「交錯恋愛50」の続きです(´ω`)
ようやくここまでこれました(ふぅ)
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「あたしの、馬鹿」
あたしは訳もわからず走っていた。
仲良く寄り添うガウリイとアメリアを見て、逃げ出したのだ。あたしは。
恋人同士なんだから、当たり前なのに。
そんな事分かってて覚悟を決めたハズなのに。
あんな風に逃げたりして、きっと変に思われたに違いない。
...アメリア、久しぶりに会えた。
少し、大人っぽくなった気がする。
「....うっ」
喉の奥が熱くなって、知らず涙が溢れた。
...とりあえず、どこか落ち着けるとこまで、走っていこう。
そう思った時、誰かに思い切り腕を引かれた。
「リナ!」
聞きなれた声。優しく低い声。
....嘘。ウソだ、そんなわけない。
恐る恐る振り返ると、そこには肩で息をするガウリイ。長い金髪が乱れている。
あたしを追って走って来たのだ。
....なんで?
「リナ、待ってくれ」
はあはあと息をつくガウリイ。
「...な、んでよ。あたしお邪魔でしょ!?帰るんだから放してっ」
そう言っても、ガウリイは放してくれない。
「誤解だ」
「何がよ!...恋人同士が仲良くするのは当たり前じゃない!」
そう、当たり前だ。
「違う!そうじゃなくて...」
珍しく激しい口調のガウリイに、どきりとする。
「...そこのお二方、静かにして頂けませんか?」
「あ、すみません...」
図書館司書に注意されて、ガウリイはあたしの手を引いて歩き出した。
...どっかに連れてかれる?
「すまん、リナ。屋上に行こう...話がしたい」
「...分かったわよ」
「リナ...泣くなよ」
「泣いてなんか...!」
くしゃり、と頭を撫でられて、あたしは黙った。
本当に何もない屋上。
一つだけある小さなベンチに、浅く腰掛ける。
今日は晴れているのにあまり暑くない。
日差しが優しくあたしたちを照らす。
「...なんで追って来たの?」
ガウリイの意図が分からなくて、あたしはうつ向いたまま尋ねた。
...とりあえず涙は止まってくれたようだ。
「...よく分からん」
「はあ!?」
思わず顔を上げてガウリイを見る。
「よく分からんが...とにかく、誤解を解きたくてだな」
ガウリイは頬をぽりぽりと掻いた。
「だから何が誤解だってーのよ!...彼女とイチャイチャしてるとこ見られたからって...!」
ヤバい、また泣きそうかも。
「違う!...アメリアとは今さっき別れた」
「....え?」
ガウリイの目は真剣で、その蒼に射抜かれる。
「...う、そ」
「ホントだ」
「嘘よ!なんでよ!...大事にするって言ったじゃない!!」
「オレはお前さんが好きなんだ...リナ」
あたしは言葉を失った。
「アメリアはオレにとって妹みたいな存在になってたんだ...」
「妹?」
「そう...アメリアも、同じ事思ってたらしい。さっきアメリアから振られた」
「アメリアから...っ」
「お前さんにゼルがいるのは分かってる...ゼルガディスがいい奴なのも知ってる。...でもオレはお前さんが好きだ」
「ガウリイ...」
あたしは顔が熱くなるのを感じた。
たぶん、顔真っ赤だ。
...あたしもガウリイが好き。
ちゃんと、ちゃんと言わなくちゃ。
..でも、なかなか声が出てこない。
「....」
黙っているあたしをどう思ったのか、ガウリイは苦笑した。
「...なんて、ごめんな。勝手なこと言って」
──は?
「お前さんが嫌なら...諦める」
え、ちょ..ちょっと待ってよ!
哀しそうな顔をして立ち上がろうとするガウリイを、あたしは思わず懐に忍ばせていた携帯用スリッパで殴っていた。
すぱーんっ!
「いってぇ、っというかそれはどこから...」
小さく呻くガウリイに、あたしは立ち上がって叫んだ。
「ガウリイの馬鹿!くらげ!...あたしが泣いてる意味とか考えてないでしょ!!」
「...へ?」
「あたしだってさっきゼルと別れたんだから!!」
こんな風に言うつもりじゃなかったけど...
ガウリイはぽかんとしてあたしを見る。
「...なんで?」
「だ、からっ!」
あたしは顔を背けた。
──だああっ、恥ずかしいっ!
「あたしも...あんたが好き..だからよ」
数秒後、あたしは唐突に抱きしめられた。
「ちょっ...!」
──こいつ、もしや抱きつき魔?
「リナ!!」
嬉しそうな声。
顔をあげると、ガウリイの眩しい笑顔に思わず赤面した。
「オレも大好きだ!」
「さっき聞いた..」
「でももっかい言わせてくれ」
「...勝手にすれば」
「リナ、好きだ。たぶん、ずっと前から」
あたしは、鼻の奥がツンとするのを感じて、ガウリイの胸に顔を埋めたのだった。
続く
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次回に続きます!
ようやくここまでこれました(ふぅ)
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「あたしの、馬鹿」
あたしは訳もわからず走っていた。
仲良く寄り添うガウリイとアメリアを見て、逃げ出したのだ。あたしは。
恋人同士なんだから、当たり前なのに。
そんな事分かってて覚悟を決めたハズなのに。
あんな風に逃げたりして、きっと変に思われたに違いない。
...アメリア、久しぶりに会えた。
少し、大人っぽくなった気がする。
「....うっ」
喉の奥が熱くなって、知らず涙が溢れた。
...とりあえず、どこか落ち着けるとこまで、走っていこう。
そう思った時、誰かに思い切り腕を引かれた。
「リナ!」
聞きなれた声。優しく低い声。
....嘘。ウソだ、そんなわけない。
恐る恐る振り返ると、そこには肩で息をするガウリイ。長い金髪が乱れている。
あたしを追って走って来たのだ。
....なんで?
「リナ、待ってくれ」
はあはあと息をつくガウリイ。
「...な、んでよ。あたしお邪魔でしょ!?帰るんだから放してっ」
そう言っても、ガウリイは放してくれない。
「誤解だ」
「何がよ!...恋人同士が仲良くするのは当たり前じゃない!」
そう、当たり前だ。
「違う!そうじゃなくて...」
珍しく激しい口調のガウリイに、どきりとする。
「...そこのお二方、静かにして頂けませんか?」
「あ、すみません...」
図書館司書に注意されて、ガウリイはあたしの手を引いて歩き出した。
...どっかに連れてかれる?
「すまん、リナ。屋上に行こう...話がしたい」
「...分かったわよ」
「リナ...泣くなよ」
「泣いてなんか...!」
くしゃり、と頭を撫でられて、あたしは黙った。
本当に何もない屋上。
一つだけある小さなベンチに、浅く腰掛ける。
今日は晴れているのにあまり暑くない。
日差しが優しくあたしたちを照らす。
「...なんで追って来たの?」
ガウリイの意図が分からなくて、あたしはうつ向いたまま尋ねた。
...とりあえず涙は止まってくれたようだ。
「...よく分からん」
「はあ!?」
思わず顔を上げてガウリイを見る。
「よく分からんが...とにかく、誤解を解きたくてだな」
ガウリイは頬をぽりぽりと掻いた。
「だから何が誤解だってーのよ!...彼女とイチャイチャしてるとこ見られたからって...!」
ヤバい、また泣きそうかも。
「違う!...アメリアとは今さっき別れた」
「....え?」
ガウリイの目は真剣で、その蒼に射抜かれる。
「...う、そ」
「ホントだ」
「嘘よ!なんでよ!...大事にするって言ったじゃない!!」
「オレはお前さんが好きなんだ...リナ」
あたしは言葉を失った。
「アメリアはオレにとって妹みたいな存在になってたんだ...」
「妹?」
「そう...アメリアも、同じ事思ってたらしい。さっきアメリアから振られた」
「アメリアから...っ」
「お前さんにゼルがいるのは分かってる...ゼルガディスがいい奴なのも知ってる。...でもオレはお前さんが好きだ」
「ガウリイ...」
あたしは顔が熱くなるのを感じた。
たぶん、顔真っ赤だ。
...あたしもガウリイが好き。
ちゃんと、ちゃんと言わなくちゃ。
..でも、なかなか声が出てこない。
「....」
黙っているあたしをどう思ったのか、ガウリイは苦笑した。
「...なんて、ごめんな。勝手なこと言って」
──は?
「お前さんが嫌なら...諦める」
え、ちょ..ちょっと待ってよ!
哀しそうな顔をして立ち上がろうとするガウリイを、あたしは思わず懐に忍ばせていた携帯用スリッパで殴っていた。
すぱーんっ!
「いってぇ、っというかそれはどこから...」
小さく呻くガウリイに、あたしは立ち上がって叫んだ。
「ガウリイの馬鹿!くらげ!...あたしが泣いてる意味とか考えてないでしょ!!」
「...へ?」
「あたしだってさっきゼルと別れたんだから!!」
こんな風に言うつもりじゃなかったけど...
ガウリイはぽかんとしてあたしを見る。
「...なんで?」
「だ、からっ!」
あたしは顔を背けた。
──だああっ、恥ずかしいっ!
「あたしも...あんたが好き..だからよ」
数秒後、あたしは唐突に抱きしめられた。
「ちょっ...!」
──こいつ、もしや抱きつき魔?
「リナ!!」
嬉しそうな声。
顔をあげると、ガウリイの眩しい笑顔に思わず赤面した。
「オレも大好きだ!」
「さっき聞いた..」
「でももっかい言わせてくれ」
「...勝手にすれば」
「リナ、好きだ。たぶん、ずっと前から」
あたしは、鼻の奥がツンとするのを感じて、ガウリイの胸に顔を埋めたのだった。
続く
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次回に続きます!
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