよな」
苦笑しながら言う。──当然の結果だ。
「違う..ガウリイさんは何にも悪くないの!」
アメリアはショックを受けたように言った。
「ガウリイさんはいつも優しくて...なんだかお兄ちゃんみたいで、安心出来る存在で...ごめんなさい!ホントにごめんなさい...!」
アメリアの言葉に、はっとした。
...オレと同じだ。
オレは泣きそうな彼女に出来るだけ笑ってみせた。
「オレもだよ。」
「ごめんなさ...へ?」
「オレも...最近はアメリアを妹みたいに思ってたんだ。でも、それは恋人とは言わないよな」
「ガウリイさん...」
「オレも謝らなきゃ....。オレもなんだ。アメリアの他に好きな奴が出来ちまった」
「...!」
彼女は驚いて目を見開いた。
そんなアメリアを抱き寄せて、頭を撫でる。
「ごめんな。きっと寂しい思いさせた...だから」
「そ、んな事はない、です!」
慌てるアメリアをぎゅっと抱き締めた。
...たぶん、これが最後だろう。
「そんな事なくても...謝らせてくれ」
くしゃり、と頭を撫ぜるとアメリアは小さく笑った。
「?」
「やっぱり、お兄ちゃんみたいです...それかお父さん?」
「お父さんはやめてくれよ...歳的に」
まだオレは22だ。
「ふふふふ...」
アメリアは笑って顔をあげた。
「なんか、オカシイですね」
「....そうか?」
「別れ話してるカップルが抱き合ってるんですよ?」
「...あ、すまん」
はっとして離れようとするオレを、アメリアは引き留めた。
「あ、いいんです。もうちょっとこのまま...」
「?」
「今父性愛に飢えてるんで」
「ナンダソレは...」
思わず吹き出しそうになる。本当に、なんだか可笑しい。
とりあえずこの部屋に誰もいなくて良かった。
「...なあアメリア、オレの事許してくれるか?」
「わたしの事を許してくれるなら、良いですよ?」
笑顔で返事をくれたから、オレはほっとしてため息をついた。
「当たり前だろ?」
「ところで...ガウリイさんの好きな人ってどんな人なんですか?」
オレの腕に頭を持たせかけたまま、アメリアが尋ねてくる。興味津々、といった様子。
...今、リナの事だと言って良いのだろうか。
悩んだ末に、ぼやかすことにした。
「んっと...意地っ張りだけどホントは優しくて、ほっとけない奴だ」
「へぇ...」
アメリアは瞳をきらきらさせる。
なんというか、ホントに妹みたいだなー。
ほんの数時間前まで彼女だったのに。
「アメリアの好きな奴は...?」
気になったのでオレも聞いてみる。
...ちょっと複雑な気もするが。
「わたしですかー?えっと...」
その時。
がたん、と音がして近くの扉が開いた。
入ってきた人物に、目を丸くする。
「...あ」
「リナ!?」
彼女はその褐色の瞳を見開いて、オレたちを見つめていた。
「あ...リナ、久しぶり!」
声をあげたアメリアに、リナははっとしたように笑顔をつくる。
「あー、久しぶりね!元気?えっと...お邪魔みたいだから、あたし行くわね」
彼女は早口でそう言うと、こちらも見ずにもと来た方向に走っていってしまう。
...追わなければ。
オレは何も言わずに立ち上がった。
「アメリア...すまん」
「え?」
驚いたようなアメリアを尻目に、オレは全速力で駆け出した。
続く
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次回に続きますー(´ω`)
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